漫画『家庭教師ヒットマンREBORN!』5巻
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『家庭教師ヒットマンREBORN!』5巻
著 : 天野明
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【VS.黒曜中編】”ツナVS.六道骸”戦、
そして、【VS.ヴァリアー編】突入までの
収録でした。
主人公である”ツナ”の初めての覚醒状態での
戦闘は、周囲の誰一人敵わない世界征服を地で
目論む強敵との対決。
『ONE PIECE』で言う”クロコダイル”、
『NARUTO』で言う”我愛羅”、
『BLEACH』で言う”朽木白哉”、
『呪術廻戦』で言う”真人”が、
『家庭教師ヒットマンREBORN!』で言う
”六道骸”でした。
とはいえ、上記で挙げたようなバトル漫画と
決定的に違う点が一つあります。
それは、他作品の主人公と違い”ツナ”はこれまで明確な“戦闘”をした経験が皆無であることです。
一読者として『ONE PIECE』の第1話の敵が”クロコダイル”、或いは『BLEACH』の第1話の敵が”朽木白哉”であるような感覚でした。
その為、”戦闘”という選択肢のない世界の住人である一般人”ツナ”の「それでも戦う」迄の心情の変化や、選択をした上での無力で厳しい現実の描写にとても惹き込まれました。
作品としても覚醒以前と以後で、コマ割りや人物の基本的な描き方が大きく変わり、制服の一人ひとりの着こなしから台詞、斜め前から見た眼のデッサン、と隅々まで格段により面白く感じます。
挑戦的に感じた部分に、長いバトル展開の【VS.黒曜中編】を終えた後、一話も日常回を挟まずに、同じく長編バトル展開の【VS.ヴァリアー編】へ突入した点があり、凄く尖っていて面白いと感じました。
内容としても切迫感が途切れず、他作品の漫画全体から見ても珍しいと感じました。
こういう部分を見ると
より沼に嵌ってしまいます。
文庫版はコミックス2巻分にあたるので、
とても文章が500字程度では収まりません…💦
覚醒状態の”ツナ”のビジュアルが
圧倒的に良いです。
性格はそのままに雰囲気が切り変わり、
一言ひとことにカリスマを感じます。
バトル漫画の戦闘のコマ、一コマごとをビジュアル面から魅力的に魅せることは殆どの場合無理だと思うのですが、『REBORN』の場合はその神業が成されていると思うのです。
多くの作品が、
見せ場のための段階的な盛り上がりを作る為の
戦闘であるのに対し、
見せ場もちゃんとありながら戦闘そのものも魅せ場であることが
『REBORN』の魅力なのだと思いました。
今巻から、これ迄ぼやけていた設定・伏線が明確に張り巡らされ始めましたが、これも堪りません。
“六道骸”のその後・”復讐者”・”ボンゴレ”の勢力分布・”初代”ファミリー・”時雨蒼燕流”。
特にこれ迄ぼやけていた”ツナ”のファミリーが明確にされた所が上がりました。
“スクアーロ”の「ゔお”ぉい」の
怒鳴り声も凄く好きです。
時々描写されるイタリアの背景も
素晴らしかったです。
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