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コンテンツSEOでよく言われるメリット14個とその実態

コンテンツSEOについて様々なメリットが紹介されていますが、実際やってみると思うような結果に繋がらないことも多々あります。紹介されているメリットの中には、「半分は本当だけど、半分は・・・」といったものも少なくありません。

そこでコンテンツSEOを実施してきた経験から、「実際のところどうなのか?」を解説してみようと思います。これからコンテンツSEOの実施を検討している方はぜひ参考にしてみてください。



コンテンツSEOのメリット一覧

コンテンツSEOのメリットと実態


コンテンツSEOのメリットとして挙げられているものと実際そういったメリットを得られるかどうかを表でまとめました。

実際のところ、コンテンツSEOを実施して確かに効果を実感できる確度の高いものは下記になります。

  • 長期的な効果が期待できる

  • 長期的な費用対効果が良い

  • 確度の高いユーザーを呼び込める

  • 顧客育成に活用できる

  • ドメインパワー向上につながる

  • 広告費用を削減できる

上記以外の項目は専用に設計する必要があり、副次的な効果で期待するのは難しいメリットです。

コンテンツSEOのメリットとその実態について


1.予算をかけずに実施できる

半分本当と言ったところでしょうか。確かに予算をかけずに記事の作成を行えますが、正直現実的ではありません。昨今、年々コンテンツSEOの難易度は上がっています。

そのため「予算をかけず担当者が片手間で記事を作成していく」という体制で実施する場合は、かなりの確率で失敗します。担当者が相当コンテンツ愛に溢れ、情熱を持って取り組む方の場合は成功しますが、これは稀です。


2.長期的な効果を期待できる

長期的な効果を期待できるのも本当です。上位表示に成功するとアップデートやアルゴリズムの変更で圏外に飛ばない限り、年単位で流入を獲得し続けます。これはSNS運用や広告などでは真似できないメリットです。こちらはストック型とフロー型のコンテンツタイプの違いが関係してます。コンテンツSEOで作成するコンテンツはエバーグリーンコンテンツと言われるようないわゆる古びないコンテンツを制作していきます。
そのため「1年前に公開した記事がいまだに流入を獲得する」ということは起こり得ます。SNSでの投稿ではこうはいきません。1年前に投稿したものがいまだに流入を獲得するということはまずありません。

このように一度制作した記事が長期的にパフォーマンスを発揮するのはコンテンツSEOの大きなメリットと言えるでしょう。


3.長期的な費用対効果が良い

前述した内容と被る部分もありますが、これも本当です。先ほどコンテンツSEOは長期的な効果が期待できると言う話をしました。長期的な効果が期待できるということは、当然費用対効果も良くなります。

SEO施策は基本的にイニシャルコストしかかかかりません。そのためランニングコストがかかる他の施策にくらべると、圧倒的に費用対効果は高くなります。

4.確度が高いユーザーを呼び込める

これは本当なんですが、実現難易度は高いので注意が必要です。KW選定が肝になりますが、「自社にとって確度の高いユーザーが検索するKWとは?」でつまづく場合が多く、長期的に模索していく必要があります。

KW選定については、キーワードマーケティングの知見だけでなく、自社理解や商材への理解も必要です。いきなり「コンスタントに確度の高いキーワードを選定していく」と言うのはあまり現実的ではないので、PDCAを回していく必要があります。ここは外注したとしてもいきなりドンピシャのKWを選定してもらうというのは難しいと考えておきましょう。誰がやるにせよ、初期段階は当たり外れがあることを頭の片隅に置いておく必要があります。

またこのPDCAを回すというのが長い目で見る必要があるため、パフォーマンスが発揮できず、そのままコンテンツSEOという施策自体が継続できないという場面もしばしば見かけます。

「徐々に精度を高めていく」という意識を持ち、長期的な視点でコンテンツSEOを実施するようにしましょう。

5.顧客育成(リードナーチャリング)にも活用できる

KW軸でターゲットを決めていくので、こちらも本当です。比較検討段階で検索されるKWを絞って顧客育成することはできます。


ただしどこまでの確度でできるか難しいところです。
潜在層にリーチできますが、それが実際に成果につながっているのかを測るのは困難です。個人的に「本当に効果があるのか?」を問われると証明が難しいことがあり、長続きしない印象があります。


成果につながっているのかどうかを判断するにはツールの導入が必要です。
GA4では同一セッションからのCVしか見れないため、潜在顧客などCVから遠いユーザーを狙う場合はほぼCVは出ません。もっと詳細に知りたい場合は初回接触からCVまでをロングスパンで見られるように環境を整える必要があります。


6.SNSでの拡散も期待できる

SNSで拡散を狙うことは可能ですが、ただのSEO記事を投下しただけでは拡散されません。実際のところ、「〜とは」という記事をあまり拡散する経験はないかと思います。

そのため、SEO記事を作っていれば、副次的な効果でSNSの拡散も期待できると考えるのはやめましょう。SNSの拡散を狙うのであれば、それに特化したコンテンツSEOを設計する必要があります。


7.認知向上に期待できる

こちらも実態としては半分本当というところかなと思います。顧客との接点が増えるため、その分認知につながりますが、効果的かと言われると少し疑問です。 認知向上を目指すのであれば、こちらもそれ専用に戦略を立てる必要があります。単純に露出を増やすことが目的になるのでCV確度は捨てた方が良いでしょう。

また記事内の訴求も認知度を上げるために設計する必要があります。何か調べ物をしてそのサイト名や会社名までみると言う方は少ないのではないでしょうか。ユーザーも同じですので、ただセッションを増やしただけでは認知度向上には繋がらないケースが多いです。

8.ブランディングにつながる

認知度向上よりもさらに難易度の高いものになります。SEO記事でよく揶揄される金太郎飴のようなコンテンツというのはある程度覚悟する必要があります。

金太郎飴のようなコンテンツでどのようにブランディングに繋げるのか、というとかなり難しいでしょう。こちらもそのページ自体のコンテンツでブランディングを狙うのではなく、そこから遷移させるページでブランディングページへ飛ばすような仕組みづくりなど工夫が必要になります。
ただ事例としてブランディングの一環でコンテンツSEOをするというのはあまり聞きません。できない、とは言わないですが他の手段を模索した方が良い気がします・・・。

9.被リンク獲得につながる

こちらもSNS拡散同様の理由で▲です。引用をしてもらえるように特化した設計が必要です。

被リンクとSNSでの拡散は両立すると思っています。リンクビルディング施策の一環でコンテンツSEOを実施したことがありますが、その際はSNSでの拡散も同じように増えました。こちらについて詳しくは下記の記事で解説しているのでぜひ参考にしてみてください。


10.制作したコンテンツを社内利用できる

こちらも本当です。コンテンツSEOを実施する際には、自社サービスに関連するトピックやテーマで対策していくでしょう。サービスに関連する情報であれば、自社内でもしっかり活用できるコンテンツになることも多いです。

ただしこちらは質の高い記事を制作する体制を整えた場合に限ります。低品質コンテンツを量産する体制になってしまうと、社内活用も進みません。

ここで重要になるのが、社内で知見のある方をアサインです。知見がない人だけがコンテンツ制作に関与する座組であれば、社内活用できるようなコンテンツは基本的に生まれません。工数が確保できない場合でも、編集、監修などの立場で知見のある方を制作に関与させるようにしましょう。

ここは社内活用だけでなく、コンテンツSEOの成功も左右する要素だと考えています。社内の知見は記事の品質向上に欠かせないものだからです。コンテンツSEOを実施する際は、社内での活用をするしないに関わらず、ぜひ社内の知見ある方をアサインできないか検討してみてください。


11.お問い合わせ工数が減る

こちらはほぼ期待できないでしょう。ユーザーに対してコンテンツを展開するので、お問い合わせを減らすことも期待できるというもの。こちらも確かに効果はありますが、SEOを気にせず、それ専用でコンテンツを作った方が効率が良いと思います。

コンテンツSEOで制作するコンテンツは一般的な内容を解説します。自社に関する言及は少なくなるため、自社サービスに関するお問い合わせを減らすことはできません。

一般的な内容の範囲で解決する悩みは、それこそググれば解決する類のものなので、お問い合わせの内訳としては少ないものが該当するはずです。インパクトは少ないと言えるでしょう。

12.営業資料などでの展開を期待できる

営業資料で展開するものの中でも一般的な内容については期待できるでしょう。ただし前述した内容と被りますが、自社に関する内容はコンテンツSEOで対策をしていくものではないので難しいでしょう。

営業資料でも活用でき、かつコンテンツSEOのスコープに入るトピックはあかなり限定的です。ですので体感として、「営業資料をもとにSEOコンテンツをブラッシュアップする」という場面の方がよく見かけます。

営業資料とコンテンツSEOは分けて考えるのをオススメします。


13.ドメインパワー向上につながる

こちら本当です。特定テーマでのコンテンツの拡充はドメインパワー向上につながります。

ただし低品質コンテンツを大量に作る、自社に関係ないテーマでもコンテンツを作ってしまう、などをすると逆効果なので注意が必要です。

14.広告費用を軽減できる

継続的に効果を発揮できるのはコンテンツSEOの利点です。これは何もしなくても獲得できるCVのベースをアップしていくイメージです。ベースアップができればCV獲得のために使っている広告費用の削減は期待できます。

例えばHP経由のお問い合わせ10件、広告経由90件を獲得しているとき。コンテンツSEOを実施してHP経由のお問い合わせを毎月10件増やすことができれば、HP経由では合計20件の獲得になり、広告での獲得は80件だけで良いことになります。この場合は10件獲得するために必要だった広告費用が浮く計算になります。

かなり単純化して解説しましたが、このようにSEOコンテンツ経由で獲得できればその分広告費を削減することも可能です。


コンテンツSEOを実施する場合には「なぜやるのか?」を明確にするのが大切!

メリットについて実際にやってみた所管を解説しました。
よく言われるメリットは確かに本当ですが、その目標達成に向けてしっかりとした設計が欠かせません。

まずは何を目的にしてコンテンツSEOを実施するのかを明確にしましょう。現在の自社の状況に合わせて、ぜひコンテンツSEOを実施してみてください!


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