エソラ

こんばんは。
ワニくんもとい、川西長人です。

本日は「おさんぽ神」というボードゲーム(?)を使ってお散歩をしてみました。
「生憎の雨模様だけど、楽しい散歩になればいいな」と思っていましたが、想像を超えて心が震える素敵な出会いもたくさんあり、どこか感動すらも覚えましたので、実際の散歩の歩みだけでなく、そこで思い感じたところもつらつらと書いていきたいと思います。

お付き合いいただければ、私は幸せ。

◆ ◆ ◆

まず、「そもそもさんぽ神とはなんぞや?」という方のためにご説明致します。
『ボルカロス』などで有名なドロッセルマイヤーズさんがつくっているゲームで、ページをランダムに捲ると「どこで」「何をする」という指示(さんぽ神のおつげ)が与えられて、普段の散歩にアクセントを加えてくれるというものです。

散歩は目的地があってもなくても楽しいものですが、ユルい散歩の目的を決めてくれる、これはそんなゲームです。

◆ ◆ ◆

絶好の散歩日和、というのがあるかどうかわかりませんが、今日は霧雨でした。
雨の日の月曜日ともなれば、カーペンターズの歌が思い出されますね。

……閑話休題。

さて、僕たちに与えられた今日のおつげはこちらでした。

物件の良さに惹かれて住み始めた今の家ですが、ずっと神奈川県民だった僕からすれば埼玉の所沢はあまりにも馴染みがなく
また、駅と自宅との往復しかしていない半年間でしたので、川などどこにあるか皆目検討もつかず。

google mapを頼りに、普段全く歩かない道を進みます。

通りがかった神社で春を感じ、もう間も無く川に着くーー。

そんなタイミングで、気になるお店を見つけました。

「諸国 地酒」との文字。

挨拶をし、中に入ってショーウィンドウを眺めていると、店主の方が声をかけてくれました。

ここのお店はそれぞれの蔵元さんとの関係が深く、流通が少ない地酒も多く取り扱っており、主に都心の飲食店にお酒を卸しているとのこと。

「僕もまだまだ日本酒は詳しくないのですが、魚の業態で働いていて、日本酒とのペアリングなどもお伝えしなくてはいけないシーンがあり、もっと詳しくなりたいのですよね」

僕からそう伝えたところ

「僕もこの仕事20年やっていますが、そういう時は、味わいについてあれこれ語るより、蔵元や杜氏さんのことを伝えたほうが、お客さんは楽しんで飲んでくれますよ」
「情報不足でも情報過多でも、お客さんは味に対する粗探しをしてしまう。大事なのは語ることではなくて、その日本酒を楽しめる心持ちにしてあげること」
「日本酒の味わいはドンドン複雑で多様化してきて、今や甘辛や濃淡でなんていう一つの単純な物差しで好みを伺うより、もっと感覚的なイメージを聞いたほうがいいですよ」

といった話を聞かせてくれました。

漁師さんをはじめとする生産者の方の想いをお客様に届ける仕事をしている僕としては、とても学びのあるお話しをいろいろと伺うことができました。

最後に、彼女がパッと見で惹かれたこのお酒を買いました。

『イバフォレ』

ヒノキの棒が付属しており、それを日本酒の中に沈めることで、時間経過とともにヒノキの香りがお酒に移っていくという日本酒です。
樽酒にも似ているようでもありますが、開栓後に変化していく香りと味わいが楽しめるというのがとても素敵です。

◆ ◆ ◆

地酒のお店で「お酒も生産者のこと伝えてあげるのが一番だよ」と聞き、自分の仕事への繋がりも感じて感銘を受けたりもした僕は、ゴールとなる目的地に着く頃にはすっかり興奮しきっておりました。

「さんぽ神のおつげ凄すぎる!感動しっぱなしだ!」

散歩の道中には、他にもいろいろな出会いや発見がありました。

植物のお店では、僕が今現在育てているパキラとサンスベリア(観葉植物)の今後の育て方についていろいろな話が聞けました。

自動販売機の張り紙の一文
「所沢のハチミツあります」に惹かれて入った商店では、里芋焼酎や地ビールをはじめとした、地元ブランドの商品が多くありました。

お茶屋さんに入れば、そこは狭山茶専門のお店とのことで、さまざまな狭山茶の銘柄を知ることができ、シーンや季節に合わせた楽しみ方も伺えました。

「今住んでいる街のこと、落ち着いたベッドタウンとしてしか認識していなかったけど、一歩角を曲がれば、こんなにも色や味や体温がある景色が広がっている街なんだ!」と、至極感動してしまいました。

食(生産者)や植物といった、僕が関心が深いものにたまたま多く出会えたことも、今回のさんぽが印象深いものになった理由です。

◆ ◆ ◆

さて、以前マトリックス作中の名言になぞらえて、アドラー心理学の「認知論」風味のこんなnoteを書いた僕ですが

今回は散歩での多くの出会いは、

「人は知ろうとしていることしか知り得ない」
「普段歩いている道の塀の向こうや、一本隣の道の先では、全く異なる景色が広がってる」
「我々は“当たり前”に、自分が見聞きし、認知したものから醸成された狭量な価値観しか持ちえないが、そこに対する自覚を持てばこそ、違う知らない景色に出会うことができる」

僕のそういった思いを、改めて強めることとなりました。

◆ ◆ ◆

今回のnoteのタイトル。
特にこだわりもなく、別になんでもよかったのですが、曲のタイトルから拝借することが多かったので、今回はミスチルの「エソラ」から拝借しました。

2番のAメロの歌詞が好きで、ともすれば憂鬱となりやすい雨の日にはよく聴きます。

ミスチルの曲には他にも「worlds end」や「未来」、「Any」や「名もなき詩」など、僕が抱えがちな閉塞感を散らしてくれる曲が多くあります。

世界を形作るのは、いつだって自分です。
他者も、世界も、自分自身だって、自分がその輪郭を設定し、そこに当てはまるようにしか見ていないのです。

ここまでは得意の宴会一発芸「当たり前のことをもっともらしく言う」の範疇ですが、今日は機嫌がいいので、恥はかき捨てる物と思い、もう少し言及します。

それを「人間の限界だから」と諦めるか、「もっと深い真実を知りたい」と思うのか、その“意思”こそが大事だと思うのです。

英語版の「Simple and clean」を聞けば、その主題は「未来を目前に控えた、男女間の曖昧な絆」とわかりますが、それでも僕は『光』のこの一節が好きなのです。

僕の追う、真善美。

もっと知りたい。
もっと良くしたい。
もっと美しくなりたい。

……いままで知り得なかった景色を知り、深い感銘を受けたお散歩のレビューでしたが、辿り着いた終着点は“真善美”の追求。

終着というより、どちらかといえば「川西長人サン、人生の迷子ですな」といったところですが

まぁいろいろ感じ考えられた、とても良いお散歩でしたとさ。
みなさんも良ければ、是非さんぽ神片手に街へ飛び出してみてください。
おつげが、きっと素敵なところへ導いてくれますよ。

…はてさて。

とっぴんぱらりのぷう。

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