トークイベント開催レポート 「禁断の領域に入る!?空いたスペースその先の使い道を考える」
2023年3月2日に植物が未来のエネルギー!?展にて開催いたしましたトークイベント『都市の仕掛け人と語るムーブメントの起こし方』の開催レポートを掲載いたします。
当日はオンライン・オフライン共に多くのお客様にご来場いただき、盛況のうちに終了いたしました!
ご覧いただきました皆様誠にありがとうございます。
ゲスト
・重松健(Laguarda.Low Architects 共同代表 / inspiring dots ファウンダー)
・石田祐也(合同会社ishau 代表 / 一般社団法人ソトノバ 共同代表理事)
・西田司(オンデザイン/東京理科大学准教授)
・山名清隆(ミズベリングプロジェクトプロデューサー / 株式会社スコップ 代表取締役)
・吹田良平(株式会社アーキネティクス代表取締役/MEZZANINE編集長)
※ 順不同
登壇者が語るまちづくりのためのムーブメントの起こし方とは!?
トーク内容の一部を特別公開いたします!
「禁断の領域に入る!?空いたスペースその先の使い道を考える」
石田:
僕原宿のホコ天が好きだったんですよ。僕自身は世代的に体験してないんですけど、あれってすごい羨ましいなって後から写真とか見て思うんですけど、なんかみんなが思い思いに自分のやりたいファッションとかを表現できる場所っていうのが、今全然ないなっていうふうに思うんですよね。
重松:
でも、それ何が変わったんですかね。確か昔のホコ天なんかを見てるとタケノコ族とか、すごいみんな自由に自分をエクスプレッションしてた気がするんですよね。でも最近ホコ天ってテーブルが並んでてみんなゾロゾロ歩いてるだけで、あんまり事が起きてる気しないんですけど、何が変わったんですかね。
西田:
それはもうほこ道アドバイザーの山名さんに。
山名:
この前ほこ道フォーラムをね大阪でやったんです。その時にゲストで呼びたかったのは、重松さんの学校の後輩で「私はホコ天の研究家です」っていう人をテレビで見つけてフォーラムに呼んだんだけど、あのマツコの知らない世界に出てて、最後にマツコが「なんであんたそんなに歩行者天国に気入れてんの」って聞くんですよ。そしたら「禁断感があります。」って言うんです、何かっていうと決して入ってはいけない場所に一時的に入っていく。なんかもやもや燃えるような、そういう空間の魅力があるっていっていて。
入って当たり前じゃなくて入ってはいけなかったところに入ってるんだったら、もっとこんなことしたいっていうアイデア出してもいいんじゃないかな。それが今のホコ天に求められてるというか、ワクワク感の再生みたいなことが今来てますね。
重松:
もっと行き切ってもいい気しますけどね。
山名:
いっていいでしょうね。
重松:
道路のど真ん中でテント張って寝てみるとか。なんかそこまで行ってもいいかなと思うんですけど。
山名:
そしたら、あの写真撮りにきます。笑
西田:
でも、山名さんやられてるのはほこ道で今の話ホコ天なんですよ。この言葉の違い、結構大事だなと思って。
ほこ道ってのは、歩行者利便増進道路の略だから歩行者をどう良くするかっていう道路なんですよ、でもホコ天ってのは歩行者天国じゃないですか。
だから、その天国か道路かはやっぱ全然違うんですよね。だからそこに今切り込んでるのがめっちゃいいなと。
山名:
ホコ天は一時的ですよね。ほこ道はもうここは自由に使っていいですよ。っていうふうに指定されるから専用許可を出さなくても、ある一定期間自由に使えるようになるんですよ。
この法律が3年前できたんですけど、僕が役所の中にいてすごく思うのは、今僕たちが議論してるようなことが役所の中心部に伝わってるかっていうと意外に伝わってないんです。でもそのトップの人たちはそのことについて非常に不安を感じていて、自分たちはこのまま道を作り続けるだけの仕事をし続けていいのだろうか、というのは問いがあるんですよね。
すごい少数派だけど少数派の中の人たちがあの歩行空間でもただ通路だけじゃなくて、一時的に物置いたり、テントを立てたり、マルシェをやったりすることができれば、道路を作るんじゃなくて自由に使っていいというヒントを役所として出せるんじゃないか、という勝負をかけたのが3年前なんですよ。それで、法律をたった2年間の間に法律を作りました。
役所の人にできることっていうのは、法律を変えることができるんですよね。その変えるということが時代の節目になっていて、それを受け取っていよいよ何をするかっていう。今までできないからどうすんだという役所も変わり始めて、今まで無理だと思ってたスペースがどんどんスペースを開き始めてんですよ。
だから、僕たちは空けてくれよじゃなくて、空いた後に何をするかっていうことを先回して、考えなきゃいけない。高速道路も空いたら何したいかを考えなきゃいけないんです。ベンチ置いて、緑置いてだけじゃなくてそれだけでいいのってのは今日の問いだし、 今までここは高速道路で入っちゃいけませんってお行儀よくやってたんだけど、今まで入っちゃいけないところが自由に使えます。ってなった時にはっとなるんですよね。このはっとしてる感じの先を今、 みんなが考えなきゃいけないとこに来ていて、ここの時代のが非常に面白い。
いかがでしたでしょうか。
コロナ禍で制限が広がった数年。ニューヨークではお店の目の前に席を設け、屋外での食事を楽しむ工夫をしていました。実は建築基準法の違反をしましたが、緊急であったため規制をすることなく営業を続けていたそうです。
しかしコロナ規制が緩和された後、街を覗いてみると街には以前より活気がましており、今は法律を変えるために進めているそうです。
今回の話題でもあった「禁断」というワード。使用してはいけないスペースをこの後どのように活用していくか、できないではなくできるようにするために私たちは街のあり方を考えていかなければならないのではないでしょうか。
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