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Netflix「驚異の部屋」感想

お久しぶりです。
あっという間に更新しない日が続いて、こんなに間が空いてしまった。今月は週一で投稿出来たらいいなあ。願望。

さて、
暇つぶしで観ていた、Netflix ギレルモ・デル・トロ「驚異の部屋」を観終わった。
海外版「世にも奇妙な物語」みたいでなかなか面白かったので感想を書いておこうと思う。ネタバレがありますのでご注意を。
「驚異の部屋」は1話完結のオムニバス。全8話あり、監督はそれぞれ別の人になります。製作総指揮はもちろん、ギレルモ・デル・トロ。 


第1話 ロット36

競りで貸し倉庫の鍵を手に入れた男の話。
主人公がとにかくクズなので、何が起ころうと安心して見ていられる点はとても良かった。
降霊術、悪魔を呼び出すための4冊の本…キーワードだけでゾクゾクするけれど、落ちの余りのスピードの速さにびっくりしてしまった。
余計な説明はなく、不明な点は多々残ったまま物語は終わる。見終わった後のザラザラした気持ちまでおそらく計算されて作られた話だと思う。

2話 墓場のネズミ

墓守をしている主人公は、同時に墓を荒らして死者から金品を強奪していた。最近墓場に現れるネズミに苛立っていた主人公が、ネズミを追いかけて迷い込んだ先には…?という話。
私、ぐろいのもクリーチャーもそこそこ平気な方なんですけど、ネズミが…ネズミだけはだめだあ。
なので、ラストシーンには悲鳴をあげてしまった。
オチ含めてなんだか1番「世にも奇妙な物語」っぽい話だと思う。

3話 解剖

1番好きだった話。
面白くて2回観た。多分あと数回観ると思う。
田舎の炭鉱で、殺人事件の犯人と思しき男が爆発事故を起こす。
保安官の馴染みの老検視官(監察医?)が街を訪れ、一人きりで爆発事故の遺体の解剖へと向かう。検視官がそこで見たものとは…。
前半から目が離せず、後半の怒涛の展開に息を呑んだ。
死を覚悟した人間の強さにただただ驚かされる。主人公がとにかく格好いいのです…!この話についてはあえて深く語らないので是非観てほしいという気持ち。


4話 外見

自分に自信がない、職場の同僚たちともっと溶け込みたいと願っている主人公の女性が、美しくなるという触れ込みのローションを手に入れる。
しかし、ローションを塗った彼女の肌はかぶれ醜く爛れてしまう。それでもローションを使い続けた彼女の末路は…。

シリーズ通して見ると、なんだかこの話だけぶっ飛んでて浮いている気がする。私は好きです。
主役の女優さんが本当に役にベストマッチで、真に迫っているのがとてもいい。
「変身したい、美しくなりたい」というのは誰でもが一度は持つ願い。彼女を「やばいやつだ…」と思いつつも、でもまあ気持ちはわかる…変わりたいよね。と思う人は多いのではと思う。
とにかく旦那さんが可哀想ではあるけれど、「変わりたい」と言っている人間に「そのままの君が好き」って言ってもねぇ。

5話 ピックマンのモデル

5話と6話はラヴクラフト原作。
しかし申し訳ないのだけれど、5話も6話もあまり印象には残らなかった。ただどちらもゴシックホラー的な雰囲気があって、好きな人にはたまらない世界観だと思う。
5話は、美大で知り合った同級生が描いた絵を見て人生を狂わされていく男の話。
ラストシーンはとても好きだった。清々しいまでの残酷なバッドエンド。

6話 魔女の家での夢

幼い頃、妹を亡くした主人公は、その後の人生も妹の死に囚われ続けていた。怪しい人間から貰った薬物を使って奇妙な世界で妹と再会した主人公は、なんとか死んだ妹を現世に引き戻そうとするが…。
先に書いたようにあまり印象に残らなかったんだけど、ラストは意外で良かった。主役の人がハリー・ポッターシリーズのロン役だとは気づかなかった。老けメイクが上手なのか、本当に老けたのかどっちなんだろう。

7話 観覧

金持ちの家に招待された男女4人。
贅沢な空間で供される、極上の音楽、酒、ドラッグ。そして4人が案内された部屋の奥にあったのは…。
キューブリックっぽい映像と音楽に、まったりとした序盤から中盤の流れ。そして後半の怒涛の展開。私はかなり好みの作品でした。
コカインの適量知らないけど、ちょっとこれみんな吸いすぎじゃない?死なない?となってからの後半の展開だったので、これオーバードーズ後の集団幻覚なんじゃないの?と思ったんだけど違うのかな?多分違うんだろうけど。

8話 ざわめき

鳥類学者の夫婦が調査のためとある島を訪れた。提供された豪華な屋敷に興奮していた二人だが、だんだんと妻は屋敷の中の人影や足音に悩まされるようになってくる。
シリーズ最終話。シリーズ中残酷なシーンも無くクリーチャーも出てこないのはこの話だけ。
そして心霊ものもこの話だけ(一応6話も心霊もの?私の中では6話の魔女はクリーチャーのくくり…)。
序盤の屋敷の中での、足音、物音、子供の泣き声、人影などの心霊描写はすごく怖いんだけど、中盤から割とバンバン幽霊が出てくるからちょっと笑ってしまった。幽霊はやっぱり自己主張弱い方が怖いと個人的に思う。
夫婦が抱えていた悲劇とそれにシンクロしたかのように現れた幽霊たちの描写は、ありきたりなものかもしれないけど、良く雰囲気が練られていて良かったと思う。
屋敷の雰囲気もすごく良かった。ブルーグレーの内装、ウィリアム・モリスの壁紙…素敵だなあ。屋敷がかっちり作り込まれているのも相まって心霊描写にリアリティが出てるように感じた。



以上、「驚異の部屋」感想でした。
すべての作品が好みだったわけではないけれど、どれもとても作り手側の熱量を感じる作品だった。1話1話もそんなに長くないし(だいたい1時間前後の作品が多い)サクッと観られるところもとても良かった。
特に好きだったのは3話。4、8話も好き。
シーズン2もあるかなぁ?あったらまた観たいと思う。

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