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1 ある日恋に落ちた 一目惚れ

彼氏と別れて2年が経っていた時、なかなか人を好きになれなくて、私は恋がしたくて仕方なかった。

そんな時に、滅多に連絡を取らない子から久しぶりに誘われた飲み会に行った。

おしゃれなお店で少し薄暗くて、男女の比率が遅れてきた私を入れて女性が少し多かった

見た感じでは好きになれそうな人はいなかった。

とりあえず飲もう。と思った。

自己紹介が一通り終わって、初めましての女子達とも全員と話終わった頃、

近くの席の人が来た来た。と言った。

その目先を追うと、

遅れてごめん。と最後に入ってきた彼に目を奪われた。

全身に電気が走った。

動きがスローモーションになって一瞬でモノクロの世界がカラフルに色づいた。

彼は、一目見て何もかもがタイプだった。

何あの人!!??

彼が登場してから、彼に釘付けになった。

彼は私から一番遠い席に座った。

大きなテーブルの一番端と端。

あ……     遠すぎて声も良く聞こえない、話せない。

だけど、彼の名前だけは記憶した。

彼を見過ぎてしまう・・

でもいけない。まわりの人に注意しながら、

何度も何度も彼を見た。

見ても見ても、何度見ても見足りなくて捉え所が無くて

何度も見てしまう。

彼の持つ雰囲気、顔、髪型、服装や持ち物のセンス。

何もかもがタイプで、何もかも好きだ。

ずっと見ていたい。

近くに行きたい。

気になる。彼が気になる。話したい。

彼を何度も見た。

静かに笑う顔、タバコに火を着ける仕草、タバコの煙を吐く姿

近くの女子と話をしている姿。

髪型、服装、飲んでいるもの。

タバコの銘柄。

声がほとんど聞こえない、無声映画の様だった。

私の席の近くの人が色々話しかけてくれる度、適当に答えながら

彼を見た。

席近くの人が、彼とどういう流れで友達になったかという話にだけは、

熱心に耳を傾けた。

料理をとって、飲み物を配りながら、遠くの席の彼を何度も見た。

結局席移動も無く、自分一人で彼の隣の席に移動する勇気も無く、

一度も話せずに飲み会は終わった。

こんな出会い、こんな気持ちは滅多に無い。


誰かが、二次会に行こうと言い出す。

やった!と心の中で思った。

もちろん行く。

メンバー全員が2軒目に行った。

彼の横に、すぐ女子が座った。さっき話ていた彼の席の近くの女の子だった。

あぁぁ・・・全然チャンスが無い。

彼は人気があるのかもしれないし、彼も、彼女もお互いを気に入ったのかもしれない。

話すチャンスもない限り、成り行きを見守るしか出来ない・・

一軒目より、彼とは席が近いけど、

私は彼との席の間に、一人女の子を挟んだ席になった。

今度は彼の声が少し聞こえる。

隣の女の子が少し酔っていて、明るくてとても積極的に話しかけていた。

彼を狙っているかもしれない…

でも私はその間に無理に入って話も出来ない…。

なんだか盛り上がっている。

少し話が聞こえる。

その女の子には彼氏がいる事を堂々と言っていて、彼氏の相談をしている様だった。

彼氏いるの?!彼氏がいるなら…その席私に譲って欲しいよ・・お願い。

彼がすごく気になるの。話したいの。こころで強く願った。

しばらくして、なんと。。

願いが通じた様に、突然その女の子が、

私彼氏いるから、彼氏いない人が男の人と話すべきだよー!!と言って急に立ち上がった。彼女はかなり酔っている。

そして隣の席の私の腕を引いて、ここに座る様に促した。

!!!!やったーー!!

心で叫ぶ!


心の声とは裏腹に、酔っ払った女の子に強引に隣に座らせた人の様に、

彼の隣に座った。

でも、本当は彼女に感謝したし、嬉しかった!

有難う!!


彼が近い、香水では無い少し甘い香りがする。

さっきの店で何度も見た人がこんなに近くに隣にいる。

今度は近すぎてあまり見れなかった。少し会話をする。

話をしたのは、数分だったと思う。

終電が近づいてお開きになろうとしていた。


彼と目が合って話をした。

さっきまでは一方的に私が見ていたけど、彼も私の存在を知ってくれた。

もうそれだけで十分だ…

帰りの駅の方向が、彼と、彼の友達と私の3人が一緒だった。

その帰り道に、話の流れで彼にこう言われた。

私の事を、

「きれい、めちゃくちゃきれい!席遠かったけど何度も見てた」

えぇぇ!!!!???

こんな事ある??!!


ドキドキドキドキドキドキ……

私は完全に一目惚れした。

もしかして、、、

もしかして?これは奇跡的に、お互い一目惚れかな…

理想的に都合良く考えてしまう。


彼のこの一言で

私は……完全に

惚れた

恋に落ちた。








↓つづき


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