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パリ生活ゴ(16) ノエル劇場

「パリ生活ゴ」では、語学テキストにはあまり登場しない
パリの日常生活シーンと、パリジャンがフツーに話している『パリ生活ゴ』を紹介。
(2002年〜2016年にフランスニュースダイジェスト誌面、サイトに掲載されたGDR執筆コラムに修正、加筆したものです)

が、ご注意を!!!
こなれた俗語が満載。
なので外国人の私たちが使うのはオススメしません。
失礼になったり、誤解されたりするリスク大です。
なので、聞いた時に理解できてOKというスタンスで眺めて下さいね。

また、スキットはGRDが全て作成したので、文自体はフランス人の口から出てきたネイテイブフレンチではない箇所もあります。
が、全てネイテイブチェックをかけています。
これらの文は、外国人フレンチだが、意味はバッチリわかる、という内容ですのでその点、ご理解下さい。

scène 16. ノエル劇場  

<シーン 16 >
フランスのノエル(クリスマス)は、日本の正月のごとし。家族が集う。 
アルザスにあるダーリンの実家にて。

シャンパンで乾杯、フォアグラ、ノエル恒例の七面鳥の栗添え、アイス・ケーキ、トリュフ・チョコにコーヒー。すごいご馳走だ。
毎日、ガソリン1Lで何キロ走れたかで一喜一憂している超倹約家で気難し屋のパパとママだが、ノエルだけは気前も機嫌もいい。

1年に1度のノエルは特別だ。暗い話題、誰かの気にさわる話題は避けるのが不文律。となると、離婚、失業、財産分与、病気といった、日頃彼らの話題を占めるテーマの9割がアウト。だが、無言で1日8時間以上もテーブルにへばりついているわけにはいかない。かといってアートや小説の話で盛り上がるメンツでもない。
「困った」。

そこで登場するのが、ノエルの食べ物の由来やレシピ、バカンス、コンピュータやインターネットの話だ。「ふうん。あっ、そう。へえ?じゃあこれはどう?」こんな軽い情報交換は、各自の信条や心配事に直接関わらないことが多い安全なテーマである。

離婚率、失業率、高齢者率が高いフランス。憂き世は忘れ、幸せなフリをしたい気もわかる。

<使えるパリ生活ゴ 16 >
A : Qu'est ce que t'as fait pour Noël ?
 ノエルは何した?

B : Je suis allé dans ma ①belle famille dans ②le 93.
「93」にある義理の家に行ったよ。

A : ③Ça craint encore là-bas, non ?
あそこ、まだ危ないんじゃないの。

B : Le noël, ça va, mais c'est ④hyper-⑤chaud le 31 décembre.
ノエルは大丈夫。

Il ne faut pas laisser sa bagnole dans la rue ce jourlà.
でも大みそかはすっげえヤバイくて、路上駐車は絶対ダメ(車への放火の恐れがあるため)。

C'est une des ⑥préoccupations de fin d'année chez eux.
あそこじゃ、それが年末の心配のタネだな。

〜解説 16 〜
① belle familleは義理の家族、親戚。beau(belle) には義理の~の意味あり。(例)beau pèreは義父、belle mèreは義母。婚姻関係を結んでいな いが、配偶者同然の彼氏、彼女の家族に対しても用いられることがよくある。

② 93はパリの北東部に位置するセ‐ヌ・サン・ドニ県(département)の郵便番号。読み方は quatre-vingt-treize、もしくはneuf troisの2通り。暴動事件の報道により国内外で有名となった県。

③ ça craint(craindre)で危ない【dangereux】

④ hyper- + 形容詞で、とても~【très】。
(例)un mec hyper-sympa(とても感じがいい男性)、 explications hyper-compliquées(とてもややこしい説明)。<同意語> super- + 形容詞、vachement 。(例)super-sympa, vachement sympa

⑤ chaudは危ない【dangereux】。

⑥ préoccupationは気がかり、心配事、関心事。

❤️では scène 17 でお会いしましょ❤️


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