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グランマの心に残る旅 アルザス編

 雑誌で特集されていたアルザス地方の記事を見た娘と私は、次の旅行先をアルザスに決めました。フランスの北東部にあるアルザス地方はこれまで何世紀にもわたり、ドイツとフランスが代わる代わる統治していたので、独特の街並みや文化が残っているとのこと。そして、山と川に囲まれたこの地方には美しい村が点在していると知って、行かないわけにはいきません。早速計画を立て出かけました。

 まずはアルザス地方の中心地ストラスブールへ。パリでの乗り換えもスムーズにいったのですが、空港から市内へのバスで一波乱。途中トラムの駅近くで、バスが突然停車。訳が分からず困っていたら、英語を話す1人旅の男性が「どうやら、ここからはトラムに乗り換えて行くようです。」と教えてくれました。ストラスブールの駅で降車し、予約したホテルを探すことに。小さなホテルはなかなか見つからず、やっとの思いでチェックインしたのは夜の9時過ぎ。シャワーを浴びベッドにもぐり込んだのですが、通りのにぎやかな声に眠れない一夜を明かしました。

 翌日は、食堂が開くのを待って朝食を済ませ、外に出ました。先ずは、この日の移動先コルマールまでの切符購入と時刻確認のために駅へ。その後、心地よい風が吹く中を、花で飾られたライン川の支流イル川に沿って歩きました。旧市街はドイツ風の木組みの家が並び、家々の窓辺には真っ赤なゼラニウムの花が飾られ、まるで絵本の中にいるような美しさでした。中心にそびえるノ-トルダム大聖堂はゴシック芸術を代表する傑作の一つといれています。そのスケールや美しさ、そして荘厳さに圧倒された2人は、しばしマロニエの木陰で感慨にふけりました。日程上、ゆっくり見学できなかつたのが、今でも心残りです。聖堂前のお土産屋さんで、魔女の人形と絵葉書を購入。こうして充実した朝の散歩を終え、列車でコルマールへ向かいました。

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