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国際宇宙ステーション

ロシアとアメリカが国際宇宙ステーション(International Space Station - ISS)用のロケットを打ち上げてから、すでに20年以上も経っている。20年以上たった2020年の11月に初めて、アメリカの民間会社SpaceXがISSにドッキングを成功した。

ここ数年注目を浴び出した宇宙事業、ISSは地球人にとって、宇宙への入り口のようなものだ。今は非常に遠くに感じるISSは、近いうちに小旅行に行くくらいの距離に変わるのではないだろうか。

そんなISSの心の距離を、ほんの少しだけ近づけてみよう。

国際宇宙ステーション(ISS)とは

ISSは簡単に言えば宇宙空間にある科学実験場である。トータル420トンのISSは(大きい)部品を宇宙空間で組み立てて、サッカーフィールドほどの大きさを持つ。大体数分でISSの端から端まで移動できてしまう。宇宙空間では重さは関係ないので、一度宇宙空間にやってくれば重さはほぼ関係なくなる。つまりは常に自由落下をしている状態という事だ。地上から400kmの高さで、地球を90分で一周する。この高さと速さがちょうど重力とのバランスを取っていて宇宙空間に飛んでいく事もないし、地上に落ちる事もない。

水は人にとって非常に重要である。インフラとかけ離れた場所にあるISSはどのように水を確保しているのだろうか。宇宙飛行士が出す94%の液体(排出物)は再利用される。この文章を見ると恐ろしく感じるかもしれないが、事実である。そう、宇宙飛行士の体から出た水分は飲水から空気にまで使われる。処理された後に、再利用される水の中に電気を通して電気分解を引き起こし、酸素と水素に分ける。ちなみに火星に行って帰ってくるまでの間に36000Lの水が必要になると言われている。

寝床

ISSがそれほど大きくない場所だということは上に書いたとおりだ。就寝スペースは6つしかなく、SpaceXのCrew Dragonが到着したことによち、ISSの乗員は7名となった。人数がオーバーしたために、一人はCrew Dragonの中に寝るという話だ。上下左右という概念のない宇宙空間では、上下左右の4方向に部屋がある。大きさは電話ボックスほどであるが、ほぼ寝るだけの場所のようだ。寝袋が壁に紐で繋がっていているので、寝ていてもどこかに飛んでいってしまわないようになっている。個人のPCはISSに固定されたアームを使って場所を調節できるようだ。

食事

宇宙空間は真空だけれども、ISS内は空気がある。空気があるということは酸素があり食べ物を腐敗させる。なので食事はレトルトのパッケージのようなものに入っている。つまりは保存加工されているということだ。パンをISSに持っていくのは非常に難しいらしいが、トルティーヤという薄いパン生地のような食べ物は持っていけるとのことだ。パッケージの中に水を入れることも可能であり、温める機能もISSには備え付けられている。他にも食べられないものがある。それは新鮮な野菜や果物であるということだ。数ヶ月に一度地上から食事が運ばれてくるという話だ。そんなに頻繁にISSにロケットが飛ばされていることに感心した。

食後の

歯ブラシ。歯磨きは地上にいる時とそんなに変わらないが、歯磨き粉は飲み込むかペーパータオルに水分を含ませる事で処理できる。歯ブラシに必要な水は歯磨き粉にくっつく。粘着性は宇宙空間にもあり、液体も何かにくっついているとそこに留まろうとする。

宇宙空間と人間の体

宇宙空間のISSは無重力環境である。地上で人間の内臓は1Gという力が地面に向かって加わっているが、宇宙空間ではその荷重が無い。1Gの荷重がかかっていないと骨も内臓も弱ってしまうので、無重力の環境ではエクササイズをする事が大切になる。骨の密度、筋肉の減少が起こらないように運動しなければならない。宇宙飛行士たちは1日に約2時間半の運動が必要となる。地上にいる時と比べたら運動の量はかなり多くなるだろう。

外壁

ISSはデカくて硬い。真空空間で気温の上下が激しい環境にあるのだから、頑丈にできていないと困ってしまう。しかし外壁は損傷する事がある。例えば一粒の砂が90分で地球を一周する速さのISSに当たれば、ものすごい威力となりISSの外壁を壊してしまう。外壁だけならいいが、穴が空いてしまうとISSの中の気圧が下がり、命の危険が出てくる。ということで、外壁は2重になっていて、一層目と2層目の間にはクッションが挟まれている。数少ない窓は使われていない時に蓋をして割れないようにしている。ISSの中からのボタンで蓋の開け閉めが出来る。

電気

ISSには常に電気を使って明かりを灯している。その電気は太陽光発電により賄われている。地球上と違い、大気などのフィルターがないので太陽光発電のエネルギー変換効率がとても良い。空気など外界からの劣化が宇宙空間では少ないので、長持ちもする。宇宙に住むことになっても、太陽光パネルがあれば電気に困ることはなさそうだ。ISSにとって電気が一番重要なインフラかもしれない。電気がないと水も作れないのだ。

終わりに

これからどんどん宇宙空間への道は開けて来る。その入り口とも呼べるISSは、これから宇宙へ行く人たちの標準となるはずだ。ISSの話を読んでいて、実はかなりローテクな印象を受けた。これからはもっとハイテクで、もっと宇宙に適した形になっていくのだろう。日本人がもっと気軽に宇宙空間に行けるようになったら、宇宙用のウォッシュレットを開発するのではないだろうか。食事だって刺身や寿司が食べれる日が来るかもしれない。宇宙空間で畳の上でゴロゴロできる日を楽しみにしています。

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