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4時就寝14時出社だった私が朝活を始めるまで【概日リズム睡眠障害】



はじめに

このnoteは、睡眠障害で悩む誰かの解決のヒントになればと思い作成したものです。
私の経験した睡眠障害はかなり根深く、一朝一夕で治るものでは決してありませんでした。
複雑な要因が絡まり合うと、結果的に何がきっかけで治ったのかも分かりにくいです。

私は専門家でもなければ医者でもございません。
ただの私個人の体験談であり、驚くべき解決方法が載っているわけでもないかと思いますが、何か得られるものがあれば幸いです。

また、拙い文章かと存じます。
どうか温かい目で見ていただけるととても嬉しいです。

結論から先にお話すると、私が睡眠障害を治すために使った主な方法は

⑴一旦休職し、生活習慣の改善に集中する。
⑵精神神経科にかかり、精神面も一緒にケアをする。
(※精神療法をメインに、サブで薬物療法としてメラトニン受容体作動薬【ロゼレム】を使用)
⑶とにかく自分のことを理解する。


この3つでした。


ここからは、私の実体験をお話していきます。

概日リズム睡眠障害とは

みなさんは、概日リズム睡眠障害をご存知でしょうか。

ざっくり説明すると、
体内時計のズレが原因で、夜は眠れず朝は起きれず、昼間も眠くて夕方からようやく元気になる。そんな睡眠障害です。

実際に私は2018年頃、当時通っていた勤務先にほぼ毎日1時間以上の遅刻、悪い時は14時出社で4時間後には帰る…そんな日々を繰り返していました。

当たり前のことですが、日本は時間に厳しく、多くの人が遅刻を許してはくれません。
私自身も遅刻をしたくてしていたわけではなかったので、遅れて勤務先に顔を出すのも本当に辛かったですし、遅れる連絡をすることさえも苦しく、どうしても遅刻の連絡が難しい時は仮病を使って終日休みにしてしまうこともよくありました。

なんとか出社できたとしても、そのようにして日中抱えた罪悪感というのは、夜の行動にも支障をきたします。


強迫観念

仕事から帰宅すると、通常、残業がなければ19時や20時頃になると思いますが、この時間からが当時の私にとっては絶好調になる時間だったのです。

日中に受けたストレスを全て発散したいがために、毎晩深夜3時頃まで趣味に没頭していました。
この夜の時間にも浮き沈みが激しい時期があり、元気にゲームに没頭している日もあれば、逆に何も手がつかず、お風呂に入るのも面倒になっていた時期もありました。
ここまでくると、ほぼ鬱の状態ですよね。

文章だけで見ると、ただただ自分に甘く、趣味を楽しんでいたように思えるかもしれませんが、そうではありません。

こうやって遊んでいる私の脳内には常に、
「今日という日を100%満足した状態で終わらせなければならない。」という強迫観念がありました。

これが非常に厄介で、いつも私の睡眠の邪魔をしていたのです。
元々完璧主義者の傾向があったのも影響をしていたと思います。

今の私なら、「今日は遅いから明日やろう!」前向きな後回しができるのですが、当時の私には不可能に近い考え方でした。

しかも、なんとか0時頃に切り上げて横になったとしても、全く眠れないのです。

そして次第に自暴自棄になり、「どうでもいい。」「眠くないなら寝るべきではないんだ。」とまで考えるようになってしまいました。

睡眠時間の変遷

元々、非常に眠りが深いタイプであると家族には言われていました。
幼い頃は震度3程度では眠っていてもピクリとも動かず、母には「死んだように眠ってる時があるから心配になる。」とまで言われたことがあります。

明確に睡眠時間が減ったことを自覚したのは、小学校3年生の時でした。
その原因は2つあったと思っています。

1つ目は、ゲームにのめり込んでしまったこと。
2つ目は、家庭環境です。

ゲームについては、私は今でもゲーム好きな人間ですし、ゲームからしか得られなかった感動や友人がいますので、ゲームなんかやるなと言いたいわけではありません。
複合的な要因として、2つ目に挙げた家庭環境があったと思っています。

当時の我が家は、事情で家に私1人になることが週に2日程ありました。
そうなると幼い私は当然、寂しさを感じていました。

そんな私を想って父が契約してくれた某アニメ専門チャンネルもありました。
これは本当に有難かったですし、私がアニメにハマったきっかけもここにあります。
たぶんゲーム機を買ってくれたのも、同じ理由だったんだと思います。

そしてもうひとつ。
私の母は…あまりこういう表現をしたくはありませんが、当時はとてもヒステリックな人でした。
母のためにしっかり補足させていただくと、今は全くその傾向はなくとても安定していますし、もっと言うと病気ではないんです。

当時から「病気じゃないんだよ。」と母に何度も言われて育ってきたので、そこまで疑ったりはしませんでしたが、それでも母と私の1対1の状態になることがあまり好きではなく、逃げるように部屋に籠ってゲームをしていた記憶があります。
場合によってはスタンドライトを持って和室の押入れに籠り、薄暗闇の中でゲームをしていたこともありました。

ありとあらゆるお医者様にかかっていた母ですが、何十年と経った今でも、その個性・気質の正体が分からないそうです。
強迫性障害と言われたこともあるそうですが、その他、今までに言われてきたどれにも当てはまらないと言っていました。


さて、少し話が逸れましたが、そんなこんなで歯止めが効かなくなり、小学6年生の頃には既に23時もしくは0時就寝になってしまっていました。
ゲームは当然、PCも利用制限がかけられ、非常に苦しい思いをしました。
ここで無理矢理にでも止めてくれなかったらと思うと、少し恐ろしくもあります。
完全なゲーム依存症でした。

そして、中学生になってからのことです。
睡眠時間は結局改善できず、次に起こり始めたのは、朝起きられない。でした。

小学生の時は寝坊で遅刻した記憶がほぼ無いのですが、中学生になってからは明らかに増えました。
ただ、勉強が追いつかなくなるほどではなく、大好きな部活動の朝練もあったので、そこへの思いの強さで起きられていたなと思います。

高校生になっても、それは続きました。
頻度は中学生の時とさほど変わらなかったと思いますが、月に1回は授業中の教室の後ろの扉から静かに入っていた気がします。
毎日遅刻することなく登校し続けるみんなが羨ましいなと思っていました。

そこから色々省略して、就職した1社目。
ここが本当に私に合わなかった。

いわゆるSESと呼ばれる契約形態で、常駐先でIT事務的なことをするお仕事なのですが、毎日同じような作業の繰り返しで成長を感じることができず、周りの人との繋がりも持ちづらいため、孤独で本当につまらなかったんです。
そして、この会社を通じて選んだ2つ目の常駐先。ここを選んでしまったことを非常に後悔してました。
というのも、まず通勤時間が2時間弱という長距離移動。
契約を結ぶ前に契約元の会社の人に訊かれたんです。
「遠いと思うけど大丈夫?」って。

この時、自分の中では(さすがに遠いかも…)という気持ちはあったのですが、(ちょっと頑張ればいけるだろう)と、楽観的に考えてしまったんです。

いいですか。
そう思って頑張れるのは最初だけです…!!
ほんっっとに。

自分の心を無視してしまった結果でした。
ちょっと無理かも…と少しでも思うのなら、最初は大丈夫でも、絶対に途中で苦しくなります。
そう思うならすぐにNOと言いましょう。
第一に自分のためです。自分を守るために少しでも違和感を感じたら断りましょう…!
他に選択肢は必ずあります。

そうして無理に入った常駐先は、
自分には合わなくてつまらない仕事、毎日遠すぎる通勤、職場には気を許せる人は1人もおらず、そもそも女性が0人。

気づけば気を病んでしまい、何もかも億劫で、タイトル通りの4時就寝14時出社になってしまいました。

常駐先の上司は責任のある立場なので、私にどのような事情があろうが私を激しく軽蔑しました。
というか、そもそも私はその上司に自分のことは何も話しませんでした。あまり得意なタイプの人ではなかったので、距離を縮めたくなかったんです。

自分に自信も無くなっていましたし、叱られて当然だと思っていたので日々それを受け止めていました。
しかし、そんな状況ずっと耐えられるはずもなく、この常駐先からは引き上げさせてもらい、程なくして契約元であった会社も辞めました。

素晴らしい精神科医との出会い

本当に自分はただのゲーム依存症で、怠惰で、甘えて生きているだけなんだと、社会人として当たり前とされている事ができない自分が心底嫌で堪りませんでした。

そんな私に丁寧に向き合って下さった、精神科医の方がいらっしゃいました。

実は、1社目を退職してからすぐに、某大学病院のメンタルクリニックに通い始めていました。
そこは母が信頼している病院の1つでした。
2019年5月のことです。

その後10月には、大学病院にて紹介状を書いていただき、他の病院へ移りました。
そこで私を担当してくださったのが、私を回復へと導いて下さった"N先生"です。

この時、意図せずとも良かったなと思っていることがあります。
それは、N先生の元に母と私の2人で通い始めたことです。

ここまで読んでくださっている方の中で、心理学に多少なりとも触れている方であれば、生活習慣を根本的に治すにあたって私のどこをケアすれば良いか、何となくわかると思います。
それは何かというと、

私自身を知ること、そして、母との関係性の解決です。

私の人生の中で、トラウマと呼べる出来事が小学校3年生の時、母との間で発生していました。
関係を解決できた今でも、その話を思い出したり、誰かに話そうとすると勝手に涙が溢れてくるほどのものです。
今こうして書いている私も、湧き上がってくる涙を零さないようにとコントロールしています。

幸い暴行に発展することは一度もありませんでしたが、それでも「あんたなんか産まなければ良かった。」と言われたことはありました。
本当に悲しかったですが、平常時の行動や気遣いには愛を感じていたのでなんとか耐えていました。

お母さんは病気だから仕方ないんだ。
私がガマンしていれば、きっと大丈夫になる。
私が世界で一番優しい人になろう。

怒鳴る母の声を扉越しに聞きながら、部屋の隅で膝を抱え、自分に誓ったのをよく覚えています。

そんな過去を10年以上何となくなままにして、引きずっていたのです。
私から母に会話を切り出すのも、私の方が素直になれず、なんとか日々の感謝を伝えようとしても、すぐ私が号泣してしまってまともに言えませんでした。
そんな状態だったので、こうやってN先生を第三者に据え、互いに思いを打ち明ける時間に非常に助けられました。

それからN先生には、私が睡眠障害を克服する2021年3月までの約1年半の間お世話になりました。
母と一緒に行くこともありましたし、私単独で通うことも多かったです。


ちなみに、生まれて初めてのロールシャッハテストもここで受けました。

このテストは本当に面白く、N先生の私に対する洞察も非常に的確で驚きました。

せっかくなので、当時の私と今の私への変化を見てみるという意味でも、公開してみようと思います。

ロールシャッハテスト結果

本当に面白いくらいに私のことが書いてあるんですよね笑
この頃ほどではありませんが、特に「他者の言動の裏の意図」とか、どんどん悪い方向に考えてしまって抜け出せなくなることがあります。

嫌われることを強く恐れるのは本当に変わらないですね笑
よく考えるのは「お仕事忙しそうなのに、私が誘ったらせっかくのお休みを私との予定で潰してしまうことになりそう。」とか笑
だから、気にせず積極的に誘ってくれる人の存在が有難いなと思いますね。

④の他者への相談については、これはもうとっくに今の私は実行できてるなぁと感じる部分ですね!
相談に乗ってくれる友人には、感謝してもしきれません。


再発

さて、N先生の元へ通い出してからしばらくして、なんとか0時就寝程度まで戻すことができたものの、今度は社会から逸脱しているという感覚に苦しむようになっていました。
だからこそ「正社員」でありたいと、その安心感を求めていたこともあって、自分に合う会社を探し、再就職することを決めました。
そして運良く巡り会えた会社が2社目となる今の会社です。
有難く内定を頂き、就職することができました。

社会の歯車になれたという安心感に加え、母との関係に悩むことも少なくなって、しばらくは順調に生活していました。
しかし、新しい会社という慣れない環境、そして2020年といえば世界的なパンデミックの只中ということもあり、ストレスでゲーム時間も必然的に増えてしまった私は、再び睡眠と遅刻に悩まされてしまいました。

2020年の末、私は会社とN先生のご協力の下、3ヶ月間の休職期間に入りました。
自分で自分をコントロールできない情けなさに毎日押し潰されそうでしたが、こうなってしまった以上はしっかり休んで治さなくてはという思いはありました。

その思いをN先生に打ち明けたところ、先生から新しい提案を受けました。

それは、薬物療法の提案でした。

睡眠薬と聞くと、私もそうでしたが怖いというイメージがありますよね。
飲んだら速攻寝てしまう、無理矢理寝るための薬というネガティブな印象が強く、最初は少し身構えていました。

しかし、睡眠薬も様々なようで、今回提案されたのはロゼレムというメラトニン受容体作動薬でした。

このお薬の良いところは、身体に元々備わっている睡眠ホルモン「メラトニン」の受容体に作用し、自然に近い形で入眠へと誘導できる点です。

1回目の服用時は、正直初めてのことで怖くて堪らなかったのですが、突然意識が無くなるなんてことはなく、そのまま横になって約10分後にはいつの間にか眠れていました。
効果にはもちろん個人差があると思います。
私は1回目の服用時、確かに眠ることはできましたが、血の気が引くような、意識を闇底に引っ張られている感覚があって正直死ぬのかと思いました。

そうした体験もあって毎日飲むことはできませんでしたが、飲んだ日の夜は横になっても眠れないということはありませんでした。

そして、休職期間の3ヶ月間が終わろうとする時、思い切って復帰するか悩んでいました。
再び生活リズムを取り戻していましたし、さすがに会社に迷惑をかけたくないという思いからも、これ以上休むのは気が引けていました。
ただ、ここで復帰したとして、また同じことの繰り返しになるのではないかという不安は拭い切れていませんでした。

そんな自分の気持ちをN先生に話したら、突然「じゃあ、行ってみたら?」と言うのです。
「行ってみて、またダメだったらその時一緒に考えましょう。とりあえず行ってみれば、案外上手くいくかもしれないですよ。」

意外な提案に面食らって「えっ。」と言ってしまった記憶があります。
てっきり、「まだ不安に思うならもう少し休んだ方が良いかもしれませんね。」なんて言われると思っていたのです。

きっと、思い悩みつつも前向きな姿勢を示すようになった私の様子を見て、良いタイミングであると思ってくれたのだと思います。
だからこそ、そう言われた私は驚きつつも「確かに。」と納得できたんだと思います。

よく思い出してみれば、この頃には母との間について問題があるか訊かれても、睡眠について訊かれても「いえ、特に問題はないです。」と結構ハッキリ答えられていたんですよね。

こうして先生に背中を押された私は意を決し、翌月の頭から今の会社に復帰しました。


安定へ

会社に戻った私を、関わりのあった皆さんはとても心配して迎えて下さいました。
社内で仲の良い人というのは、年齢差や"仕事は仕事"と割り切って考える私自身のポリシーのこともあって当時はいなかったのですが、それでも心配してもらえていたんだなぁと感じて少し嬉しかったです。

ある上司の方は、優しくも厳しい正にお母さんタイプの方だったり、またある人は規律に厳しく、何事にもハッキリ言うタイプの人だったりするのですが、そういう物事に対して正面から言える人を私はとても尊敬していますし、昔からそういう人たちに助けられてるなと思います。

私は他人に指摘するのが苦手です。
嫌な思いをさせてしまうのではないかと、相手の気持ちを考えすぎて言えないことが多いので余計にそう感じるのだと思います。
逆を言えば、言葉選びには常に慎重になれるので、素直に言える間柄であれば強みになることだとは思っています。

周りの方々のサポートと、久しぶりに向き合う仕事に新鮮さと楽しさを感じ始めた私は、それから3年経った今でも問題なく過ごせています。

仕事の日の朝は、基本40分前には会社の近くのカフェで一杯頂いています。笑
ほんと、昔の私からしたら信じられないですよね笑
そうやって仕事モードに入る前に少しだけ好きなことをすることで、焦らず、モヤモヤすることもなく、仕事モードに切り替えられるんです。
心にゆとりがある感じ!おすすめです。

実際の仕事の方はできることが増えたおかげで自信がついてきて、今は仕事を多く抱えてしまっている人がいたらその人の負担が軽くなるようにサポートするのが好きです。そこにやりがいを感じています。

そして、大好きな旅が仕事の中でできるのも、とても私に合っているなと感じています。
天職に近いとも思っています。
大自然に触れる機会が多く、たまに乗れる飛行機や新幹線も楽しいし、初対面の人でも緊張しないからどんなお客様が相手でもいつもの私で明るく居られる。
そして、お客様がこちらのサポートに対して喜んでくれるのがとても嬉しいです。
こうやって並べてみても、良い仕事に出会えたなぁと思いますね。

今まではひっそりと仕事をしていましたが、勤続5年目にしてようやく本来の私を出せてきています。

仕事も、それ以外でも壁にぶつかることはもちろんありますが、そんな時は本を読んだりして、自分を冷静に、客観的に見つめ直す時間をとっています。
これが結構重要なんです。

自分を知らなければ相手を理解できないし、自分を愛せなければ相手も愛せないんです。
本の受け売りですが、本当にこれが真理なんです。最近はより強くそう思っています。
これからも大切にしていきたい考え方ですね。

さいごに

ここまで、ただの私の体験談をお読みいただき、ありがとうございました。

昔の私は、(こんな悩み、別に誰に話したって解決するわけじゃないしなぁ。)と、誰かに相談せず、自分の中に閉じ込めて諦めてしまうことが多かったように思います。

睡眠障害を通して、専門家に相談することがどれだけ力になるのかよくわかりましたし、やっぱり悩みというのは、抱え込まずに誰かに話してみることが重要なんだなぁと思いました。

今回私は母のおかげで素晴らしい先生に出会えましたが、世の中の精神科医の中には患者さんのことを大切にしてくれない方もいらっしゃいます。
状況だけどうにかしても、自分の心をケアしなければ絶対に同じことを繰り返します。
だからこそ、薬物療法をメインにしてるお医者様は、私はおすすめいたしません。
あなた自身と丁寧に、しっかりと向き合ってくれる方を絶対に選んでください。

昔の私と同じような悩みを抱えている誰かの力になれたなら嬉しいです。
陰ながらですが、応援しています!

それでは!




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