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新入社員を半年ちょっとで異動させてしまった話

今でも思い出すと少し胸が苦しくなる話です。
私がマネージャーとして事業所を運営していた時のことです。

新入社員として1名の女性社員が入ってきました。
熱意があり、人間的にもとても良い人材だったと今でも思います。

営業として配属されたため、電話の仕方、訪問準備の仕方、営業記録の残し方など、まずは細かくティーチングしていきました。

アポの時間間違えや打刻忘れなどもありましたが、新入社員は最初はうまく業務を回せなくて当たり前。慣れれば大丈夫だろうと思い、深く気にせず、都度フィードバックをしながら指導をしていました。

しかし、半年ほど時間が経つと、事態は良くない方向に向かいます。

アポの時間間違え、打刻忘れなどのケアレスミスが直りません。また、報告された内容と顧客の言ってる内容が違う、やったと聞いていた業務がやっていなかった、など深刻なミスも増えてきました。

ケアレスミスについては、再発防止策を二人で考えて実行しましたが、それでもミスを起こしてしまいます。

状況を観察すると、彼女は複数の仕事を進行するのがとても苦手であることがわかりました。一つの作業かつ、単純作業のスピードは普通の人よりも早いのですが、複数作業のことになると抜け漏れが発生します。

当時の営業の仕事内容は、顧客への電話営業、訪問営業、交渉経緯の入力、受注後の処理、請求対応、社内部署との調整、社外パートナーとの調整や交渉など多岐にわたっており、優先順位をつけながら複数の案件をこなしていく必要がありました。

失敗を重ねてしまっている本人も、精神的に疲労がたまってしまい、さらにミスが重なるという状況になってしまいました。

結果として、状況を私の上長に相談したところ、社内対応がメインの別の部署に異動をしてもらうという判断になりました。入って1年弱の新入社員を育てることが出来ず、異動させてしまうということに当時の自分はとても凹みました。

その後、彼女は別の部署でちゃんと業務をこなしていて、結果的に異動をしてよかったという結果になりました。

この出来事から、人には得意不得意が存在する、自分の主観だけで考えない、など多くの学びがありました。

しかし、なによりこの経験をしてよかったと思うのが、今の自分が当時に戻ったらどうやっていたか、を今でも考えながら仕事が出来ていることです。

今なら、もっと違った指導方法を行ってたと思いますし、その結果異動をしたほうが良い場合でも彼女にとってもっと良いタイミング、良い進め方で出来たと思います。

人材育成は難しく、絶対の正解はありません。

特に自分だけではなく人を育成しないといけない立場の人は、学び続ける姿勢と経験を重ねることが大事になるのだと、私は思います。