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ドリップコーヒーの味づくりに必要な理屈

noteのアプリがiPadに正式に対応したことに興奮して、すっかり忘れてしまっておりました^^;
前回までは自分なりのドリップコーヒーを編みだすことを話し中でしたねm(_ _)m

お湯の温度が高いほど苦味が強くなるとか、コーヒー粉の粒度が粗いと酸味よりになるとか、市販のコーヒー本にも書いてあるような基本的な既知の部分は割愛し、今回はすこし踏み込んだ部分をお話したいと思います。

蒸らしの技術

ドリッパー内のコーヒー粉は、真上から見た場合に円(楕円)形になっています。また、三次元的に観察するなら、逆円錐形をとっています。そのため、真上から見て内側ほど深さがあります。

さて、ハンドドリップに限りませんが、コーヒーの抽出には「蒸らし」が欠かせません(コーヒー成分は粉の表面の油脂分に吸着されており、疎水性の油脂が抽出を妨げる原因になるため、蒸らしの工程でお湯と馴染ませる必要がある)。さらに、蒸らしはすべてのコーヒー粉において同時に進行すべき工程です。しかしながら、上述の通りドリッパー内のコーヒー粉は場所によって深さが異なるため、すべての粉で同時にとなると、注ぐ位置や湯量、速度まで含めて絶妙なコントロールを求められます。

ところで、蒸らしについて技術論を語るならば、蒸らしの「程度」についても触れなければなりません。
蒸らしは、コーヒーの油脂分とお湯を馴染ませて抽出効率を上げるために行いますが、逆にいえば、蒸らしによって抽出されてほしくない成分も出やすくなってしまいます。特に鮮度が落ちた豆などでは、あえて蒸らしを短めに行うといった技術対応もアリです。
反対に、焙煎当日など、鮮度が良すぎる豆を使うならば、蒸らしをじっくりめに行うことも求められます。焙煎間もなくは、ガスが多すぎてお湯と粉が触れ合いにくく、効果的な蒸らしができにくいです。そのため、通常よりも長めに、または多めのお湯で蒸らしを行うといった技術対応が求められます。

注湯の位置と速度のバランス

上述の通り、ドリッパー内のコーヒー粉は円形をしております。これに注湯してコーヒーを抽出するのですが、ポットから注ぐ上では、どうしても注湯ムラが避けられません(上から見て3時の部分に注湯している時は9時の部分付近に注湯できないため)。コーヒーメーカーなどではシャワー状に注湯するためこのムラは避けることが可能ですが、ハンドドリップでは常にそれを意識する必要があります。

とはいえムラがないように高速でグルグル回すように注湯しても、反対に勢いがつきすぎて粉が暴れてしまい、それはそれでムラに繋がります。注湯の位置と速度のバランスは、ハンドドリップにおいて絶えず向き合っていくべき課題です。

現実的な技術対応としては、位置によるムラは大前提として、如何に香味にムラが起きないようにするか、ですね。これは深い部分までお話すると当店の抽出の肝の部分に関わるため、ここでは割愛いたしますが、自分なりのドリップコーヒーを編みだすためにはぜひ念頭に置いていただきたいと思います。

豆による差も忘れない

ここまで蒸らしと注湯についてお話いたしましたが、もちろんこれらの技術対応はコーヒー豆の個性によっても求められるものが変わります。特にスペシャルティコーヒーを始めとする、複雑な香味のコーヒーほど繊細で、すこしの技術差で香味がガラリと変わってしまいます。

自分なりのドリップコーヒーを編みだすうえでは、施した技術対応はもちろんのこと、銘柄や個性、焙煎後経過日数なども含めてメモを残し、PDCAを回していく努力が必要です。

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