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パリ生活ゴ(5)カリメロソフィ

「パリ生活ゴ」では、語学テキストにはあまり登場しない
パリの日常生活シーンと、パリジャンがフツーに話している『パリ生活ゴ』を紹介。(2002年〜2016年にフランスニュースダイジェスト誌面、サイトに掲載されたGDR執筆コラムに修正、加筆したものです)

が、ご注意を!!!
こなれた俗語が満載。
なので外国人の私たちが使うのはオススメしません。
失礼になったり、誤解されたりするリスク大です。
なので、聞いた時に理解できてOKというスタンスで眺めて下さいね。

また、スキットはGRDが全て作成したので、文自体はフランス人の口から出てきたネイテイブフレンチではない箇所もあります。
が、全てネイテイブチェックをかけています。
これらの文は、外国人フレンチだが、意味はバッチリわかる、という内容ですのでその点、ご理解下さい。

scène 5.  カリメロソフィ

<シーン 5 >
私はソフィを密かにカリメロと呼んでいる。 些細なことを深刻な心配事にふくらましては、精神安定剤のコレクションを増やしているからだ。

「昨日は最悪。メトロのストで早朝に車出勤したら大渋滞。会議には遅れるし、子供は水疱瘡にかかるし、私は寝不足。疲れるわ~」。

聞いてみたら、スト、渋滞、子供の病気と、パリの日常生活のありふれた出来事ばかり。そんなん、こっちも一緒でんがな。こちらと違うのは、ソフィと旦那にはかなりの遺産があり、お高い7区の200㎡の分譲アパルトマンに息子ちゃんと3人暮らし。おまけにお手伝いさん付きの生活に、何を嘆くことがあるんやい、と私としては言いたい。

「日曜、ギョウザパーティーやるけど、そんなに疲れてたら来られへんな、残念」。(来られへんやろ~)というイケズが入った私の誘いだが、遊ぶ機会は逃さぬ彼女は大声で「行く」!

月曜日の朝。「GDRの家行ったら駐車するとこ探して30分、帰りは飲酒運転で捕まり、子供は食あたり。あ~やんなっちゃう」と、またも誰かにカリメロ劇。

<使えるパリ生活ゴ 5 >
A : Hier, c'était l'horreur.
     昨日は最低。

B : Pourquoi?
     どうして?

A : Hier matin, j'étais bloquée dans un méga ①bouchon. Forcément j'étais ②à la bourre pour une réunion hyper importante. En plus, mon fils a ③chopé la varicelle. Ah, je suis ④crevée.
朝は大渋滞で動けなくて大事な会議に遅れ、息子は水疱瘡にかかるし。あ~、死にそう。

B : D'accord, mais arrête de ⑤faire le Calimero un peu, comme même.
     分かったって。でもそんな悲観的にならなくてもいいじゃない。

〜解説〜
① bouchonは渋滞【embouteillage】。
動詞 boucher(ふさぐ)から、流動をふさぐものを意味し、車の流れをふさぐもの→渋滞。! 中身が出ないようにふさぐもの→ 栓の意あり。

② être à la bourre は遅れている、急がねばならない【être en retard, être obligé de se presser】。
動詞bourrerのたらふく食べさせる(胃を何かで満たす)の意から派生し、目標を満たすために 急いでいる(遅れているため)の意。

③ choperは(病気)にかかる【contracter】。
語源は定かではない。<参考>filerは(病気を)うつす【transmettre】。

④ crevéは死ぬほど疲れた【épuisé,très fatigué】。
動詞creverが(限界を越えて)はちきれそう、~ して死にそう→ crevéが(体力、気力の限界で) 疲労困憊しているの意。同意語にはnase(naze とも表記)がある。

⑤ faire le Calimeroはアニメのカリメロのようにふるまう→ 悲観的になる。faire + le + 名詞 で、~のようにふるまう、フリをする。
<例> faire le bébé赤ん坊のマネをする(聞き分けの無いことをする)、faire le comédien役者のようにふるまう→ 大げさにふるまう

❤️では scène 6 でお会いしましょ❤️


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