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何の話やっけ

私が今の会社に入社した頃、「まぁ女の子なんてそんな学歴あったって意味ないで。阿保の方が可愛いしモテるわ。」と平気で言ってくるオヤジがまだ居た。

気付けばそこから早4年、今では「女の子なのに毎日ハードに働いて偉いねえ」と褒められるようになった。

根本的な部分では何ら変わっちゃいない。
「女の子なのに」を文頭に付けないと誉めて貰えないのなら、私は今日もまだまだだし、煮えたぎらせたえのきは何だって美味しい。


えのきは良い。

「後一品なにか」と思った時、私はすぐにえのきに手を出してしまう。
和洋中何にだってえのきは素知らぬ顔して溶け込むし、「えのきが食いてえ!」となる夜は少ないかも知れないが、食卓に有れば何だかどうして食べてしまう。
食べた後口内の何処かに爪痕を残すことを除いては、かなりの優秀選手である。

しかし、職場の先輩は「得体が知れん。菌って何やねん菌って、気色悪い。」と言って、きのこ全般を断固として食べない。

言われてみれば、かなり訳がわからない。

世の中そういう冷静になると訳の分からない食べ物というのはかなりあって、私はいつも瓜系の野菜に度肝を抜かれる。

例えば茄子。
あんなに紫なくせに、切ったら真っ白というのはどういうつもりなのか。
スイカにしてもカボチャにしてもそうだ。
スイカなんて、はなからあんな奇妙な柄をしておきながら、切ったら真っ赤なんて怖過ぎる。
恐らく世界で初めてスイカを切った人は気を失ったに違いない。


美味しいスイカが食べたいな。
キンキンに冷えたやつ。

夏休みおばあちゃんちに行くと、いつも必ずスイカが出てきた。
世界中の「おばあちゃん」という生き物は、孫を腹一杯にさせることに命を懸けている節がある。
お寿司に焼肉、すき焼きにおはぎ、いつもこれでもかと食べさせられた後、「これも食べとき!」とスイカが出て来る。
「もう無理や〜」「食べなあかん!」「お腹いっぱいやねん〜」「何を言うてんねん、まだ食べれる!」みたいなやり取りをしていると段々眠たくなってきて、気が付いた頃にはタオルケットが掛けられている。
なんとなく静かになった周りの空気を感じてガバッと起きると、さっきまで山盛りのご飯で埋め尽くされていた座卓はすっかり片付けられていて、真ん中にはラップがされたスイカだけが残っている。
眠ったことで少し隙間ができたお腹と、寝汗をかいて乾いた喉とで、手は自然とスイカに伸びる。
でも齧り付いたスイカはじんとぬるくて、「あゝさっき食べときゃ良かったなぁ」といつも後悔したもんだ。

今年もぼちぼちスーパーでスイカを見かける。
梅雨が明けたら小さいやつでも買おう。
そしたらキンキンに冷やして齧り付いてやる。

てか何の話だっけ。
申し訳ない、話がぽんぽん飛んでしまう。
でも仕方ない。
だって女の子だから。


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