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Quality of life with coffee

近年では「生活の質」というものを追求することに重きを置く風潮があり、それは「Quality of life(QOL)」という指標で医療や教育などの現場でも注目されるようになりました。私自身、これをコーヒーで追求する「Quality of life with coffee」というテーマで修士論文を執筆した経験があり、当然コーヒー屋としても無視できない指標と考えております。

コーヒー文化によって日本の消費者にもたらされる生活の質への付加価値

まんま私の修士論文のタイトルですが(笑)
私が研究した中で、日本人の生活におけるコーヒーの役割は、大きく3つに分類できました。それは「欲求の充足」「生活のリズム形成」「人間関係の構築」でした。こうした付加価値によって、日本の消費者の生活の質が高められていると考えられました。

①欲求の充足

まず、なんといっても「美味しいものが飲みたい」「食べ合わせを楽しみたい」といった欲求を充足するためにコーヒーがあるということです。そして「美味しい」には前回の記事でもお話した通り情報が大きく影響しているため、焙煎方法や抽出方法の工夫の他、豆の情報、「オーガニック」「フェアトレード」「スペシャルティ」といった単語によって美味しさを表現することをコーヒーの提供側は行います。また店舗の雰囲気や食器を楽しむ、人によっては美形の店員さんがいるなど、そういった欲求を充足するために「コーヒーを飲む」という行動が消費者に選択されることもあります。

②生活のリズム形成

コーヒーには言わずとしれたカフェインによる覚醒作用があり、それは朝の仕事前、昼休み明け、夜中の受験勉強などといったタイミングで大きな役割を果たします。あるいは、香味のリラックス効果によって、休日のブランチ時、夜ご飯後のTV時間などで、気持ちを落ち着かせるためにも活用されています。あるいは、決まった時間に飲むなどのルーティーン化によって自分自身のリズムを整えたりするのにも使われています。

③人間関係の構築

非喫煙者の私の周りで時々話題に上がりますが、「上司の喫煙所に付き合う必要があるかどうか問題」があります。それの是非はさておきとして、喫煙所という場所はしばしば情報交換の重要な場として機能しています。映画「タイタニック」でも実業家たちが喫煙ルームで経済の議論をするシーンがありましたね。
ただ近年は若者のタバコ離れが加速しており、それの代替としてコーヒーが機能するようになりました。もちろん昔から喫茶店はその機能を果たしていましたが、いまや様々な場で人間関係のきっかけとして求められるようになりました。上述のような仕事の場はもちろん、恋バナや愚痴といったプライベートな場でも、コーヒーは集まるきっかけ、会話の潤滑油として活用されています。

コーヒーの効果を文化と捉えて有効活用する

これまでお話してきました、コーヒーの3つの機能を理解することは、コーヒーが持つ効果をしっかりと把握することに役立ちます。もっぱら日本の文化と捉えても過言ではありませんし、そしてカフェのオーナーなどコーヒーの提供者としては、こうした知見は顧客満足度を高めるために有用です。時代の変化によって詳細な機能は変化すれど、大きくはこの3つの視点ですので、コーヒー関係の事業に携わる方はぜひ参考にしていただければと思います。

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