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J-クレジット制度とは? ー 環境保護と持続可能なビジネスのための信用制度

近年、温暖化対策や環境保護の重要性が高まる中で、企業や個人が環境負荷を軽減するための手段として「J-クレジット制度」が注目されています。J-クレジット制度は、日本国内で温室効果ガスの排出削減を促進するための重要な仕組みです。
本記事では、J-クレジット制度の基本からそのメリット、利用方法までを詳しく解説し、どのようにこの制度を活用できるかを紹介します。


◆J-クレジット制度とは

J-クレジット制度は、日本国内での温室効果ガス排出削減を促進するために導入された制度です。この制度は、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2等の排出削減量や、適切な森林管理によるCO2等の吸収量を「クレジット」として国が認証するこ仕組みとなっています。CO2の削減量や吸収量を「クレジット」として取引可能化することで、企業や組織は自らの排出削減目標を達成しやすくなります。

◆J-クレジット制度の目的

  • 環境保護の促進

Jクレジット制度は、温室効果ガスの削減という明確な目標に対して実績を上げることを目的としています。具体的には、企業が自社の削減活動を通じて得られたクレジットを市場で取引できるようにし、企業活動が環境保護に寄与することを目指しています。これにより、環境負荷の低減とともに、持続可能な社会の実現に貢献しています。

  • 組織的インセンティブ

Jクレジットは、単なる環境保護だけでなく、経済的なメリットも提供します。自らの削減活動によって得られたクレジットを売却することで、追加の収益を得ることができます。これにより、環境対策のコストが一部軽減され、より多くの企業が積極的に削減活動に取り組むようになります。

  • コンプライアンスの強化

Jクレジットを活用することで、企業は法的規制や業界基準に適合するための手助けを受けることができます。特に、温室効果ガスの排出量削減に関する規制が厳しくなっている中で、Jクレジットを利用することで、規制への適合が容易になります。

◆J-クレジットの取得方法

J-クレジットを取得するためには、以下のステップを踏む必要があります。

1.プロジェクト計画書の作成

まず、温室効果ガスの排出削減を目的としたプロジェクトの計画を明確化します。このプロジェクトは、エネルギー効率の改善や再生可能エネルギーの導入など、多岐にわたる可能性があります。実施プロジェクトについて、「どんなCO2排出削減/吸収事業(省エネ設備の導入、森林管理等)を実施するか」を記載した計画書の作成が必要となります。書類作成にあたり、J-クレジット制度事務局による作成支援を依頼することも可能です。

2.計画書の審査

プロジェクトの登録にあたって、審査期間によって計画書の妥当性を事前確認してもらう必要があります。実施者(計画者)はJ-クレジット制度の審査機関に該当事業の計画書を提出します。この審査では、計画書が「プロジェクトの実態を反映したものか」、「制度の規定に沿っているか」等の点が確認されます。審査費用について費用支援を申請することも可能です。

3.プロジェクトの登録

審査を経たプロジェクト計画書を提出し、プロジェクトの登録申請を行います。有識者委員会の認証を得ると、正式に登録が完了されます

4.モニタリングの実施

登録した計画書に基づき、排出削減量/吸収量算定のための計測を実施します。その結果を「モニタリング報告書」にまとめ、計画書同様、審査機関に事前確認をしてもらいます。

5.クレジットの認証

「モニタリング報告書」の提出に基づき、クレジットの認証申請を行います。そして、有識者委員会の認証を受けたのち、国によってクレジットが発行されます。このクレジットは、取引市場で売却することができ、取引によって得られる収益はプロジェクトのさらなる改善や拡充に役立てることができます。

◆J-クレジットの市場と取引

J-クレジットは、専用の取引市場で売買することができます。この市場では、クレジットの需給バランスによって価格が決まり、企業や組織が取引を通じてクレジットを購入または売却することができます。市場での取引は、J-クレジットの価値を高め、より多くの企業が積極的に参加する動機付けとなります。

◆J-クレジット制度の今後と展望

J-クレジット制度は、環境保護と経済的なメリットを両立させる先進的な取り組みですが、今後さらに進化していくことが期待されています。特に、国際的な気候変動対策の枠組みにおいて、日本がどのようにJ-クレジットを活用していくかが注目されます。新たな技術の導入や市場の拡大により、J-クレジットの可能性は広がっていくでしょう。

◆まとめ

Jクレジットは、環境保護と持続可能なビジネス活動を推進するための重要な制度です。企業や個人が温室効果ガスの排出削減に貢献し、その成果を取引可能なクレジットとして活用することで、経済的なメリットと環境保護の両立が実現されます。今後も制度の進化に注目し、積極的に活用していくことが求められます。

◆Green Carbonの取り組み

Green Carbon株式会社は、「生命の力で地球を救う」というビジョンのもと、国内外で自然由来のカーボンクレジット創出に取り組んでいます。
中でも、水田によるメタン排出削減効果のJ-クレジット化に注力しています。国内では、水田由来のJ-クレジット創出を目的とした「*稲作コンソーシアム」を発足させ、全国の生産農家と連携して地球環境の保全と脱炭素化に努めています。2024年8月現在、稲作コンソーシアムへの登録面積は40,000ha以上、約900社以上の企業・農業法人が参画しています。これにより、全国に独自の農家ネットワークを構築しています。

*稲作コンソーシアム:
Green Carbonが運営する、「水稲栽培による中干し期間の延長」 によるJ-クレジット申請をまとめて実施するためのコンソーシアムで、個人農家、農業法人、企業、金融機関、自治体、メディアなどが参画しています。

◆Green Carbon株式会社

代表者   :代表取締役 大北 潤
所在地   :東京都港区赤坂5-2-33IsaI AKASAKA607
設立    :2019年12月
事業内容  :カーボンクレジット創出販売事業農業関連事業、環境関連事業、その他、関連する事業及びESGコンサルティング事業