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39 暗闇の中の出口

私は消えてしまいたいと思いながら

死ぬことは怖かった。

何とかしたい元の様になりたいと思っていた。

ただ、毎日胸が苦しくてドキドキした。

自分にだけ当てられた暗いスポットライトが

どこまでも追いかけて来る様だった。


会社では毎日嘔吐した。

それも日常化していた。


会社の掲示板で見かけたカウンセリングを受けることにした。

カウンセリングを初めて受けた。

カウンセラーの女性と初めて会ったとき、

無表情で挨拶も軽い自己紹介もなかった。

ここで話をする事はメモを取らせていただきますが秘密は守ります。

5回までは無料でそれ以降は1時間1万円です。

では話してください。と言われた。

合わなさそうだと感じた。

初めて会って、数秒で初対面の人に、

個室ではあったけど、心の内を話す。。

カウンセリングはそういうものかもしれないけど、、違和感を感じた。

私は状況を説明した。

カウンセラーは、それでその時どう感じましたか?

具体的にどういう仕事ですか?

それはどの様な時に言われましたか?

それは、どういう時にどう感じますか?等、

自分の説明を聞きながら要所要所で質問をしてきた。

その質問の説明がとても疲れるものだった。

この人に話をして、何になるんだろう・・と思いながら答えた。

もうすぐ終わりかけるとき、

それまで質問攻めだったカウンセラーはこう言った。

病院に行った方がいいですね。

病院でもらう薬をもらうと改善すると思います。

仕事も辞めてはどうですか?と言われた。


・・・・・・・はぁ・・・・・


全くイメージしていたカウンセリングと違っていた。

薬で和らげる様な症状じゃ無い。

辞めて解決する話じゃない。

そんな事を聞きに、説明したんじゃない。


カウンセリングは、親身になって悩みを聞いてもらい、一緒に解決の糸口を見つけていき、解決していく事がカウンセリングだと思っていた。

まずそもそも、

会ってすぐにお金の話をするのでは無くて、

とてもしんどかったですね。

ここではリラックスして、ゆっくりでいいので話したい事を何でもいいので話してください。とか、

6回目からの有料の話をする前に、5回ありますので、

これから5回の間、しっかり話をしながら解決に向けて問題解決を探していきましょうね。とか、

何でもいいから、他の言い方や方法をとってほしかった。

そのイメージはドラマや映画で得たイメージだった。

正直がっかりした。

無表情で仏頂面の質問が多い女性に説明して、病院に行け、仕事を辞めた方がいいと言われに行っただけだった。

私は病院に行きたく無いから、

いかない方法を探していてカウンセリングに来ている。


もしかしたら相性のいいカウンセラーに運良く当たれば違ったのかもしれないけど、この人ならあと無料の4回も嫌だった。

二度と受けたくなかった。

今後カウンセリングは受けないと決めたけど、私は自分をどうにかしたかった。


福祉の悩みの相談窓口をネットで見つけた。

受付時間 平日9時〜17時まで。

こんな時間、仕事中だ。

そんな時間に誰が電話で相談できるんだろう…

仕事が終わって家に帰って一人になるとき、

夜から夜中にかけて話を聞いてほしかった。


私はそれでも、何とかしたかった。


夜、どうしようもない時、命の電話。というものを見つけた。

この電話なら、私の求めているカウンセリングがあるかもしれない。と思い、

電話してみた。

でも命の電話は繋がらない。

日にちを変えてかけても、一向に電話は繋がらなかった。

機能してるのかな・・


私は、まだ何とかこうやって動けるだけ、軽い症状だと思う。

これが重い症状なら、カウンセリングにも命の電話にも電話出来ないだろう。


今まで知らなかったけど、国の税金を使って運営している組織のいい加減さに腹が立った。

こんなの救われる人いるのかな・・


重い腰を上げて、救いを求めて相性の悪いカウンセラーに会い

命の電話に電話をしても繋がらない時、


もう、どこも助けてはくれない。と思った。


何をするにも苦しくて、やっとの思いで見つけたものは、

掴めなかった。

そして、本当にこれ以上、どうすればいいのか分からなかった。


友達もカウンセラーも病院にいく事を勧めた。

でも、私は病院に抵抗があった。

苦しいけど、どうにかしたいと思っていた。


病院に行けば、病名が付けられる事も、

何もかもが怖かった。


自分だけはならないと思っていた。

会社で時々、急に出社しなくなる人は何人かいた。

当時、その話を聞く度に、信じられない!嘘でしょ?

正直、精神的に弱くて自分に甘いだけ、努力が足りない。逃げただけ。

社会人として乗り越えるべきだと思っていた。

その人達の立場になって思いやる事はしなかった。

今思えば、私はとても愚かな薄っぺらい人間だった。


まさか自分が、実際に精神的にも体調的にもどうしようも無くなった時、

初めて、あの人達は本当に苦しくて悩んで出した結論だと思った。

苦しくてどうしようも無くて選びたく無かったけど

仕方なく選んだ事だと分かった。

そして、これは誰にでも、背中合わせに起こる可能性がある事だと理解した。

こんなに苦しいんだね。

こんなに怖いんだね。

知らなかった。

理解できなくてごめんなさい。



つづき


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