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男4人が話す、2010年代の日本の音楽について Part3

おはようございます、こんにちは、こんばんわ、くさのです。

くさの、ノイむら、ゴリ、まっつの4人で2010年代の日本の音楽についてを、非常に雑記めいた感じで話してみました。今回はPart3です

それぞれに見ている部分が異なる4人で、日本の音楽を広く見通してみて、どういったことが同時多発的に起きたかをひとまとめにしておきたかった。それが第一の目的です。とはいえ、あいつもあいつもあいつもあいつも、この話のなかに出てこなかったりします・・・!!!ごめんなさい!!!

今回の4人話、その時間、2日がかりで10時間オーヴァーで収録しています。飲み会トークよりかはしっかりとしつつ、真面目な大学講義よりもサバけた感じにはなってるかと思ってます

とはいえ、ちょっと雑に話してしまったな・・・というのは感じています。気分を害されるかたがいらっしゃるかもしれません。その点、さきにお詫びしておきます。申し訳ないです

Part3、前半から4人が抜身の刃で殺しにかかっています。とくに僕とゴリさんですね。声優とアイドルについての話なので仕方ないとは思いますが・・・どうか生暖かく読んでください。

今回のテーマは、日本のアイドルと、アニソンシーンについて。あくまで比較することなく、それぞれ個々について話しています。



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日本のアイドルとIDOL(偶像性)の距離
さまざまな特異性と功罪、芸能であるということ。

草野 いま初音ミクやAI美空ひばりの話をしてきたけども、これって本人性であり、もっと言ってしまえば偶像性の話だと思うんだよ。その人が描きたいもの、表現したいものを、偶像としてしっかりと導いて、届けていくという意味でね。そこに引っ張られることもあれば、うまくコントロールして、人を感動させたりしてきた。でさ、この表の中では、「アイドルブームが収まり、秋元さんグループ&ハロプロとそれ以外で、大きな差が生まれ始める。中堅アイドルの相次ぐ解散」って、オレが挙げたわけなんだけども、いまの偶像性の話と彼女らってカスリもしないじゃない?

ゴリ うん、そうだね。

草野 日本における職業としてのアイドル(idol)が、どうしてもオレには刺さらない部分があるのよね。やっぱりあまりにも特異すぎて、理解はできるけども、心が動かないんだよね。入り込む余地があまりないというか。初期の東京女子流とか、sora tob sakanaとか、Maison book girlとか、ヤなことそっとミュートとか、Passcodeとか、わかりやすく「音楽」で売っていこうとする方々は聴けるんだけども、秋元康さんが手掛けてる坂道の方々はぜんぜん何とも思わないんだよ。


ゴリ おおう・・・・欅坂48は?

草野 まったく。

ノイ村 僕ら4人でアイドルについてどこまで好きか?というのを一旦話しましょうか

草野 僕の場合、ここまで話すとマイナスなくらいだろ・・・?って思われそうだけども、女性声優さんの作品はむっちゃくちゃ好きだし、正味そのなかにはアイドルっぽく活動されているかたもいるし、全然違和感がないんだよね。いまの声優さんをアイドルとか捉えていくとなると、親和性はあるはずなのよ、オレは(笑)

ノイ村 でも、AqoursがAKB48とか乃木坂46とかと一緒に並べられてると、むずかゆくなりますよね。

まっつ それは同感ですね、全然シーンが違うと言っていいですよね。

ノイ村 ぼくは、まず2010年代の最初のころにももいろクローバーZが好きだったんです。もちろんPerfumeも好きだったので、グッズ買ったり、ライブ行ったりしてましたね。他のアイドルも好きなグループが何個かあって、とても好意的に見ていたんですけど、2010年代後半になるにつれて、ちょっと違和感を感じてました。

まっつ 音楽として好きになれるグループが何組かいるんですよ。Negicco、lyrical school、あとはフィロソフィーのダンスも好きですね。でも、3人はぼくのTwitterをみていて知ってるかと思いますが、乃木坂46、欅坂46、日向坂46が好きなんです。曲がどう・・・というより、「乃木坂工事中」「欅って書けない」「日向坂で会いましょう」とかを見ていて、メンバー同士がイチャイチャしているのを見ているっていうのがほんと楽しいんですよ。音楽として好きになれるか?という部分だけじゃない、違った側面から好きになれるというのはありますよ。

草野 あああああああああ・・・・むっちゃ身に覚えがあるわ。オレも女性声優同士でイチャイチャしてるの見てるとすげぇ癒やされる感じがある。声優やアニメ関係のラジオとかイベントを楽しめるのは、間違いなくそれだね

ゴリ それならね、ぜひ「日向坂で会いましょう」を見てみましょうよ(ニヤニヤ

草野 次にゴリさんなんだけども、まず前段階として知っててほしいのは、僕とゴリさんの2人は、音楽大好きクラブでアイドルとアニソンについて対談したことがあったんだってこと。

ノイ村 なんという不毛な・・・まるで日本と韓国の政治対談・・・

まっつ ノイさん!!やめよう!!

ゴリ ははは(笑)でもさ、声優さんがアイドルらしい活動をしているというのは、事実としてはあるわけじゃない?

草野 そうだね、もちろんそれはあるよ。

ゴリ むかし友達に言われたんだけど、「声優さんは、声優という仕事をしながら、アイドルをしている。ということはアイドルだけでは価値がなくなるんじゃないの?」ってむちゃくちゃディスられたことがあるんだよ(笑)

草野 ははは(笑)まぁそう言われるとそうかもね、間違いではないかも

ゴリ でもオレはさ、その意見に対して間違ってないと思ってるんだよ。で、音楽としてアイドルの曲を聴くか?と言われると、そこまでちゃんと追えてないというのはすごくあるんだよ。「アイドル戦国時代」っていつから始まったか分かる?

ノイ村 2010年代の初めくらいですか?

まっつ 2010年でしたっけ?

ゴリ これね、「アイドル戦国時代」が始まったのが2010年5月30日っていう風に決まってるんだよ

草野 え、なんでその日って明確になってるの!?

ゴリ NHKの「MJ」って覚えてる?その時に初めてこの言葉が使われたんだよ。

(この4人話があったのは5月上旬、その直後にナタリーがこのような記事を掲載している。この定義についても同様に記述されている)

ゴリ 草野さんはあの図のなかだと、「中堅アイドルが解散している」という風に書いているけども、ハロプロの中でも解散しているユニットがあるし・・・

草野 ℃-uteとかBerryz工房ね、こぶしファクトリーもね

ゴリ 知っとるやん!(笑)それでいて・・・これはとても言葉選びが難しいところなんだけども・・・やっぱり年齢にともなう個人のライフステージの問題があるんだよね中堅といわれる年齢になると、「将来のこと」「結婚したい、彼氏作りたい」など色々考えたりするんだと思う。ただこれは2010年代前半の風潮というわけで。30歳過ぎても、結婚してもアイドルをされている方って、今はいるじゃんか?

まっつ Negiccoがまず思い浮かびましたけど、ほっとんどいないですよね。

ゴリ 30歳を迎える前に、卒業されたり引退されたりする、それがこれまでのアイドルだったわけじゃないですか。でもいまNegiccoの名前があがりましたけど、ファンから叩かれることなく「いくつになっても、結婚してもアイドルをしても良い!」と風潮が出来つつあると思うんだ。

草野 スフィアだ!!それはスフィアでも同じこと言えるぞ!!

ノイ村 Negiccoですって!(笑)

(3人組アイドルのNegicco、4人組声優ユニットSphereは、メンバーの半数以上が2010年代のうちに結婚している。)

ゴリ あとはでんぱ組.incにも同じことが言えるわけだよね。ただ今でも、結婚どころか、彼氏がいたり、そもそも男と2人で会うことも許されないムードは事実としてあるとだけ付け加えてはおく

ノイ村 職業としてのアイドル、ではなく、芸能としてのアイドルとしての側面が大きくなる部分ですからね。「現場に立ってパフォーマンスをする」という意味では、PerfumeやももいろクローバーZはまさにそのトップランカーだと思いますし、乃木坂や欅坂などは「芸能界のなかでどう振る舞うか」という意味で存在感が強いですよね。

草野 声優さんの音楽が好きで、ずっと10年以上聴いてきて、ライターとしてメディアで書かせてもらうようになって数年経ってハッキリと分かったのは、2010年代ということを抜きにして、「声優は俳優である、つまり声優も芸能であり、芸能人である」ということ。言葉ではもちろん若い頃から理解していたけども、長く付き合うようになって「なるほどな」と思えるようになった。2010年代を通じてみても、「声優さんも、芸能人である」ということが周知された大きな変化だったと思うんだよ。そう捉えるようになったとき、アイドルの方が色んなことにチャレンジするのも、芸の肥やしになるからとか、そういう風に色んなことにチャレンジしているんだな、という風に読みとけるようになった。

まっつ なんかスゴイデカイ話ですね(笑)

草野 オレもそう思う(笑)そこまで至ってやっと、今まで感じていた変なイガイガがスっと消えたのは事実だし、もっというと、そこまで迂回しないと理解が出来なかったということよね(笑)

ノイ村 2010年代の初期の頃って、すっげぇ現場主義な時期がありましたよね?フェスにおける4つ打ちロックとつながるところではあるんですけど、アイドルソングはライブ現場でどれだけ客を沸かすかというのが大きかったと思うんです。

ゴリ あったあった

まっつ ありましたねー!

草野 つまり、ヲタ芸がうてるかどうか?みたいな?

ノイ村 ああーーそういう部分もありですが、要はコールを合わせたりできる、参加できる部分があるか?というところですね。ももいろクローバーZの「バトルアンドロマンス」はその究極的な1枚だったと思いますし、セカンドではそういった要素が消えてしまったのでオタクからはそっぽ向かれてしまうということになるんですけど

ゴリ BABYMETALもそうやんな?

草野 おお!たしかにそうだわ

ノイ村 ベビメタは、そういう曲をずっと続けているユニットですよね。いかにライブ現場を盛り上げられるか?という部分はちゃんと守っている。

まっつ メタラーも唸らせる演奏や様式があって、ヲタ芸も打てて、ウォール・オブ・デスもやれるパートもありますしね。確かにそう

ノイ村 ライブ現場を盛り上げる、という部分だけで評価されているわけじゃないとは思いますけど、2010年代の偉大なメタルバンドのランキングにも彼女らは入ってきますからね。とんでもないですよホントに(笑)

ゴリ SNSの使い方というか、情報の拡散もすごくうまいよね。

ノイ村 メタルとヒップホップは、文脈をうまく取らえて、過去の方々に敬意を表すかでかなり評判が変わるところですけど、BABYMETALは言うことないくらいバッチリじゃないですか

草野 レッチリと写真をとるし、ロブ・ゾンビとも写真取るし、ほかにも色んなメタルゴッドとも写真をとって、コメントもちゃんと頂けてる。ちょっと信じられねぇくらいだよね。しかもロブ・ゾンビはむちゃくちゃリスペクトしてくれてるし。

ノイ村 Dragon ForceとB'zの松本孝弘さんがアルバムに出てくるわけですからね。

ゴリ 反面、アイドルはそういった文脈性が前面に出てこないわけじゃない?欅坂は作ろうとして、破綻しかけているよね

ノイ村 ももいろクローバーZもそうですよね。ヒップホップをやるならMUROさんとやる、メタルをやるなら人間椅子のメンバーを呼んでみる、そういった文脈性にものすごく意識的でしたよね。

草野 そうだね。アイドルがフェスに出るようになったり、ライブハウスにも多く出るようになったことによって色んな功罪があったと思っていて、一部のロックバンドや演奏家の人らには影響はあったと思うんだよね。例えば、バックバンドを組むなら、ちゃんとその道の人らを呼んでみるというのがちゃんと出てきたよね。ファンにとっても、「このアイドルならライブに行っても楽しめるかも」と思って行ってみたりするだろうし、その逆もあり得るわけじゃない?。これは2010年代特有の話だと思うし、それ以前の時代ではそんなこと考えられなかったわけだ。功罪という意味では、功に入る話だと思う

ノイ村 功罪でいう罪の方に入ってしまう話になると、ロキノンジャパンフェスなどの邦楽ロック系ファンと、アイドルオタクのヲタ芸が、実はかなり親和性があって、むちゃくちゃ浸透したよなというのがあります。KEYTALKの「MONSTER DANCE」って代表例だと思うんですけど、どうでしょう?

草野 まぁヲタ芸ではないとは思うけども、規則性に沿って体を動かすというのは間違いなく同じだろうね。

まっつ 現場で見たことがあるので、もうわかりみしかないですね

草野 今回の話の最初(Part1)にしていた、「フェスでウケるウケない」という話にとても近い。というか外から見ると一緒だよね

ノイ村 みんな決まった踊り方、ノリ方、アガリ方、そういうものが求められたのが2010年代前半のフェスでハッキリと見えてきた、可視化した。で、2010年代中盤以降だと、そういったロックバンドや、他のJ-POPアーティスト、そして自分たち以外のアイドルとも戦わなくてはいけなくなり、草野さんがおっしゃるような「中堅アイドルがどんどん解散してしまった」という状況の遠因になった・・・ようにも見えますよね。

草野 アイドルが苦境にたってしまったのって、そこが大きな理由なんだよね。前半にものすごい快進撃を進めた結果、進んだ分だけライバルが増えてしまった。そこまで行った時、選択肢が非常に少なかったんだと思うんだよね。どのように活動をしていくべきか、その進路を取るのが難しすぎた。

まっつ それはとても思いますね。

草野 さっき話したような年齢的な問題もあるし、ハッキリ言ってしまうと、ちょっとでも売上が悪くなってしまえばマネジメントと資金繰りにこまるケースだってあるわけだしさ。それに、女性という立場からすれば。将来にまつわる問題だって出てくる。活躍できる期間の短さがゆえに、矢継ぎ早に、しかも色んな方向性を試すのが難しい。それにさ、これは海外のCNNが番組上で指摘していたけども、ハッキリ言っちゃうと、日本のアイドルカルチャーには性的搾取な部分はものすごく強くあるじゃない?

ゴリ それはそのとおりだと思う

草野 こんなこと言いたくはないけども、日本のポップカルチャーの中心では、40年近くに渡って10歳20歳そこそこの女の子が芸能活動をし続けることが、暗黙の了解としてあったわけじゃない?まぁアメリカやイギリスでも15歳くらいからデビューしてトップシンガーになるという道筋がずっとあるし、Fifth Harmonyとかのガール・グループと同じ年齢だから一概には言えないけどもさ。日本における職業的なアイドルってそういったものは少し毛色が異なっている部分もあると思うのよ。そういった性的搾取をし続けることで、ポップカルチャーが盛り上がってました!っていうのは、仕方がない部分、是としている部分もある、理解はする。でも、それをより焚きつけるような話しにはまったくノレないんだよね。

ノイ村 なるほどです・・・

草野 そうではない見方を、これからドンドン見つけていかないといけないし、結婚しても、30歳を過ぎても、アイドルをし続けても良いんだという観点がファンにも根付いたというのは、本当に大きなことだとオレは思えるのよ

ゴリ 性的搾取の部分があるというのは、間違いなくそうだろうね。しかも、それを逆手にとってエゲつなく売り込むグループもおるしね。草野さんは、それを「気持ち悪い」と受け取る側ってことよね?

草野 うーーん、おおよそそうなんだろうなと思う。女性声優さんはもちろん好きだし、出演作もみるのはもちろんだし、CDが出たら聞いて見るし、なんなら彼女らがやってるラジオだって聴くし、ライブがあったらタイミングによっては行くよ。でも、声優さんが出す写真集は絶対買わないようにしてるんだよね。

まっつ それも気持ち悪さがゆえだったり?

草野 おそらくそうね、性的に見たくない、という部分だろうね。もっというと興味がないともいうけども(笑)

まっつ モデルさんとかAV女優の人は、体を張ることで稼ぐ人だから受け取りやすい部分はあると思うんですよ、だからこそ僕らも受け取れる。で、アイドルの人らも、声優の人らも、基本的には「写真集を出す」という判断をしていて・・・おおよそやってると思うんですよ

ゴリ 「やらされるんじゃなく、やる!」という本人性があるなら、僕らファンは受け取って良いと思うんよ。ルッキズムの話にもなるけど、Abema TVでおぎやはぎの方がやっていた『おぎやはぎの「ブス」テレビ』っていう番組があったんだ。で、まぁ放送直後から「ひどい」「可愛そう」と何度も炎上してたんだ。だけどあれって、公の場ではなく、Abema TVという一応クローズな場所でやっていたわけだ。知っての通り、Abema TVには番組はいくつもあるし、見たくなければ見なくてもいい。でも、引っかかるシーンを括りだして、SNS等で「これはおかしい!」って主張するのは、ちょっとアンフェアだと思ったんだよね。

まっつ クローズな場所で、いくつも選択肢があるのなら、それを見なければ良い、ということですか?

ゴリ そうそうそう。もちろん人前で容姿に対してディスるなんて絶対にしてはいけない。そんなことは常識的に言えば間違いない。でも、ブステレビに出ている人は、番組の趣旨を了解した上で、体を張って出演されている。それって自分自身のルッキズムに向き合って仕事をしていると言っていいと思うんだよ。同じように、好きなアイドルや声優さんが自分に向き合って、やりたいことや出したいものとして写真集が出るなら、買ってもいいとは思うんだよ。行為としては、たしかに性的搾取なのかもしれないけどもさ。

草野 まぁ少なくとも、「やらされている」感じは表立って出ないようになってるしね

ゴリ ただ例えば、俺の友人に写真集を「俺の将来の嫁」とLOVEな視点で見ている人間がいて。そいつのことは好きだけども、その考えはオレには合わないとは思ってて。

草野 いわゆるガチ恋勢?

ゴリ いわゆるね(笑)

草野 オレのツイッターのタイムラインには、まだそういった方がいるからね。アイドルにしても、声優を応援している人にしても、コアに支えてくれる人はそういった「ガチ恋」的な要素を持ってるとは思うよ

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2010年代、アニメとアニソンの話(前編)
邦楽ロックとのハネムーン

ゴリ 話がソレちゃうけども、前から気になっていたんだけどさ、声優さんのファンと、キャラのファンって、つながりとかあるの?

草野 その場合だと、声優のファンと、キャラのファンと、声優もキャラもファンという3者に分かれるのよ。例えば、花澤香菜さんは千石撫子の声をあてているけど、どちらにもファンはいるし、どっちも好きっていう人がいるっていうだけの話。あと、今日日廃れてしまった言葉かもしれないけども、「萌え」っていう言葉。いまでは意味や使い所はなくなっただろうけども、「萌え」に基づいた行動原理や行動様式みたいなのは、未だに残ってはいると思うよ。スマホゲーで好きなキャラを出すために何万も出してガチャするとかね?設定資料集を買い漁ったり?グッズを買いまくったりね?(笑)

まっつ いますねーーそういう方!(笑)

草野 おう!!!!!!!!!オレや!!!!!!!!

(全員大笑い)

草野 まぁでも、こうして自然と・・・まぁ僕がいるからこの4人の話でも自然とそうなるという部分もあるだろうけども、「アニメやアニソンシーンが巨大なシーンとして現れたし、取り上げられるようになった」よね。

まっつ 本当にそうですね・・・音楽を追いかけている身としてもホントそれは感じてますよ

ゴリ アイドルの続きで話すとなると、ラブライブが本当に影響は大きかったと思うよ。

草野 アイドルものという意味では、00年代にアイドルマスターがあったということは見過ごせないよ。10年代に入ったらより影響度を増した作品だろうし。まぁでも突破口はけいおんじゃないかな?

ノイ村 高校で軽音部だったんですけど、影響力は絶大でしたよ。ほとんどの人がけいおんの曲をやるんですよ、しかも1年だけじゃなく、数年に渡って、新しい人が入る度にそういう状態でしたし。

草野 いやそうなるよ!オレも大学の3年とかだったけど、周りのみんなその話ばっかりだったしね

まっつ その3つは僕でも知ってますよ

草野 けいおんが風穴を開いて、ラブライブがテレビに出てドーーンと広めていった、というのが音楽好きな人からみるとわかりやすいよね。

アニメ『けいおん!』が与えた影響とは何だったのか 放送10周年を機に改めて考察 https://realsound.jp/2019/06/post-382423.html
1年ほどまえに、Real Soundさんにてこのような記事を書かせてもらっております。

草野 アニメファンからすれば、その間には化物語とかまどマギがあって、アニメシーンを広げたという意味ではこの4作は本当に外せない。そういう盛り上がりのなかで、じゃあ深夜アニメどんなラインナップよ?となった2010年から2012年のアニメシーンは、いまタイトルを見返してもとんでもないくらいの良作ばかり!っていう

ゴリ ほへーーー!そうなんだ

草野 ここの場で名前をあげるなら、「TIGER & BUNNY」が一番だと思うんだけど、正直当時オレはそこまでまともに追いかけてなかったんだけど、関西に住んでるツイッターの人から「草野さんタイバニみてないんすか!?超やばいっすよ!?しかもユニゾンが主題歌やってるんですよ?」「いやそれは知ってるけどそんなに面白いの?」って言ってたら、あれよあれよと言う間にスゴイことに

ノイ村 ありましたね、ちょっと懐かしいな・・・!

草野 懐かしいどころか、最近次回作の制作が発表されたからね

ゴリ え、そうなんや

草野 この時に主題歌やっていたユニゾンが大ブレイクして、アニメやゲーム作品に田淵さん含めて引っ張りだこになり、日本のロックシーンにおいてもポジションをちゃんと得るというのが、ワンシーンだったりするけどもね。

ノイ村 ユニゾンの場合、そのままアニソンバンドのようになっていく流れも少しだけありましたけど、そういうことはなかったですもんね

草野 おっ!!?FLOWかな!!??

まっつ FLOWーーー!!!!すきーーーー!!!

ゴリ いやぁーFLOWも変わったもんねぇ・・・!

(ガヤガヤガヤガヤ)

ノイ村 もうみんな喋ってるし!! あーもうめちゃくちゃだよ(笑)

草野 アニサマに出てきた彼らが歌っても盛り上がるのは言うまでもないし、アニソンベストのアルバムも出したら買うファンもいるし、アニソンオンリーのライブになったらアニソンファンは行くぞってところまでFLOWは地位を固めたよ

ノイ村 20年やってきたことがいまに生きてますよね。

草野 ちょっと別角度の話しになるけども、邦楽ロックとアニソンは蜜月の日々を過ごしてきたわけだしね。LiSAの初期のライブには、元ART-SCHOOLの宇野さんとか鈴木浩之がいたりするんだよ。その後の彼女がいろいろとエピソードを語ってわかるんだけども、岐阜でロックバンドを組んでいたころに、どうやらcoldrainのRxYxOとSiMのMAHとは会ったことがあるみたいで、その後メジャーデビューしてからもちょくちょくライブを見に行っていたみたいなの。MAHくんはLiSAに曲提供をしているし、LiSAはSiM主催のDEAD POP FESにも出演するし、親和性は言うまでもないわけさ。

まっつ へぇーー!そうなんだ

ゴリ オレはSound Scheduleの大石昌良さんが、いまじゃあんなにしゃべくって、あんな人気者になっているだなんて想像できなかったよ

草野 いまじゃすっかり「オーイシおにいさん」だよ、ほんと、びっくりするよね(笑)ここまで話をすすめるとわかってくるのが、いまのアニソンを歌っている人に「ロキノン系ロックバンドが好きな人が多い」という部分。例えばPoppin'Partyっていうバンドが去年にRIJFに出た時・・・声優さんが楽器演奏しているバンドね、「え、知ってるアーティストしかおらへんやん」ってハッキリとインタビューで答えていたんだよね。そりゃそうだ、世代だもん(笑)

まっつ 物凄くハッキリ言い切りましたね(笑)

草野 加えて、これはハッキリとしたわけではないんだけども・・・・多分なんだけども、いま現在アニソンに関わっているスタッフ陣で40歳や30歳あたりにいらっしゃるかたは、そもそもみんなロキノン系のバンドが好きなんじゃないのかな?と思うんだよ!(笑)きっとスタッフ同士の飲み会か何かで顔を合わせることもあるだろうし、これだけ長いあいだ併走している状態が続いていると、声もかけやすいだろうしね。

ノイ村 明確に影響を受けてるというところもありますよね。

ゴリ 元々バンドとしてデビューしたあと、バンドが解散してしまって、スタジオミュージシャンとして活動されている所に声がかかるというところもあるだろうしね。

草野 そうそう。宇野さんと鈴木さんはまさにそうだと思う。大石さんの名前が上がったけど、個人的にはStereo Fabrication Of Youthの江口亮さんで、School food punishmentのプロデューサーを経て、ボーカルだった内村さんとともにla la larksを結成してる。LiSAや坂本真綾さん、いきものがかりなどにアレンジャーとして参加してる。ちなみに、LiSAの大ヒット曲「紅蓮華」の編曲も江口さんだったりする。

ゴリ The ARROWSの坂井さんがアニソン関係で作曲してるのを見たことあるな。

草野 そうそうそう。鈴木このみさんの曲で名前をみて、「え!?」って思ったよ(笑)最近ご結婚された小松さんのバックバンドには、さっき名前が上がった鈴木さんと、元serial TV dramaの新井弘毅さんだからね。

ゴリ ほんと名前が出てくるね

草野 アニソンシーンとロックシーンの蜜月はずっと続いてて、それが実を結んでる部分はあるよね。

ノイ村 ソニーのキューンレコードを中心にした流れではありますよね。実は自分が初めて買ったCDって、鋼の錬金術師のコンピレーションアルバムなんですよ。

まっつ え!?そうなんですか!!?一緒ですよ!!イエーイ!

ノイ村 まっつさんもなんですか(笑)

ゴリ 世間狭いなぁ!

草野 「鋼の錬金術師 COMPLETE BEST」だね。アニメ主題歌集でオリコン史上初めてトップを取ったアルバムだよ。オレはその後にでた「Anime×Music Collaboration 39 '02-'07」はゲットしてたな。

ノイ村 あれでアジカンやポルノを聴くようになったんですよ。

まっつ 僕もですよ。アルバムを聴いたり、歌番組出たら気になって見たりしました。

草野 これをもしも関係者さんが見てたら嬉しいだろうね・・・(笑)こういう方がまさにいるから、影響度はドデカイはずなんだよね。BLUE ENCOUNTやKANA-BOOMやTHE ORAL CIGARETTESは、アニメやゲームのタイアップはいくつもこなしてるしさ。

まっつ NARUTOでアジカンが出ていて、BORUTOでKANA-BOONに出てるって、エモいですよね

草野 エモいよね・・・・ほんとね・・・

ノイ村 アニソンから受けてきた影響がロックシーンにも広く伝わっていったという部分は、本当に見過ごせないですし、逆もしかりですよね。というかもはやベーシックにすらなっているわけで。

草野 細かくは言わないけど、早いBPM、ボーカルとシンセが高音によったサウンド、ガチャガチャと組み合わさった音の重なり合い、でもスッキリと聞こえるアンサンブルに、曲の構成に定番なところと意外性をもたせるという部分ね。何いってんだ?良くわかんないな?っていうひとは、DIALOGUE+っていうユニットの「はじめてのかくめい!」っていう曲を聴いてください。ユニゾンの田淵さんが作詞作曲と全面プロデュースしていて、メンバーは全員声優さんのグループ、でも電波ソングとポストロックーマスロック的なオルタナティヴロック本流の2つがガッツリとつながってる曲になってる。こういう曲調がアニソン・ロック・アイドルのどのシーンからでも登場しても「おかしくない」というのが、すでに「かくめいてき」っていう話です。(むっちゃ早口)

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2日間に渡ってしまった4人話、前編・・・初日編の内容は以上となります。

・・・まだ半分です。つまりあと3つあります!!!!!

後半戦、Part4はこちらです。


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