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ハラスメント気味の社員に対する、改善提案の事例

先日、ある経営者さんからハラスメントについて相談を受けました。

社内のベテラン社員は非常に優秀だが、部下、後輩への接し方がハラスメント気味になってしまっている。直接、面談で話はしてみたが、本人は全く自覚がなく悪いことだと思っていない、という状況とのことでした。

それに対して私が提案した内容は次のようなもの。前提として、社員教育を基本的に内製でやられているので、それを尊重した形の提案になっています。

以下、ほぼ送ったままの文章。

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・ハラスメントによるリスク(個人でも賠償の可能性があるなど)を事例など含めて知識として知ってもらう
・個人に直接伝えても素直に受け止めてもらえないので、集合研修や勉強会などの場でみんなに言っている体で伝えて自分で気づいてもらう
が良くやる手法です。

特に4月からパワハラ防止法の義務化が中小企業でも始まるので、それを理由に勉強会をやるという体裁をとるとやりやすいのではと思います。

その社員さんが原因でやるわけではなく、あくまで法律の兼ね合いで我々全員が勉強する必要がある、とすると自然に学びの機会を与えられるかと思います。

その勉強会の中で、事例やグレーゾーンのチェックシートなどを用いて、「あれ?俺ってもしかして危ないのか?」と自分で気づいてもらうように仕向けるのが良いと思います。

第三者の講師から伝えてもらうと、なおのこと伝わりやすくなりますがこの辺は費用と相談して決めていただくのが良いかと思います。

その他には、年代の違いや、これまでの成功体験、失敗体験からくる価値観のズレがハラスメントの原因になることも多いので、 パワハラを受ける側、パワハラ気味な社員側もみんなで対話できる場をつくるという手もあります。

これはゲーム型の研修などを行って、自然と対話が出来るように設計することが多いです。 ただし、パワハラ気味、ではなく完全にパワハラの状態でもうまともにコミュニケーションをとれない、という場合は場自体が成り立たない可能性もあるので、注意が必要です。
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その後、この経営者さんはほぼそのまま実行いただいたようで、該当社員さんも、気を付けないといけないという自覚をもてた様子だったとのことでした。

人材教育をするときは、その伝え方が非常に重要です。正しいことを言っても、相手のためになることを言っても、それを相手が受け入れなければ意味がありません。

どう伝えるか、を良く考えて人材教育に取り組んでいきましょう。