子ども時代の遊び回顧:田んぼ野球
自宅の裏には見渡す限りの田んぼが広がっていた。
春になれば、小川にオタマジャクシが泳ぎ、レンゲソウなど小さな花が一面に咲いていた。
秋、稲の収穫を終えたころから、子どもたちの遊び場にかわる。
いまどきは、人の田んぼに勝手に入れば注意されるのだろうが、当時はそんなことは起こりもしなかった。
というか、気づいても静観していたのであろう。おおらかな時代の話(1970年代)。
休みの日には近所のお兄さん方がたいていゴムボールとバットを持って誘いにやってくる。
バットと言っても既製品でなく青竹をノコギリで切って、グリップ部分に絶縁テープを巻き付けたシロモノだ。
3人であれば、ピッチャーとバッターと野手に分かれての即席野球大会の始まりだ。
塁はホームベースと1塁のみ。
塁に達する前にタッチするかボールそのものをぶつければアウト成立。
ボールもバットも内部が空洞のため、ボールの飛距離はさほど伸びないため、野手の頭上を越えることもまれだ。
そのあたりのバランスがこの即席野球大会を成立させる。
遊び相手がいない際はゴルフがうってつけだった。
ゴルフボールはどこからか入手した使い古しのもの。クラブはかまぼこ板幅の長い木片をヘッド部分とシャフト部分に切り、Lの字に交差させクギで固定したもの。
そして、田んぼゴルフのティーは稲穂の切り株、ホールは田植え時に残された地下足袋の跡のくぼみだ。
たいていホールアウトはボールの紛失時と決まっていたが(笑)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?