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お茶から学ぶ、心地よさの正体を探しに南品川"茶箱"に行ってみた


こんにちは!グリーンディスプレイのトヨオカです。心地よさを研究するnote 。今回のテーマは、「お茶」をテーマに心地よさについて研究していきます。

なぜお茶?ということで、ご紹介します!

オチャノキプロジェクトとは


"人と自然のつながり"を再発見することを掲げたグリーンディスプレイ独自の活動です。
昨今、全国的に茶農家の高齢化によって茶畑の休耕地が増加していることが問題となっています。オチャノキプロジェクトは、そんな手入れがされなくなり生い茂った休耕地のオチャノキに、新たに植栽としての価値を生み出すことを一つの目標としています。里山を守るという社会貢献の視点、そしてオチャノキを通じた知見と新しいコミュニケーションを、チャノキプロジェクトを通して感じてほしいと考えます。

茶箱に行ってみた!

皆さんは今日お茶を飲みましたか?お茶の生産が盛んな地域と言えば静岡県掛川市。グリーンディスプレイは掛川市の方々にご協力頂きプロジェクトを続けています。

プロジェクトの活動をしていく中で出会ったのが岡部宇洋(おかべたかひろ)さん。
茶農業の活性化と日本茶文化を広めるべく、南品川で日本茶カフェ「茶箱」を経営されています。

ちなみに、写真の岡部さん左側にあるのがオチャノキ。

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心地よさに共通点とは?

オチャノキを使った空間演出で人々に心地よさを届けているグリーンディスプレイ。お茶の葉を使った日本茶で人々に心地よさを届けている茶箱。
提供する形は違うけれど、お茶というコンテンツで心地よさを届けています。
この疑問を解決するには実際に2つの心地よさを体験してみるしかない!とのことで、グリーンディスプレイの社員、豊岡と早川で茶箱に伺い、共通点を探ってみることにしました。

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日本茶飲み比べ体験をしに早速茶箱に到着した私たち。

「こんにちは!」

素晴らしい笑顔と挨拶で迎えて頂きました。

大きな鏡が印象的なレトロな店内の雰囲気や、ささやかに響くお茶を準備する音、ふわりとかおる茶葉の香りに、休日のようなゆったりした時間の流れを感じます。

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まずはじめに淹れていただいたのは濃緑色のお茶と薄緑色のお茶。白い器なので茶葉の色の濃さの違いがわかりやく、目で見ても楽しめます。岡部さんからのお茶の説明は受けずに一口。

美味しい。濃緑色のお茶は、ザ・緑茶というような苦味がほのかに感じられる飲みやすいお茶で、薄緑色のお茶は、深蒸し茶とは違って、少しだけ出汁のような風味が感じられるお茶という印象。

ここで岡部さんが、二つのお茶の説明をしてくださいました。
岡部さん「色が濃い方のお茶は深蒸し茶で、薄い色のものがかぶせ茶です。茶葉の品種も生産地も製法も異なります。」

 岡部さん「深蒸し茶は僕の出身地静岡県掛川市で昔からの伝統農法で世界農業遺産にもなっている”茶草場農法"で作られているやぶきたという品種のお茶なんですよ。
茶草場農法とは、休農期間の冬の間に茶畑に生えているススキなどの雑草を刈ってオチャノキの下に敷き詰める農法です。
手間暇はかかるけれど、土壌改良にもなるし、里山の景観も良くなるし、生物多様性にも繋がる。さらに他の植物の栄養をお茶ノ木が吸収できる分、美味しい味わいになります。」

豊岡「冬の間も休まずに伝統農法を続けている茶農家さん、お茶づくりへの熱意がすごいですね。茶草場農法って労力はかかりますけど、いいことだらけですね。もっと広がってくれればいいのに・・・。」

岡部さん「そしてこちらのかぶせ茶は、京都宇治で作られる、おくゆたかという品種を使っています。かぶせ茶というのは手間がかかったお茶でしてね、1週間ほど葉っぱに布をかけるんです。そうすることによって、本来ならカテキンになるはずのものがアミノ酸に変化するんです。これまでのお茶と違って驚きますよ!」

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豊岡「!!?」

「お茶といよりお出汁っぽいですね!こんなのはじめてです!なるほど…確かに“おくゆたか”の名前にあるように、初めはあっさりですが喉の奥でふわあっと一気に香りと味が広がりますね。」

私のお茶の常識が崩れました。これは・・・美味しい。


お茶に詳しい方の言葉には説得力があります。
お話を聞いてから飲んでみると味の印象もさらに深くなりす。

初リポートで緊張気味だった私たち。

お茶と美味しい和菓子を味わっているうちにいつのまにか緊張もどこかへ行きリラックス。

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お茶を提供することとは

双方緊張もほぐれてきたころ岡部さんはさらに、お茶を提供する身として自分自身がお茶に対して何ができるのかを様々な面から語ってくださいました。

岡部さん「僕が使用している茶葉は、知ってる農家さんのものなんです。イベントなどでは農家さんの名前も出してお茶を淹れます。農家さんはみんなおいしいお茶を作るためにすごい努力を重ねているんです。だから茶葉を雑に扱うなんてことはできません。」

豊岡「農家さんの名前も公表してお茶を出す、すごい責任ですよね。」

岡部さん「100%農家さんたちのことを背負いながら戦っています。海外でお茶を淹れるイベントのときなんてすごい質問攻めなので。僕がちゃんと伝えなきゃって。」

お茶の最終的な出口となる岡部さん。農家さんや茶葉を作る方々、たくさんの人の熱意の最終的な表現を任せられるという責任は計り知れません。


オチャノキプロジェクトのことどう思っていますか?

岡部さん「すごくいいと思いますよ!ここにオチャノキがあるってだけでお客さんはすごく喜んでくれますし。こんな姿をしているんだ!って皆さん驚いてくれるので。見た目も面白いですよね。独特のうねりや環境によって変わっていく感じとか。植栽としていいものですよね。

静岡の人がようやく、茶畑の休耕地のことについて危機感を覚え始めて、何かできないかなって人が多くなってきているんです。でも問題意識はあるけど、何もできない。だからこういうオチャノキプロジェクトがあるとすごくいいと思います。

お茶のことを盛り上げようとしている場所ですよっていうのがより伝わる。我々としても実物のオチャノキがありますと説得力がますので。」

豊岡「シンボルツリーみたいなものですね。」

岡部さん「はい。来るときはオチャノキを素通りでも、背景にあるストーリーをお話しすると、帰り際には興味持ってくれるお客さんも多いんです。」

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岡部さんが思う"お茶"の心地よさ

最後に、岡部さんが思うお茶の心地よさについて質問してみました。

岡部さん「お茶っていろんな縁を運んできてくれるんですよね。僕は「茶縁」って呼んでるんですけど。それこそグリーンディスプレイさんと繋がったのも茶縁ですし。お茶を介すると非常に心地いい人との繋がりができるんです。それがお茶が持つ心地よさだと思います。」


お茶が作りだす心地よさの共通点

今回、茶箱さんを訪れて分かったこと。

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このプロジェクトを通して様々な体験し、たくさんの方と関わりました。

これはグリーンディスプレイにいるからこそ出来たことだと思います。

先ほども岡部さんがおっしゃっていたように、お茶が縁を運んで来てくれます。オチャノキの良さを知る、お茶を味わう心。

小さなことかもしれませんが、この体験は人生を豊かに心地よく過ごすための材料の1つになるのではないでしょうか。


"背景を知ること"

オチャノキプロジェクト・・・

茶畑の現状・オチャノキの美しさ・私たちのオチャノキへの思い。

これを知ることで愛着が沸き、オチャノキがあることで特別な、意味のある空間に変わります。

お茶を飲む・・・

歴史・生産方法・茶農家さんのこと・お茶を煎れる人の思い。

これを知ることでお茶の輪郭がハッキリとし、一味違う味わいになります。

こういうことに気が付けるのも、お茶が生む縁のおかげですね!


プロジェクトの理念である、「"人と自然のつながり"を再発見すること」まさにこのことだなと書きながら気が付きました。

こんな使い方をしたら良いんじゃない?というご意見や、一緒に盛り上げたい!という方がいらっしゃいましたらこれも何かの茶縁だと思って、ご連絡お待ちしております!


次回のオチャノキに関するnoteは近日公開予定です!それではまた!



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