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「Sonny Boy」とかいう傑作アニメ

※衝撃的な作品に出会ってしまったので、記事として残しておこうと思ったので書きました。

突然だけど「Sonny Boy」って知ってる?
読み方は「サニーボーイ」で、本作は2021年の7月〜10月まで放送されたアニメである。

「Sonny boy」
少年少女たちの新たな
漂流物語が始まる―。
公式サイト:https://anime.shochiku.co.jp/sonny-boy/


※以下ネタバレを含むのでご注意ください。


・概要

あらすじとして、突然学校が異世界に飛ばされ(ここでは"漂流"という)、その被害にあった中学生の少年少女たちが元の世界に戻るために、この「世界」を攻略を試みるストーリーとなっている。漂流したこの「世界」では不特定多数の生徒が超能力を使える現象が起き、またそれにより何かを得る者や失う者が出てくるといった具合である。

このアニメの1番の特徴は、単なるアニメではなくストーリー自体が、このアニメの捉え方を示しているという事実にある。

考察サイトなどがたくさん出ているので詳細は記載しないが、言いたい事は以下の一文にまとめられる。


「世界は変えられないが、自分自身の捉え方を変える事で世界の見え方自体を変える事はできる」


そもそも世界とは何か。
俯瞰的に考えてみると、"自分のフィルターを通して見える万物 = 世界"という事実が浮き上がってくる。

かの哲学者ニーチェもこんな言葉を残している。

事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである。
電通報:https://dentsu-ho.com/articles/7869

このアニメを見るにあたって、まずは次のような前提を頭にイメージさせる必要がある。

"本来、「世界」というものは物理的に存在しておらず、私たちは単なる虚構を「世界」と名付け捉えているだけなのである"

この前提をもとに、本作の魅力について以下で述べようと思う。


・魅力

ではこのアニメの魅力とは何か。
魅力の一つとして、先ほどの前提を理解した上で、このアニメは至極、「世界」にまつわる本質的なメッセージ性を孕んでいるということが挙げられる。

繰り返しになるが、私たちは「世界」は変えられないが、その見方や捉え方を変える事で、結果的に私たちの見えてる「世界」を変えることができるのだ。

人生を充実した華やかなものと捉えるか、不条理で混沌としたものと捉えるかで、結果的にあなたは「世界」を変えているのだ。

本作に対しても、"謎が多くちゃんと伏線を回収してくれないよく分からないアニメ"と捉えるか、"強く本質的なメッセージを含んだ見応えのあるアニメ"と捉えるかによって、ある種の「世界」を変えることができるのである。

加えてそれにも関わらず、"漂流する教室"、"ボーイミーツガール"、"青春と学校"などのエンターテイメント要素で覆われたものに仕上がっていて、それだけで良質なアニメーションコンテンツとして成立している点も魅力として特筆すべき部分である。

主題歌として書き下ろされた、銀杏BOYZの楽曲「少年少女」や各場面で流れる様々な挿入歌も、ストーリーを盛り上げる一翼を担っている(単純にセンスが良い)


更に加えて、エピソードの細部に至るまで、相対性理論を応用したロジックを仕掛けている部分は、もはやエンタメの権化と呼べるだろう。その仕掛けにより、考察サイトが乱立して、視聴者自身の関心を強く離さないものとしているのである。


・最後に

あえて事細かに書きはしなかったが、この記事を読んで少しでも気になった人は、是非この作品を見てほしい。そして考察し、かつ他者の考察を読み、さらに考察してほしい。はたまたさらには、"あなたの「世界」を創る"という行為をやってみてほしい。全くもって無責任ながらもあなた方が、"絶対性"と"相対性"という不変の真理を体感できる機会になればと思い、この記事を書き留めておくこととする。

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