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パリ生活ゴ(1)教科書フランス語、使いもんにならん

「パリ生活ゴ」では、語学テキストにはあまり登場しない
パリの日常生活シーンと、パリジャンがフツーに話している『パリ生活ゴ』を紹介していきます。(2002年〜2016年にフランスニュースダイジェスト誌面、サイトに掲載されたGDR執筆コラムに修正、加筆)

が、ご注意を!!!
こなれた俗語が満載。
なので外国人の私たちが使うのはオススメしません。
失礼になったり、誤解されたりするリスク大です。
なので、聞いた時に理解できてOKというスタンスで眺めて下さいね。

また、スキットはGRDが全て作成したので、文自体はフランス人の口から出てきたネイテイブフレンチではない箇所もあります。
が、全てネイテイブチェックをかけています。
これらの文は、外国人フレンチだが、意味はバッチリわかる、という内容ですのでその点、ご理解下さい。

scène 1.  教科書フランス語、使いもんにならん

<シーン 1 >
パリのアリアンスフランセーズでフランス語をお勉強して、フランス生活をはじめた。ぼちぼち語学教師や留学生の話す仏語は分かってきたので「よっしゃ、ロー カル社会にデビュ-や」といさんで仏人のホームパーテイに出かけた。が、どうも繰り返し出てくる言葉の意味が分からない。

「コパン? ジェームズコバーン(アメリカの男優)と親戚か? まさか乾パンとは関係ないやろな。」「モンメックと映画に行ったってか? モンは『私の』やろ、メック? メカニシャン(修理工)のことか? 車、修理に出した先で修理工ナンパしたんか? やりよる、この女。」

ほどなく、コパン(copain)が『友達』、モンメック(mon mec)が『私の彼氏』を意味するのだと知り、私は愕然とした。「なんでこんな使える言葉教えてくれへんかってん!!」

本コラムでは、(教科書仏語を教えてくれる) 語学学校ではほとんど聞く機会がないが、庶民仏人の間ではもっぱら使われている「フランス生活ゴ」の話を展開したいと思う。

<使えるパリ生活ゴ 1 >
A : T'es pris ce soir ?
  今晩、予定ある?

B : Je ①bosse tard parce que j'ai beaucoup de ②boulot en ce moment.  Pourquoi ?
   おそくまで仕事。今、すごく仕事があるんだ。どうして?

B : Bah, oui ! Qu'est ce que j'emmène comme ③bouffe?
  うん。食べもの、何を持って行こうか?

A : Plutôt de quoi ④picoler.
  じゃあ、飲み物頼む。

B : ⑤D'ac.
   わかった。

〜解説〜
① bosse(bosser)は仕事をする【travailler】。
 仏西部地方の方言で『体を曲げる』という意味から仕事のために体を曲げる(デスクワークというよりは農作業の意だろう)に意味が拡大した。

② aller au boulot は仕事に行く【aller au travail】。
petit boulotはアルバイト。Métro、boulot、dodoは『メトロ、仕事、寝る』で、マンネリ化した近代社会生活を意味する。

③ bouffe(la)は食べ物【nourriture, aliment】。動詞boufferは食べる【manger】からの派生語。元来、口を食べ物で一杯にする時の擬態語で、がつがつ食べる様を意味する。
! ビュッフェ形式、食器棚を意味するbuffet (le)と混同しないよう、ouとuの発音に注意。

④ picolerはアルコ-ルを飲む【boire】。
アルコ ール度が低いテーブルワインを意味するpic(c) oloから派生。安くて飲みやすいアルコールをがぶ飲みする様を含む。

⑤ d'acは分かった【d'accord】の短縮形。

❤️では scène 2 でお会いしましょ❤️ 

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