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映画「キングダム 大将軍の帰還」を観ました(ネタバレあり)

映画キングダム 大将軍の帰還を観ました。
ネガティブな感想です。個人の感想です。
ネタバレあります。
誰を陥れる目的もありません。
この気持ちを出せる場所を考えた時、noteを思い出しました。


いつもながらベテランの演技は素晴らしかった。龐煖なんてあれだけの原作情報からものすごい解像度のものが出力されて驚いたし魅了された。
若手もキラキラしてて眩しかった。
尾到と友里のシーンは沢山泣いた。
主人公の信は今回難しい役回りながらものすごい存在感だった。そして心技体が回を追うごとに成長している、漫画の信を体現したような素晴らしい役者さんだと思った。
セットも衣装も小道具も音響も全て素敵だった。キングダムを作る要素が大好きだと思った。

でもラストのオリジナル部分が期待していたものと全く異なっていた。自分の理想そのままが出てくるなんて都合の良い話がないのは当然だし自分自身もその要素を楽しみにしていた。ただ、その内容がもたらす結果があまりに悔しかった。映画館で悔しくて泣いたのは初めてだった。

王騎の死後、信が馬上から秦軍に檄を飛ばした件です。

自分は、まだ彼には静かに一人で自身のこれからを考えていて欲しかった。あの時点では、まだあれだけのことをまとめて言える余裕があって欲しくなかった。普段騒々しい信が、何も発さず王騎を想いまだ持ち慣れぬ矛を抱えてじっと国を見つめる原作のあの沈黙が、立ち姿が、静の動作が、天下の大将軍への道の一歩目だと思っていた。

でも映画では違った。信はすぐに自分を奮い立たせただけでなく、その場で仲間の士気まである程度戻してしまった。映画の信はとても強かった。
映画の作りとしてはそちらの方が良いのかもしれない。主人公が押し黙って終わるより、希望の持てる表情でハキハキ語り切った方が確実に気持ちよくまとまる。正しい選択の一つなのかもしれない。だから、出来の悪い映画だ!なんて言うつもりは全くない。映画の信の魅力は出たのであろう。そこは分かる。

しかし一方であれにより、確実に天下の大将軍王騎の死は軽いものになってしまった。映画二本(正確には一本半)を使って王騎の器を知っていったのに、戦から帰還する前に信がある程度飲み込んで立ち直ってしまった事で、主人公を差し置きサブタイトルにまで入れていた大将軍の死が、帰還が、薄く軽くなってしまったことが、自分はひどく悲しい。
原作同様、大将軍を静かに送り出したかった。


まとまらない。どうすれば良いかわからない。
ただただ悲しい。
いいところがたくさんあるすごい映画だ。
大好きな作品だ。
でもまだそこに自分は辿り着けていない。
いろんな人の感想やインタビューや特集記事をこれからしっかり読んで、自分の感想がどう言うものなのか、きちんと考えたい。


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