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3月16日(火)

先端事業者候補として、鎌倉市スーパーシティ構想にかける想い

「ここ、お化けでますか?」 2018年、東京から鎌倉への引っ越しを宣言し、北鎌倉の 新 オフィスを初めてメンバーに ”お披露目”した時、ベトナム出身のエンジニアが初めて口にした言葉でした。

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当時のSyno Japanの北鎌倉古民家オフィス


築60年の古民家。風情、趣、わびさび、窓の向こうで微笑むは大船観音。急激に成長を遂げるベトナムハノイ出身のエンジニアに、すぐにその良さを理解してもらえるとは思っていませんでした。 しかし鎌倉古民家に拒絶反応を示したのは、彼一人だけではありませんでした。当時のメンバーがほぼ全て、表参道のお洒落なマンションの一室から鎌倉、しかも古民家に移転することを理解することができなかったようです。「だって鎌倉は・・・・素晴らしい場所やから。」という開き直る、鎌倉の近くに住んでいる社長から言われても何も説得力がないよ。と訴えかけるような皆の表情が今でも忘れられません。


あれから、約3年の月日が経ちました。 鎌倉市のウェブサイトで 鎌倉市スーパーシティ構想に係る連携事業者公募のお知らせという記事を目にしました。鎌倉市が抱える課題を解決し、「市民のみならず観光客をはじめ鎌倉に関わる全ての人にとって高いwell-beingを実現する持続可能な共生社会の実現」を目的とする、データやテクノロジーを利活用したスマートシティを共創する事業者候補を募集していたのです。 鎌倉市は、混雑やマナー違反、そして最近ではコロナの感染リスクを伴うオーバーツーリズムという課題を抱える観光都市のひとつです。この問題を解決し、国内外の観光客の満足度だけではなく、彼らを迎える市民の満足度を両立するためには、両者の満足度を上げる施策を行い、その効果を可視化・共有していく必要があります。


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Synoが解決できる鎌倉市の課題と理想(事前の公開資料より当社がまとめたもの)


そこで今回、先端事業者候補として当社が提案したのが「鎌倉VOCアンケートプラットフォーム」です。観光客(インバウンドを含む)や市民(在留外国人を含む)といった、鎌倉に関わる人全てを鎌倉の「顧客」と定義し、鎌倉を支えるグローバル顧客の声(VOC)の 収集①から、 既存データとの連携、 一元管理、 レポ ティング、 活用までのプロセスを効率②③④ ―⑤化し、鎌倉市が抱える現在の課題を解決し、VOCに基づいた施策を実現するための鎌倉独自のデータプラットフォームをデザイン思考に基づき構築します。

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デザイン思考に基づくVOCプラットフォーム構築ステップ


北欧発のITスタートアップが、東京から鎌倉に引っ越した理由。それは、この「鎌倉市スーパーシティ構想に係る連携事業者」になって、鎌倉に貢献するためでした。。。とは、決して言えませんが、少なくとも本件の提案に不可欠となる、鎌倉市の現状に対する「理解と共感」というデザイン思考の最初のステップは、現在の地元人材中心の鎌倉ITスタートアップだからこその優位性・独自性を発揮できたと思います。 鎌倉市のスーパーシティ構想参画への貴重な機会を頂けた鎌倉市に対して、本当に感謝の想いで一杯です。グローバルVOCプラットフォームを構築する地元企業としてこれまでの実績とノウハウ、そしてなによりも鎌倉愛を武器に、2030年の「VOC先進観光都市:鎌倉」に貢献するためチーム一同気合十分で頑張ります。 鎌倉への引っ越しが正しかったのか?経営者として社員全員が満足できる一つの答えを、まだ見つけることができません。 ただ一つ言えるのは、鎌倉に拠点を置くSyno Japanという会社の中で、それぞれが自分の答えを見つけることができるきっかけは、積極的に作っていきたいなと思います。そして、鎌倉や、地元企業や顧客とダイレクトに関わることができるこのプロジェクトで、私自身も新たな答えを見つけることができることを楽しみにしています。「お化け?でるよ。鎌倉だし。スーパーシティだけどね。」 そんなことを、今も変わらず頑張っているベトナム出身エンジニアが胸を張って言える日が来るまで、頑張ろうと思います。


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昨年古民家オフィスから引っ越したので、少なくともお化けにおびえる必要はなくなったと思っているであろう、エンジニアの後ろ姿(鎌倉はそこまで甘くない)

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