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単材弓(単弓/丸木弓) Self bow その5 ホペア/ギアム Hopea/Giam / Hopea pierrei

「ベトナム輸入紅木材-少林斉眉棍/詠春拳棍」である。
本物の紅木だと、ワシントン条約(ローズウッド種)に引っかかってしまう
(そもそもベトナムから輸入できないはず)。
しかし、商品ページをよく見るとHopea Spp.との記載がある。
フタバガキ科ホペア属であることは間違いない。
ベトナム産であること、材の特性(断面、比重 等)から、Hopea Pierreiとしてよかろう。
購入時はシュリンク包装されており真っすぐだったが、あっという間に曲がった。棍としては大外れであるが、弓にするには問題なし。

曲がってしまい、杖/棍としてはとても使えない。3cm x 180cm。重い。
170cmに切断。断面観察。
端材を水に入れると、即座に沈む。
腹側の面を出す。
鉋で削るも、刃が滑る、入っても異常に粘る、抉れる、という苦行の繰り返し。
最終的には鋸鑢に頼るが、鋸鑢も激しく消耗する。
材が左右にも若干曲がっている。
この樹種の木理は交錯しているため、目の通りを気にせず、中心線を調整。
側面を鋸で切り出す。ゆっくりと連続20ストローク。
これを超えると鋸が過熱して切れない。鋸が死ぬ危険もある、
何とか切りきる。
鋸鑢でひたすら削る。銀杏臭あり。
何とか形になった。
オリーブ油をスコッチ・ブライトで擦り付け、ささくれ等を発見、平坦化する。
Tillering -> 微調整の繰り返し。
張力が27㎏以上あるため、弦は人工シニュー5本縒り(2本と3本の変則縒り)。
Tiller台(懸垂台)にかけ、初期伸びをとる。
編み込み部の抜きを段階的にしてテーパーを付けてみる。
黄麻(ジュート)紐を緑茶に漬け、鉄媒染液(ボンスター酢)で黒染。
黒染黄麻を巻いて握りとする。
張力28.6㎏(63lbs) @58cm(22.8inches )。
Step Through Methodで弦掛けするのだが、小柄、非力なもので、弦掛段階で消耗する。
(背骨が鳴る)。

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