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お店の名前を『granne308』にした想い

最近、松本隆さんにハマりすぎていて
色々聴いていますが、中でもはっぴいえんどの
「風をあつめて」はほぼ毎日リピートして聴いています。

今日も「風をあつめて」を聴きながら
書くことにしましょう。
(すごく気分が良くなります笑)

さてさて、本題へ。
私は2020年まで地元を離れ上京していました。
上京時、とてもお世話になっていた写真家
延明(えんめい)さんという方がいます。

10年以上前に出会い、仕事のこと人生のこと
とにかく赤裸々にさらけ出していた私を温かく、
優しく受け入れてくれた大好きな方。

延明さんは2018年の秋、持病と懸命に戦いながら
一足先に天国へと旅立ちました。
(そちらで元気に過ごしていますか?)

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写真が大好きで無邪気に話す姿が今でも頭から離れません。
延明さんは東京:高田馬場に事務所を構えていて

その部屋番号が「307」でした。

「サンマルナナ」と呼び
「今日はサンマルナナ集合ね」
なんて言いながら気軽に集まって
デザインの仕事をしたり映画を観たり
仲間と飲みながら広告や写真について話したり。
私は仕事が間に合わず、寝泊まりしたこともあるほどです。
(あの時は本当に本当にありがとう延明さん)

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懐かしい約10年前の写真、307にて。

延明さんは白いTシャツの方で
かわちゃん(キャップ)と寧子(ロングヘア)は
大人になってから出会った大切な人。
※喧嘩もたくさんしましたね。

そしてお気づきでしょうか。
私のピースがださめです。笑

307はひっそりした場所にあり
ノスタルジックな外観と
階段をヒーヒー言いながら登った先には
蹴ったらすぐ開きそうなくらい
年季の入ったドアが見えます。笑

私はその雰囲気がたまらなく好きで
秘密基地に行くみたいに興奮していました。
ドアを開けた先に広がる空間は
これまた私にとってすごく心地よかった。

作業スペースの他に
延明さんが趣味で集めていた写真集
(約800冊)が
ずらりと並んでいて
図書館のようなギャラリーの
ような感じもたまらなかったです。

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延明さんが旅立ち、思い出とともに
307に残された素敵な写真集たち。
その写真集を私の実家(三重県)でしばらく
預かることに。それがgranne 308を始める
きっかけとなりました。

生前、写真集をみんなでシェアできるように
リスト化したいと言っていたので、
まずはリスト化しよう!とPCと向き合いました。

一冊一冊見ていくうちに
本当に写真が好きだったんだなぁ
そこに延明さんがいたんだなぁと息遣いを感じて
何度も泣きました。

おかげでリスト化作業が進まない、進まない。笑
約1年かかりました。

そしてここで思います。
写真集をこのままにせず、多くの方に見ていただきたい。
私が心の拠り所として活用していた307のように
誰かにとって必要な場所を作りたい。

そして何やかんやで
(この辺りはまたゆっくりと綴ります)
地元でお店を始める決意をしました。

granne308(グランネサンマルハチ)の
308は、307の隣の部屋、308号室という
設定にしてお店の名前に入れることにしました。
granneはスウェーデン語で隣人、お隣さん。

おとなりの308号室。

といった感じでしょうか!

いつでもあなたの隣にいます。
気軽に来てね。


延明さんが気軽に迎え入れてくれたように
308も誰かにとっての「おとなりさん」
ふらり来たいと思ってもらえる場所に
なることを願います。

さて、ここまで書きましたが
その間「風をあつめて」を
何回リピートしたでしょうか。
もう耳に焼き付いています。笑

2009年に公開された映画
『おと な り』の挿入歌
だったことで知った曲。
当時もめちゃくちゃ聴いていましたが
何年経っても色褪せない言葉の表現が
すごく好みで情景が浮かんでくるのも
胸が熱くなります。

『おと な り』の作品もすごく好きで
(特にエンドロール)
舞台になったアパートを
聖地巡礼するほどでした。笑
当時のポスターデザインも好みです。

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今思うと、10年以上前から
「おとなりさん」というものに
何か思いを馳せて、意識していたの
かもしれません。

そんな気持ちもまた、まとめたいものです。
最後まで読んでいただき
ありがとうございます!

※メイン写真は延明さんが持っていたカメラの一部です。

granne308がみなさんにとって『何か感じる』場所になれたら嬉しいです。