#小説
-小説- うたたねのこぼれ種 【2.いちご】
見上げた空はとても優しい色をしていた。遠くに雲が薄く浮かんでいる。シンの店「珈琲と音楽 うたたね」のそばにある川は今日も静かに流れていく。開店前に店の周りを散歩して、庭の様子を眺めるのがシンの毎朝の日課だ。朝の空気をしっかりと吸いながら歩いているうちに、体が起きてくる。
庭のハーブに引っかかった枯れ葉を集めていると、かすかにいい香りがしてくる。指に触れる朝露が心地よく、不思議と指先が温まってくる
見上げた空はとても優しい色をしていた。遠くに雲が薄く浮かんでいる。シンの店「珈琲と音楽 うたたね」のそばにある川は今日も静かに流れていく。開店前に店の周りを散歩して、庭の様子を眺めるのがシンの毎朝の日課だ。朝の空気をしっかりと吸いながら歩いているうちに、体が起きてくる。
庭のハーブに引っかかった枯れ葉を集めていると、かすかにいい香りがしてくる。指に触れる朝露が心地よく、不思議と指先が温まってくる