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✴︎City Farming Wife✴︎マルシェのススメ

皆さん市場やファーマーズマーケット、青空市のような場所で買い物したご経験はありますか?豊洲のような全国区の市場、最近では各地域に根差したマルシェも見かけますね。地方の魚市場や海外のマルシェなど旅行先では立ち寄っても日常で利用する機会はないという方もいらっしゃるでしょうか?私たちは毎週土曜日に東京青山のファーマーズマーケットで野菜を販売しています。もっと身近に感じて欲しいという想いから、今回はマーケットでの買い物の楽しさ・魅力についてお伝えしたいと思います。お店に立つ前の自分自身がそうだったのですが、「なんだか敷居が高いわ」と思っている方も少なくないのではないでしょうか?これを読んで一度行ってみようかしら?と思って頂けたら嬉しいです。

どんなお店があるの?

まずはどんな買い物ができるのかが気になるところですよね?"Farmer's"と謳っているだけに、農家の直販がメインです。全国各地から毎週、あるいは旬の時期限定で自ら育てた野菜や果物を販売されている個性豊かな生産者が沢山集まっています。また全国から選りすぐりの作物を仕入れて販売する八百屋さんもいらっしゃいます。その他にはジャムやピクルス、味噌・ドレッシングなどの調味料からお米、納豆、コーヒー、お茶、スパイス、生花、そしてパンにお菓子まで。お肉・お魚以外のものはスーパーと同じ品揃えと言っても過言ではないかもしれません。

青山という土地柄、健康意識が高く、農薬不使用、無添加の食品に拘るお客様もやはり多く、自ずとそうした点を意識して栽培、ものづくりをされている生産者が多いのが特徴でしょうか。なのでその辺りが気になる方にとっては安心して商品を選びやすい場所ですね!その分、お値段がお高めな傾向もありますが、全てがそうだという訳ではありません。天候不順で全国的に高騰している時も市場での仲買手数料を通さない分、逆にお安く出てることもあります。

青果に関して、毎週通っていると気づくのは旬の野菜が出るタイミングに地域差があること。日本の地形を考えれば当然のことなのですが、本当にそうなんだなぁと旬を実感します。例えば小田原で生産する私達のお店で先週ズッキーニを買ったけど、今週来てみたらもう終わっていた。でも長野の農家さんでは最盛期を迎えていた、という感じで、ラインナップがずれていく。それが色んな生産者さんと触れ合うきっかけにもなり得ます。果物だと秋には自慢の葡萄や梨を携えて各地から期間限定で農家さんがいらっしゃり、これを毎年楽しみにして列を成す常連さんも。「8月に入ったから今年も〇〇さんの葡萄が出る頃だわ」なんて思いながら買い物するって素敵ですよね。そしてこれがどれだけ生産者の支えになるか(涙)

毎週変わる出店者の情報はHPをチェックしてみて下さいね!

クセが強い?生産者と話してみよう

ファーマーズマーケットの敷居が高いと思われる理由の一つとして、対面販売でお店の方との会話に困る、ということがあるのではないでしょうか?「洋服屋さんの店員さんには放置しておいてほしい」というのと似ていますね。普段スーパーで自分で好きに選んで、手に取っても気が変わればスッと戻して…と出来るところ、商品を作った当本人を目の前になかなかそういうこともしづらいし…。それに作り手のこだわりを熱弁されたところで、「私そんなに気にしてないんですけど…」とその会話の熱に付いていけなさそうだから足が遠のく、という方も多いですよね。私がそうでした(笑)

では、出店者ってどんな人たち?
と聞かれたらば「クセ強めです」とお答えせざるを得ません(笑)日本では最大規模のファーマーズマーケットですので、ある意味自信を持って勝負しに来ている出店者も。個性とこだわりは必然的に強めです。話しかけづら〜い!ですよね?
でも、実は出店者も緊張してます。だって農家について言えば、普段は田舎の畑で一人黙々と農作業しているんです。大都会のおしゃれなお客様にどんな話をしたらいいか、特に初めはドキドキです。でも対面販売の良さを味わうなら是非話してほしい!例えばこんな会話をしてみるとお得だし、仲良くなれます。

・どうしてこの野菜・お菓子を作ってるの? →止めどなく語ってくれるはず
・どうやって食べるのがオススメ? →有名シェフのレシピも知れちゃうかも
・栽培している場所はどんなところ? →知って食べるとまた格別!?
・こんなもの探してるんですけど? →自分が売ってなくても極力一緒に探します
・ベランダのトマトが育たなくて →栽培方法アドバイスできます
・先週買って頂いたら凄く美味しかった! →最上級に喜びます。
・前に〇〇をここで買ったんですけど…  →お客様のお顔は結構覚えてますよ!
・日焼けしてますね  →我が夫がよく言われるやつ

当然合う合わないもあるでしょうから、年齢の近そうな出店者やセンスがピンと来るお店などフィーリングでお気に入りを見つけてみて下さい。私達も最初はお客様からの質問に上手く答えられなくてタジタジだったのですが、お陰様で今では常連の方も増えてきて野菜に関係なく1週間の近況報告をする場になっていて、お会いするのが楽しみな程。お客様にはレストランのシェフも多いのでお奨めのお店情報もご紹介できますよ!

(写真)当店でニンニクセールしたある日の様子


どんなお客さんが来ているの?

マーケットの敷居が高くなっているもう一つの理由は、意識高い系が集う場所というイメージだと思っています。この皮肉めいた「意識高い」という表現はあまり好きではないですが、例えばオーガニックのものしか食べない、食材にお金をかける、ヴィーガンである、マーケットでの買い物がファッションの一部になっている、というようなイメージでしょうか?実際そういうお客様もいらっしゃいます。テレビや雑誌でご活躍の方達もよくお見かけしますし、青山近辺にお住いのお客様が放つオーラからはこんな雰囲気を感じ取っちゃいますよね?一方でショッピングついでの通りがかりの方、オーガニックに全く関心のない方、ノリで立ち寄る若者も同じくらい多いです。本来マーケットの入り口に敷居なんてないんです。テントの中を素通りするだけでも全然オッケーですよ。

因みに常連さんのお客様達から伺う声として、マーケットで野菜を買うようになってスーパーの野菜はあまり受け入れられなくなった、というご意見があります。これはコロナで再認識されたようなのですが、マーケットが中止になっていた自粛期間中にスーパーで買った野菜を久々に食べると全然味が違うと。出店者が皆涙してしまいそうな嬉しいご感想ですが、偏見も含めてマーケットでの買い物から連想されるある種のステータスやオシャレなライフスタイルからではなく、皆さんが「味」で選んで通って下さっていることに感謝するばかりです。

他に多いのは日本在住の外国人とシェフ。外国の方はマルシェでの買い物に慣れているんでしょうね。週末のルーティンのようになっているご家族をよくお見かけします。シェフは大体10時のマーケットオープンから午前中の間に仕入れにいらっしゃいます。だからといって豊洲の場内市場のようなプロしか受け入れない雰囲気は全くなく、一般のお客様が隣のシェフに調理の仕方を聞いたりする場面も見られます。

嫁のオススメ

最後に青山ファーマーズマーケットでの私のオススメの楽しみ方をご紹介します。ぜひご参考にされて一度遊びにいらして下さいね!
※個人的なお奨めなので店名は控えます
※現在コロナの影響により規模縮小にて開催中のため、出店状況はご確認ください

**土曜日出店 焼き菓子のお店**
明るく元気な女性が一人で主にマーケット出店者の季節のフルーツや食材を使って焼き菓子を作っています。出店歴も長く、リピーターが多いお店です。甘すぎず素朴だけど、しっかりメリハリあるお味のパウンドやマフィンが絶品。開店から1時間程で売り切れてしまいますので、ぜひ午前中に!
**土・日出店 お花屋さん**
雑誌やウェディングの装花で見かけるような珍しいお花がリーズナブルなお値段で購入できます。種類も豊富なのでゆっくり自分好みのブーケを作ってみては?
**不定期 お豆屋さん**
北海道のお豆を扱っているお店。見たこともない沢山の種類のお豆が並んでいます。世界中を旅して学ばれた豆料理のレシピを丁寧に教えて頂けて家庭料理の幅が広がります。
**土曜出店 果物屋さん**
男性店主とそのご両親がお店に立っています。多数の有名シェフから厚い信頼を得ているお店で特に柑橘は美味しいです!

今は開催自粛中ですが、不定期で開催されるパン祭りやコーヒー、日本酒、ワインフェスなどのイベントを遊びに来るきっかけとするのも良いと思います!かなりの盛況で美味しいものを思う存分味わえますよ!お昼前後に来てキッチンカーでランチしてから買い物もいいですね。

AIが進み、レジを通らずとも買い物が出来てしまう時代です。対面販売で小銭をやり取りするマーケットでの買い物の仕方(キャッシュレス対応店も増えています)は逆行していることも否めませんが、作り手から直接購入する付加価値は確かにあると思いますし、販売側もその価値を感じてもらえるように取り組んでいます。その場で生まれる会話からお客様・出店者双方に笑顔が見られ、コミュニケーションが希薄になりつつある今、爽快な空気が流れる気持ちの良い場所だと感じています。屋外ということもあり、天候や気温にも左右されやすい場ではありますが、是非お近くにお越しの際に体験してみて下さいね!

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