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ライブハウスを愛する皆さんへ

初めましてシンガーソングライターのgratiaです。
ガラシャと読みます。

今回は私が大好きだったライブハウス「高円寺U-hA」が2023年1月14日に閉店するにあたり、閉店記念のグッズ(ミュージックカード・コースター)を企画・制作・代理販売したことについての記事です。
まずは、このグッズがチャリティであったことから、
1:購入いただいたみなさまへの収支報告をすべきであること
2:参加アーティストもそれを知る権利があること
3:この内容が今頑張っているライブハウスの方々・インディーズアーティストの活動において、グッズ製作などの何かヒントになればという気持ち

上記3つから、ご報告兼参考事例になればと書くことにしました。

そのため全て無料記事としますが、個人情報を伏せた販売データのCSVのDL URLのみ有料記事のところに配置いたします。
CSVは正直なくても全く問題ないですが、いつどのタイミングで何県の人が何をどれだけ買ったのかが分かります。
ウーハマニアの方々のために貼っておきます。
私への投げ銭として購入してくれてももちろん嬉しいです。

高円寺U-hAとは


まず、高円寺U-hAとは、その名の通り高円寺にあったとてもアットホームなアコースティックのライブハウスでした。URLが生きているのでコチラを是非ご覧ください。私からみたU-hAは、カレーとお酒が安くて美味しく、ノルマもない演者と聴衆どちらにも非常に良心的なお店でした。

グッズの代理製作・販売の経緯

そんな高円寺U-hAが2023年に閉店するということ、さらに退去における原状回復費用が予想より100万円ほど高くなってしまったことを昨年秋に知りました。
閉店を惜しむお客様やアーティストの声は非常に多く、私もその1人でした。
しかし店長がワンオペで切り盛りしているお店を、その店長が辞めると決めたのであればその意思を尊重し、最後の営業日までなんとか応援するしかありません。
一方で、1人でスパイスから作ったカレーを600円で提供し、アーティストに1枚目からチケットバックをするような良心的な店長が、退去時に金銭的工面が難しいからと、自ら何かを企画するようには思えませんでした。

そこで、
お客様や演者が閉店後もU-hAを思い出せる何かがあった方が良いのでは?
・その利益を原状回復費用にも少しは当てると良いのでは?
という盛大なお節介心から、半分くらいは回復費用の足しになるような閉店記念品を作ろうと考え、店長に連絡をし、代理での製作販売に至りました。

グッズの収支報告・詳細

そこで製作・販売したものは下記です。

U-hA白雲石コースター200枚
U-hA ミュージックカード 200枚

収支報告

純利益:557,978円
コチラをお店の原状回復費用に充てていただきました〜!
アーティストの皆様・ご購入いただいたお客様本当にありがとうございます!

 店舗売上:521,500円
 通販売上:182,460円
 経費:145,982円
※通販売上は純粋な売上から通販サイトの使用手数料を抜いたもの
発案/製作期間:2022年10月5日~11月15日  
店頭販売期間:11月15日〜1月11日(完売) 
通販販売期間:11月25日〜12月24日 


さて、それぞれの詳細は下記です。
詳しく値段や使用サイト・販売実績・反省点を載せるので、
グッズ製作などのご参考にどうぞ。

1:白雲石コースター200枚
・商品決定の経緯

→コロナ禍初期に個人的にU-hAを応援する企画で製作をしたことがあり、商品の良さ及びお客さまからの反応の良さを店長・私ともに実感していたため
・原価:78,980円
・デザイン発注料:10,000円
・売単価:1,000円

・販売実績:店頭147枚&通販53枚にて完売
・制作&販売方法
→知人にデザインを発注し、その他の発注は全て私が行う。基本は店頭で販売し、遠方の方のため50枚ほどは筆者の通販サイトで代理販売。なお通販での発送方法は1回185円のクリックポストを使用し、梱包はクッション封筒/メール便対応の厚紙のケースを使用するため送料として別途300円をいただく。
  
・反省点&今後検討している方のために言えること
→1,000円という価格帯かつ物としても実用的でクォリティも高かったことから、お店のお客様のみならず出演者からも大人気でした。アーティストさん&ライブハウスさんが売るのにかなりおすすめのグッズです。最初から厚めに発注すれば良かったと思いました。(今回100枚ずつ発注したため販売期間及び売りのガシもあったと思います。それでも12月中には完売しました。)
 
→白雲石という製品の特徴上割れる可能性があること、また1人で90件ほどの梱包&発送を、複数商品を入れながら間違えずにすることは想像以上に神経を使う&梱包スキルが必要なので、最低でも2名体制でやることをお勧めします。
(私は百貨店に勤めていたため発送のワンオペは得意でしたがそれでも割と大変でした)
 

2:コンピレーションカード200枚
・商品決定の経緯 
→ライブハウスの閉店記念品なので音楽そのものを販売する形のグッズが望ましい。その場合CDが一般的だが、閉店までの日数及び予算が少ない一方で参加希望者が多いことから、プレス・マスタリング・収録曲数の量及びデータ形式の問題をクリアできるDL式のミュージックカードでのコンピが代替として最適であると判断したため
・原価:57,002円
(カード51,876円+挨拶文&収録曲目次印刷代1,730円+手提げ袋3,396円)
・デザイン&楽曲使用料:0円
(アーティストの皆様からは無償で曲を収録させていただき、お返しとして1組1枚ずつカードをお渡し&フライヤーのサッキングを希望者にはできるようにしました。本当にありがとうございます。カードのデザインは店長が撮影した写真を私が加工したもののため無料)
 ・売単価:3,500円
・販売実績:店頭107枚&通販49枚にて完売
(その他→アーティストへの譲渡42枚/手渡しミス2枚)

・反省点&今後検討している方のために言えること
アーティスト募集&音源収集の準備期間がもっとあったら良かった。
今回アーティストの募集〜データのやり取りを全てオンラインで行いました。募集はお店と私のTwitterアカウントを通し行い、店長からお店での直接勧誘も行いました。2週間程度で42名集まったので、大成功だとは思いますが、どうしてもSNSに強い人に偏りが出るということも事実です。
時間がなかったため今回はどうしようもなかったかと思いますが、もし今後大規模コンピをしようという稀有なライブハウスがいらっしゃる場合、期間を少なくとも3か月は設け、店頭とネットどちらでも募集すると良いかなと思います。また時間があればアーティストももっと準備できたので音楽的にもより良くできたかもしれません。
ただいつでもすぐに出せる音源とプロフィールと写真があることはインディペンデントなアーティストにとっては大事なことなので、アーティストはいつでもどこに出しても恥ずかしくないデータ、まとめておこうね、、、と思いました。今回参加されてる方は普段から準備ができてたから参加できたのではないかと思います。えらい。

→インディーズのアコ箱アーティストはPCスキルがない場合が多い肝に銘じよ

これは一概には言えませんが、オンラインでプロフィールを集めたため、今回GoogleスプレッドシートとDropBoxを利用しました。ほとんどの方がログインでき書き込み&アップロードできましたが、できない方もいらっしゃいました。
書き込み&アップして誰かのデータを誤って消す方もいらっしゃいました。笑
それを古いバージョンから回復してくれる天使のような方もいたので一概には言えませんが、普通の会社の共有エクセルのように運用できると思ってはいけない。ということを肝に銘じてください。良いですか、”インディーズのアコ箱アーティストはPCスキルがない場合が多い”です。
他の人のプロフィールを見れた方が良いだろう、そして後から差し替えたり編集できるたほうがよいいだろうと全員に権限を与えた私が愚かでした。😂
今後やるならばGoogleアンケート方式でプロフィールを集めことを強くお勧めします。
あとこれはインディーズの常識なので大きく書きませんが必ず誰かは期限を守りません。でもこれは普通の会社でも一緒ですよね!笑

→お客様あてのGoogleアンケートを仕込んでおくべきだった
これは一番の個人的な反省点ですが、今回のコンピを買ってくださった方がどのアーティストを応援しているのかや、どのアーティストの曲が聞いてみて良かったかなど、フィードバックをアーティストに届けられるシステムがあれば良かったと反省しました。
というのも、アーティストは完成品を1枚お渡しはしているものの、チャリティで参加してくれているので、何かしら還元するシステムがもっとあれば良かったと感じます。「Aさんのお客様で購入された方が、Bさんの曲も気に入った」ということがわかるだけでも、今後の対バン相手やブッキングの参考になるので、箱にも演者にも有用なデータが取れたのではないか?と反省しています。アンケートを仕込むなら、ミュージックカードのDLデータの中に仕込むか、曲目のリストに仕込み、答えてくれた方にはお礼として何かのデータをプレゼントするなどが良かったかなと思います。

→お値段をもうちょっと下げれたら良かった
今回42曲入ということで、1曲150円でDLしたと仮定しても5000円以上するので3500円という価格設定で販売をしました。
これはお客さまにとっても一曲あたりで計算すればお安く音源が買えるのでメリットがあると思いましたが、3500円あればライブに1回行けるお値段なので、少し手が出にくいお値段でもあったかなと思います。
参加条件を厳しく(10回以上出ている)などにした上で人数を減らし、お値段を下げた方がお客さまにとっては買いやすかったかもしれませんが正解は分かりかねます。

→視聴用のプレイリストや動画などを、お店のアカウントで作成すべきだった
これは私がボランティアでお節介しているというたいばだったため、できることではなかったのですが、本当ならコンピを出すと同時にライブハウスのアカウントで視聴用の動画かサイト(トレーラー)は必要だったと思います。
もしくは、アーティストはほとんどYOUTUBEのアカウント持っているので、その動画を再生リストとして追加してお店のYOUTUBEアカウントに置いておくだけでも、アーティストにとって宣伝にもなり、お客さまにもコンピの雰囲気が伝わっただろうと思います。
3500円は手が出ないという方にもチャリティで参加してくれたアーティストの曲が広まるきっかけにはなったのではないかなと思いました。私のアカウントで作成をしましたがそれだと届かないなと思いました。今からでも気になる方はぜひ聞いてください↓)

→通販サイトをお店の名義で作成すべきだった
これも私が店の人間ではないボランティアというところで口を出す権限がないと判断したので仕方ない話なのですが、本来なら通販サイトをお店の名前で作成し販売した方が良いです。
というのも代理販売となると私のサイトを使用することになるため、私の物販とお店の物販とで売上を別途計算する必要があり、これが非常に最強に面倒でした。
また、このようなコンピやグッズ販売を定期的にお店が行っていれば、見えていた景色が違ったのではないか?とも思ったからです。ライブハウスさん、きっとみんな通販やってるところが多いと思いますがもしこの記事を読んでいてまだ作っていないところがあれば、コースター、売りましょうw
コンピは大変なのでとりあえず通販作ってコースター売りましょうw

→ミュージックカードは便利
今回CDでもなく配信でもなくカードという形をとったのは、グッズを選んだ経緯にも書きましたが、もう1つ理由はあります。それは、配信だとめちゃくちゃお金かけられた音源(つまりビルボードに載るようなの音源)と同じ媒体に音源を放つことになるため、アーティストの参加ハードルが上がるからです。
お察しの通り、インディペンデントのアーティストも箱も基本的に、お金持ちではありません。ですが私はその予算がない、つまり大人の事情が何もないからこそ、忖度なしに自分の本当に作りたいものを作り、奏でることができるのが自主制作の強みだと思っています。それは自己満足と紙一重でもあることは事実ですが、私はいつも、そこにピュアな音楽の源のようなものを感じています。U-hAは、行くと必ずそういうものに出会える場所でした。そしてライブハウスはそういうところであると思っています。だからこそ、作品として逆にクローズドなものでありたかったです。ライブハウスに入ると日常を忘れさせてくれるようにです。
  
一方で音源としてはもちろんマスタリングを行い、音源ごとのボリュームを揃えてあげる方が聞きやすいと思います。しかし、その音源でアコースティックの箱やアーティストの持つ空気感を感じられるかというとまた別です。
そのため、今回予算的問題でもありましたが、カードにし、マスタリングも省き、ボイスメモの一発録りのアーティストも参加可能にしたのは、予算面でも、記念品としても良かったのかなと思いました。これは聞いた人が判断することでもあるので、ぜひツイッターなどで感想書いて教えてもらえると嬉しいです。(noteってプレミアムじゃないとコメントできないんですね、、、)
あとやはり、ファイル形式を統一せずともzipで収録できるという点、アップロードがカードが作成されて手元に届いてからいつでもデータの差し替えなどもできる点から考えても、非常にやりやすいです。今後コンピを考えているライブハウスさん、カードも検討してみてね。(今回は入っていませんが歌詞カードもpdfとして入れることも可能です)(安心してください何の回し者でもありません)

今回のグッズ製作での利用サイト一覧

参考:利用サイト・サービス各種
コースター https://www.b-goods.net/product/post-5914/
ミュージックカード(0.5mm/2.5GB/zipにして登録) https://conca.cc
挨拶文印刷代→https://www.printpac.co.jp/pricelist/single.php?product=leaflet
手提げ袋 https://www.amazon.co.jp/dp/B07ZQ32RJP?ref_=cm_sw_r_apin_dp_NS4Y3E4092JA0BANZ5R3
発送時の梱包材を買ったサイト(私が調べた限りここが最安値でした)
https://www.notosiki.co.jp


下記有料になります。
超絶長文を読んでくれてありがとうございました。
今頑張っている誰かの・どこかのライブハウスや活動の少しでも役に立ちますように!

さて、下記は通販での販売履歴のCSVファイルDL URLのみとなっています。
個人情報を抜いてありますが、都道府県のみ分かります。
どの県の人がどれだけ買ったかなどご参考になりたいかたはどうぞ。
2023年5月17日まで有効なURLです。

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