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そして七夕は忘れられない日に

知らぬ間に6月が過ぎ、7月になっていた。

今日は七夕ですが、ちょうど去年の七夕に祖母が亡くなった。

なので今日は祖母の命日。七夕に亡くなるなんてかっこいいなあと改めて思う。


去年の七夕は仕事が休みで、天気がぐずついていて家にいた。

父親から連絡がきたときはベランダの窓越しから、床でゴロゴロしながらどんよりした空を見ていた。というより半分眠りかけていた。「おばあちゃんがもうあぶないかもしれないけどお前くるか?これるか?」


祖母は祖父を亡くしてから数年一人暮らしだった。大変だあ、大変だあと言いながらも、きちんと料理を作って、いろんなお稽古事をしながら活動的で本当にすごかった。私が一人暮らしを始めてからは、一人暮らしの先輩として食材の使い切り方や保存方法など教えてもらった。

小さい頃はどちらかというとおじいちゃん子だったので、祖母の印象はあまりないのだけれど、祖父が亡くなってからは、一緒に美味しいものを食べに行ったり、ウクレレを習ったり沢山の時間を過ごした。だからこそ祖母の最期は見届けたかった。

電車に乗って病院に向かっていたけれど、なんとなく間に合いそうにもないな…と心のどこかに思っていた。暗い曇天の空としんしんと降る雨がさらに私の気持ちを悲しくさせた。ああ、数日前までは元気だったのに。最後に会ったのはいつだっけ、心臓の手術で入院をしていて見舞った時だ。アイスが食べたいからと言われてスーパーカップを買って美味しい美味しいと言っていた、だけどもっといいアイスを買えばよかったな…ごめんねおばあちゃん

病院に着いて、母親が出迎えにきてくれたけどやはり間に合わなかった。


祖母が眠っている姿を見て涙が出た。でも同時におじいちゃんにやっと会えてよかったね、と思い暖かい気持ちにもなった。


そんなわけで七夕は特別な日になった。毎年天気が悪くて、織姫と彦星は出会えているのかわからないけれど、私の祖母と祖父がもう一度出会えた日だ。二人で楽しくしているといいな。




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