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パリ生活ゴ(7) シック16区の結婚式で

「パリ生活ゴ」では、語学テキストにはあまり登場しない
パリの日常生活シーンと、パリジャンがフツーに話している『パリ生活ゴ』を紹介。(2002年〜2016年にフランスニュースダイジェスト誌面、サイトに掲載されたGDR執筆コラムに修正、加筆したものです)

が、ご注意を!!!
こなれた俗語が満載。
なので外国人の私たちが使うのはオススメしません。
失礼になったり、誤解されたりするリスク大です。
なので、聞いた時に理解できてOKというスタンスで眺めて下さいね。

また、スキットはGRDが全て作成したので、文自体はフランス人の口から出てきたネイテイブフレンチではない箇所もあります。
が、全てネイテイブチェックをかけています。
これらの文は、外国人フレンチだが、意味はバッチリわかる、という内容ですのでその点、ご理解下さい。

scène 7.   シック16区の結婚式で

<シーン 7 >
リッチ韓国娘ミョンとザ フランス庶民男フランクの婚姻届け提出の式に参列した。場所は彼女が住むシックな16区の市役所(フランクは20庶民区在住)。悪いが、ディオ-ルのスーツを着せても労働者タイプから抜けきれないフランクに16区は合わない。グレーのサテン地のスーツ、光沢が安っぽく見える。おまけに彼の友人達が庶民代表集団ときた。ザラやキャロルといった庶民ブランド丸出し、ブロンドに染めてはいるが地毛の黒髪がちらほら見える女性達に、平服の男性までいる。

ホールのドアがバタン、と開き、儀式を済ませた前のカップルが招待客と共に出てきた。おお、これぞ正統16区民集団。上背あり、すらり。肌は白く、頬はピンク色。若い女性はセミロングの薄茶系ナチュラルウエーブ(染めてはいない)。控えめな色のワンピースに絹のショール。男性なら質の良いスーツを肌着のようにぴたりと身に着け、足元には磨かれた革靴。

「ホンモノのお金持ち集団や。ええ身なりしとる。でもみんな顔つきも容姿もソックリやな」。こんなことを口に出して言うフランクの友人に、庶民の血統書をあげたい衝動にかられた私。

<使えるパリ生活ゴ 7 >
A : Nicolas est toujours hyper bien ①sapé. Qu'est ce qu'il fait ?
     ニコラはいつもパリッとした身なりね。何の仕事してるのかしら?

B : Tu sais pas? Ses parents sont hyper ②friqués. Mais il n'est pas du tout ③snob, plutôt sympa.
知らないの?両親がすごくお金持ち。でも彼、全然気取ってなくて感じが良いの。

A : Et tu connais son copain, Xavier ? Ils se ressemblent vachement, ils sont cousins, non?
彼の友達、ザビエ知ってる? 2人すごく似てるけど、いとこかしら?

B : Non, ils sont de la même ④tribu du 16ème, moulés de la même façon, eux.
違うわ。16区民ってわけ。あの人たち、みんな同じよね。

〜解説〜
① sapéは、着た【habillé, vêtu】。
<同義語>fringuéも俗語で着たの意。
!fringues(常に複数形)は衣類【vêtements】。costardは背広【costume】。

② friquéは金持ちの【riche】。
俗語fric金、ゼニ【argent】からの派生。fricの語源は俗語fricotの食事、料理【repas】。食事を整えるのに必要なもの→ お金という意が派生した説がある。
<参考>nouveau richeは成金。

③ snobは気取ったという意。
俗語ではないが庶民の間で頻繁に使われる言葉の1つ。もとは英語からの借用語。下級階層に属しているが上流社会のマナーを盲信、真似する人を形容し、中身が伴わない紳士、淑女気取りの、きざなという意で軽蔑的に用いられることが多い。

④ tribuはグループ。
第一義は部族だが、共通点を持ったグループ(同じ社会層、趣味等)という意でも使われるようになってきた。

❤️では scène 8 でお会いしましょ❤️


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