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2030年の再生可能エネルギー導入目標引き上げに向けた提言を公表しました

4月22日に菅総理大臣が2030年に向けた気候変動対策目標の引き上げを発表し、新たな目標値として2013年度比で46%の温室効果ガス削減が設定されました。

これを受け、一般社団法人太陽光発電事業者連盟(ASPEn)として2030年を目標とする更なる再生可能エネルギーの導入拡大を実現するため、営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)を軸とした政策提言を公表しました。

現実的な選択肢としての太陽光発電

今次目標の達成のために、これまでのわが国における再生可能エネルギー導入の遅れを含めた気候変動対策の不十分さを挽回していくためには、これまでの価値観に囚われないあらゆる政策手段の総動員が必要です。

その中でも、再生可能エネルギーの大量導入は有力な手段の一つですが、あと9年という残された時間の中で執れる選択肢は限られつつあります。政府は洋上風力発電の促進などを示していますが、その開発には平均して8年程度の時間を要するため、概ね来年度までに計画された事業が今回の目標達成に貢献することができるという状況です。

一方で、2009年度から始まった余剰売電FIT、2012年度から始まった全量売電FITによって大量導入が進んできた太陽光発電は、事業計画から運転開始までのリードタイムが事業用の設備でも平均2~3年程度です。最も新設が活発だった2014年度~2015年度には、単年度で9GWの設置が行われるといった実績も積み重ねてきています。

ただ、再エネ大量導入小委員会で経済産業省・資源エネルギー庁も認めているとおり、FIT制度における太陽光発電の抑制策が奏功したためその導入量は急激に減少してしまっています。

再生可能エネルギー導入量+10%のために

4月7日に開催された再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会(第31回)において、経済産業省・資源エネルギー庁からは政策強化を図っても2030年時点で再生可能エネルギー導入量は30%程度にとどまるという試算が示されました。

一方で、今次の目標を達成するには非化石電源比率50%以上が必須と見られる中で、まず+10%の導入量積み上げのために太陽光発電事業者がどのように貢献するかを示したのが、今回のASPEnとしての提言になります。

再生可能エネルギーの大量導入は必要なことですが、そのために自然環境が損なわれてしまっては本末転倒で、再生可能エネルギーの源となる自然資源が豊富に存在する農山漁村の発展と両立するものでなければなりません。

その達成には、農業との共存を前提として発案された営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)が大きく貢献できると考え、これまでにない規模の導入目標を示すに至りました。

次の世代に豊かな社会を手渡すために

再生可能エネルギーの導入拡大も、気候変動対策も、それ自体が目的ではありません。全ては次の世代に豊かな社会を手渡していくという目的のために、現役世代である私たちが取るべき手段の一つです。

私たちはその捉え方を誤ることなく、強い決意と確固たる意志を持って将来世代への責任を果たすために、目の前の課題に向き合っていきます。

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