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柏の葉スマートシティのツアーをアテンドしました

みなさま、こんにちは。Green Citiesの三浦央稀です。

5/27(月)、山﨑と三浦が三井不動産・UDCKと連携し、韓国 京畿道の坡州(パジュ)市で計画が進むメディカル・クラスターのプロジェクトメンバーの皆さまを柏の葉スマートシティにご案内しました。



柏の葉スマートシティの全体模型

■ マスタープランの策定に携わった「柏の葉スマートシティ」

柏の葉は、千葉県北西部の柏市の新市街地として、2005年に開通したつくばエクスプレスの柏の葉キャンパス駅を中心に、三井不動産が主体となって開発を進めるエリア。弊社の山﨑満広と、パジュ・メディカル・クラスターのマスタープランも担当するCharles Kelly氏(当時はZGF Architects社、現在はGreen Urban Desing社)が、ポートランドチームのメンバーとして「柏の葉ゲートスクエア」のデザインのブラッシュアップと「柏の葉スマートシティ北部エリア」のコンセプト・マスタープラン策定に携わりました。ポートランド式の住民やステークホルダーが参加するワークショップを行ってつくられたマスタープランが、北部エリアの計画の基礎になっています。


■ ツアーはゲートスクエアからスタート

三井不動産 吉川さんによるレクチャー

柏の葉キャンパス駅で集合したメンバーは、駅前ロータリーに面したKOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)へ。ここで、三井不動産の吉川(きっかわ)さんから柏の葉スマートシティのコンセプトや全体像、開発の歩みなどについてレクチャーを受けます。


■ 医療機関や大学・研究機関の連携・集積・機能強化

国立がん研究センター東病院に隣接した場所に整備された「三井リンクラボ柏の葉1

ゴルフ場跡地を中心に開発が進められているエリアに隣接した場所には、東京大学・千葉大学や先端医療機関である国立がん研究センター東病院、東葛テクノプラザなどが立地しており、様々な連携強化が進められています。特に、国立がん研究センター東病院に隣接した場所にはスタートアップの入居や高度な研究に対応するラボ・オフィス機能や、療養者とその家族向けに病院と連携して中長期滞在にも対応する宿泊施設が整備されており、メディカル・クラスターのメンバーが特に注目する取り組みでした。

中長期滞在を想定しキッチンや洗濯機などを備えた部屋を提供する病院連携宿泊施設

【医療機関と連携した施設】


■ 柏の葉スマートシティ北部エリアの現在

KOIL 16 Gateにて

続いて訪れたのは、コンセプト・マスタープランを策定した「柏の葉スマートシティ北部エリア」。マスタープランを策定した当時(2013年頃~)は、柏の葉地区の商業機能は駅前のショッピングモール「ららぽーと柏の葉」のみ、飲食店も駅前に立地するファストフード店やカフェチェーンのみといった状況でしたが、北部エリアの開発が進み、魅力的な飲食店やカフェ、書店、憩いの空間、働く場所や研究開発機能などの集積が進んでおり、ポートランドの特徴である「ウォーカブル」「ミクストユース」といったコンセプトが着実に柏の葉の街にも実装されています。

【北部エリアの主な商業・飲食・公共機能】

左上:アクアテラス 右上:T-SITE 左下:KOIL LINK GARAGE 右下:かけだし横丁
  • アクアテラス:調整池を活用した水辺空間

  • 柏の葉T-SITE:書店とカフェを中心とした商業施設

  • KOIL GARDEN:昼はカフェ、夜はバー

  • KOIL 16 Gate:地産地消とサステナブルをテーマとした商業施設

  • KOIL LINK GARAGE:個性的なショップを集め、立体駐車場を併設した商業施設

  • 柏の葉かけだし横丁:TXの高架下空間を活用した「屋台」のような飲食店街

【北部エリアの主なオフィス・研究開発機能】

重機の自動操縦などをテストするMOBILITY FIELD。奥ではSMC社の建設工事中

また、北部エリアにまたがる区画には、来年新たにSMC社の技術センターが進出予定で、現在社屋の建設工事中。進出後は、新たに1,500人が柏の葉で働く予定です。現在、柏の葉エリア全体では約1万人が働いているそう。


■ ポートランドの縁が結実

ポートランド発、日本初上陸のSweedeedee

2022年に開業したKOIL 16 Ichiroku Gate by Mitsuifudosanにはポートランドを代表するブランチカフェ「Sweedeedee」が入居しており、ランチはそちらへ。ポートランドのキーワードのひとつである「Farm to Table」を実践し、野菜は柏市のすぐお隣の流山市のものを、パンは隣のパン屋の焼き立てを提供しています。

柏市 染谷副市長(写真中央)と

マスタープラン策定時に柏市役所で都市計画を担当され、現在は同市の副市長を務められている染谷康則氏にもお越しいただきました。


■ 柏の葉スマートシティの課題

パジュ・メディカル・クラスターのメンバーと、三井不動産やUDCKのメンバーがディスカッションするなかで見えてきたのは、居住人口や就業人口が概ねマスタープラン通りに増えている一方で、スマートシティの根幹であるIT・ICTの実装やデータの活用が十分に進んでいないということでした。法制度を背景としたデータ活用のルールや、各システムの運営主体、費用負担などが課題ですが、住民発の情報共有アプリの開発や住民の健康管理へのデータ活用などが一歩ずつ着実に進められています。

また、日本の都市計画全体の課題でもありますが、マスタープランやガイドラインがあるものの、開発に対する十分な規制力がないことや、居住者が増えている一方で市民活動のニーズにしっかりと応えられるような公共施設が揃っていない状況もあるそうです。


― あとがき

私(三浦)は、柏市のお隣の千葉県松戸市で育っており、小学校1年生のとき(2005年)に開通したつくばエクスプレスに開業当日に乗りに行ったのを覚えています。当時の千葉県内の沿線はほとんどなにもない、更地が広がる光景でした。柏の葉も、駅から少し離れた柏の葉公園方面や16号沿いには町があったのの、駅周辺はなにもないところからスタートしています(柏市のホームページで、開業当時の様子をご覧いただけます)。来年で20年を迎える街の変化に圧倒されますね。

ポートランドのエッセンスが取り込まれたスマートシティ北部エリアでは、留学をした私としても “らしさ” を感じられる場所が増えているように思いました。ますますにぎわいのある、サステナブルな街に育っていくことを願っています。

柏の葉スマートシティは、弊社が目指すサステナブルな都市開発や、地域主導のマスタープラン策定、ウォーカブル・ミクストユースといった要素を取り込んだ都市の世界的な代表例のひとつです。このような都市開発や施策等に関心のある都市・自治体やディベロッパーの方は、ぜひお問い合わせください。


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