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週記(11月7日~11月14日)

東京都下の農業が盛んな地域に拙宅はある。散歩に出ると、農家の軒先で規格外の野菜を破格値で売っている。今回、とてもいい出物に遭遇した。

大根1本100円。

先っぽはおろして筋子と和えた。めっちゃ辛くて涙が出た。筋子の塩辛さと絶妙なマリアージュで白ワインが進むこと進むこと。この大根でおろしそばを作ったら最高だろうと思ったが、残りはあえて煮た。

するとどうだろう、下煮の段階でめっちゃくちゃいい大根の匂いが家じゅうに漂った。とれたての野菜の力、なのだろうか。辛みもうまみも強い。もうそれだけで心が満たされる。半分は白出汁と薄口醤油、酒で味を調え、半分は昆布出汁を取って塩味をほんの少しだけつけ、ふろふき大根にした。ふろふき大根を食べるにはちと暖かい日になりそうだけど。

100円で豊かな食卓のできあがり。なんとしあわせなことか。

料理はわたしにとって趣味であり、楽しい時間だ。だけど、仕事が立て込んでいて、どうしてもだめなときは料理もしないし、それ以前に家事全般がおろそかになる。人間としての基本的な生活をどこまで切り詰めるかレベルの局面にまで追い詰められることもある。

家事をやらされているな~と、しんどくなる直前に、勇気ある撤退をする。それだけだ。

わたしの場合、あれこれで追い詰められたら、あえて料理に逃げる。おいしいものは、自分をしあわせにするから。お金をかける必要はない。スーパーで半額だった筋子、農家の軒先で見つけた規格外の大根で、わたしはじゅうぶんしあわせになれる。大根葉は塩と輪切りの鷹の爪と一緒にもんで、冷蔵庫で軽く寝かしておく。酒の肴にもよし、ご飯のおかずにもよし。

日曜日の夕方、おとなりから柿をいただく。20年ぶりぐらいだよ柿食べるの。1個は生ハムを巻いて食べ、1個は夫氏が食べるそうで、残り1個はコンポートにでもする? 作り方は調べよう。

実務翻訳1本進行中。こんなCATツールがあったんかと驚きながら進める(意外と使い勝手がいい)。体が「はたらきたくない」と悲鳴を上げている。わがままボディだ。

いろいろといろいろが重なって、合唱団のオンステを断念。もう少し余裕のある暮らしをしたいものだ。

……言ってることが矛盾してねぇか?

今週は豊かな食卓日記ということでいい感じに締めくくることができたが、来週は修羅場も佳境。ひと段落したら『ワカンダ・フォーエバー』観に行くんだ(フラグ


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