新しい資本主義の懸念点

岸田総理率いる「新しい資本主義」戦略は、国家戦略として「アニメ、漫画、エンターテインメント」産業を振興していくらしい。「日本のコンテンツ海外売上は鉄鋼、半導体に匹敵」する、とのことで重要産業として取り上げるそうだ。
 賛成なのだが、「国家が推進していくこと」の懸念点を上げておく


論点は大きく二つ
・国家が「正しい創作を指定すること」は弊害を生むということ

国家が正しい作品を作ることの欺瞞

昔から言われてることで、芸術作品はそもそも、反権力的性質を持っている。俗っぽいことで言うと、芸術とはロックなのだ。
 それを外野が「正しさ」で強制しようとすると、こうなる

東京オリンピック2020の開会式は非難ごうごうであったではないか。あれこそ、政治家が芸術家のアトリエに土足で踏み入り、キャンパスをグチャグチャにした失敗例である。

金に群がる悪質サイト

 最近、炎上したのだが、そこで出てきた意見が「見たくなくてもエロ広告が移る」ということである。
 私はターゲティング広告でエロいの見てるだろ、と思ったのだが、事情が違うらしい。

例えば、普通のゲーム攻略wikiなんかはこういうサイトである




 その中でこういうサイトがあるのだ

 

これはときメモGSの攻略wiki、要するに乙女げーの攻略サイトなのだが、エロ広告がゴテゴテで、スマホではクリックすることも難しい。


ソースを見れば、ターゲティング広告ですらなく、エロ広告をひたすらにペーストしてサイトに張りまくってるのである。さらに、閉じようとすると「ページを移動しますか?」なんてスクリプトまで仕掛けられてるおまけつき。
 このスクリプトははっきり言えば悪質である。


ターゲティング広告ですらない、画像下手張り広告


ページ移動を妨害するスクリプト

インターネット老人の私としては、かつてのワンクリック詐欺サイトや、エロ動画まとめサイトを思い起こさせるサイト構築である。
どちらかと言えば、攻略情報なんて見せる気はなく、一回でも間違って広告をクリックしてくれれば儲けもの、と考えているサイトレイアウトである。

かと言って、すべてのWebサイトは自由であるのだから、「国家が許可するスクリプト」なるものを指定して、コーディングを規制してはとてもサイト制作者はスクリプトや広告を張ることはできないし、サイト運営の収入は得られないだろう。

コンテンツ産業が勃興すれば、このような「考察サイトを装った、ワンクリック広告サイト」「攻略サイトを装ったワンクリック広告サイト」が出てくることは容易に想像できる。

ぶっちゃけ、インターネット老人の私は、「いや、俺らの頃はインターネットってもっと混沌としてたよ」と思うのだが、まあ、「健全な社会」を作りたがる高貴なる方々の議題には上がるだろう。

二番目の点は些細な懸念だが、懸念には違いない

私の懸念点はこんな感じ

2番目は懸念としてあげたのだが、些細な問題である。
問題は一番で、これが起こると、創作界は完全に死亡する。

それには、やはり、口を出さないことが肝要で、政府が賢明ある”無能者”であることを望む

 

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