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パリ生活ゴ (18) 見積書

「パリ生活ゴ」では、語学テキストにはあまり登場しない
パリの日常生活シーンと、パリジャンがフツーに話している『パリ生活ゴ』を紹介。
(2002年〜2016年にフランスニュースダイジェスト誌面、サイトに掲載されたGDR執筆コラムに修正、加筆したものです)

が、ご注意を!!!
こなれた俗語が満載。
なので外国人の私たちが使うのはオススメしません。
失礼になったり、誤解されたりするリスク大です。
なので、聞いた時に理解できてOKというスタンスで眺めて下さいね。

また、スキットはGRDが全て作成したので、文自体はフランス人の口から出てきたネイテイブフレンチではない箇所もあります。
が、全てネイテイブチェックをかけています。
これらの文は、外国人フレンチだが、意味はバッチリわかる、という内容ですのでその点、ご理解下さい。

scène 18. 見積書   

<シーン 18 >
アパルトマンを購入し、内装工事のため3社から見積もりを取った。A社は2万6000ユーロ、B 社は2万ユーロ、C社は1万6000ユーロ。

フランスで見積書の解読は難しい。
一般的に日本の見積書は1回きりの映画。
が、おフランスの見積書は連続ドラマ。追加見積もり、追加予算が「常識」だからだ。

米系ITサ-ビス会社の営業をしていた頃。一向に受注が無い。他社と比べ数割高いのが理由だったようだが、どうも他フランス社が安すぎる。どう考えても、おかしい。
ほどなくしてフランス式見積もりは大河ドラマのごとく続きがあるものだと気づいた。だが、その「慣習」に うとい外国企業は当然安いフランス他社に発注。その後、第2、第3の絵巻物のような追加見積もりを手にし、わが社より何割も高い額を払うことになるのだ。

わが家の改装工事の見積もりの話に戻ろう。
「第1弾」から最終予算を予想するには情報収集が必須。
ウチの場合、まずA社は高すぎで即刻却下。
B社は見積書が大雑把で、大河ドラマ並みの追加見積もりがあるというウワサ。
C社は丁寧な記載で、珍しく「続き」はほとんど無いという評判。結局C社を選んだ。

ちなみにA社はパリジャン、B社はマルセイユ出身、C社はポルトガル出身の経営者だそう。

<使えるパリ生活ゴ 18 >
A : Alors ça avance, les travaux de ton appart ?
で、進んでる?アパルトマンの工事。

B : Alala, ①c'est pas terrible. Pour économiser des ②sous, on a embauché une équipe ③au noir.
ああ~。ひどいもんだよ。節約しようとしてもぐりで人を雇ってさ。

Paiement en cash mais 30 pourcent moins cher que le prix du marché.
現金払い(消費税抜き)で相場より3割安。問題は、ちゃんと働かないってこと。

Le problème c'est qu'ils ne bossentspas correctement, ils font vraiment ④n'importe quoi de temps en temps.
ホントにめちゃくちゃ なことすることがあるんだよ。

A : Pauvre de toi. Mais bon il faut assumer ton choix ⑤quand même.
同情するよ。でも、自業自得だと観念するんだな。

〜解説 18 〜
① pas terribleで、中以下の、取るに足らぬ 【médiocre】。
terribleは素晴らしい【formidable】 で、その否定形。

② 通常複数形sousで用いられ、お金【argent】の意
5サンチ-ムに相当する昔の貨幣単位から派生。

③ au noirはもぐりで【illégalement】。
noirは不法の【illegal】。<例> travailler au noirは不法に働く。travail noirは不法労働。marché noirは闇市。

④ n'importe quoiでめちゃくちゃなこと。
Tu dis n'importe quoi ! で、よくそんなこと言うな、というニュアンス。

⑤ quand mêmeでそれでも、やはり。
俗語ではないが、会話でよく使われる傾向がある。

❤️では scène 19 でお会いしましょ❤️


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