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【いまさら聞けないシリーズ】起業・創業したらやっておきたいTo doリスト10選(5分で読めます)


はじめに

2024年9月17日現在、自民党の総裁選が連日報道されています。選択的夫婦別姓などいくつかのホットテーマの中に、解雇規制の緩和があります。また、来年の4月からは自己都合退職者でも失業手当給付がすぐ降りるというようなことも言われています。国を上げて労働市場の流動性を加速させようとしています。そんな中、起業・創業する人も多く、私の支援者や仕事仲間にもこの1、2年で創業・起業した方が多くいます。起業・創業にあたって手続き上必須のことは税理士に相談するなどして、大抵の人が知っています。一方で、起業・創業した人を国や自治体、関連団体が支援していることを知っている人の割合で言うと一気に減ってきます。そこで、今日は知っておいて損のないこと、裏返すと、知らないで損をしてしまわないように、と言う情報を、そのレベルも合わせて、お伝えしようと思います。S、A、B、Cの4段階でレベル分けしています。

・Sは、是非ともやって欲しいもの
・Aは、起業・創業時にはぜひ検討して欲しいもの
・Bは、今すぐでなくても良いものの保険的にやっておいて欲しいもの
・Cは、知っておくだけは知っておいて欲しいもの

このような意味合いで捉えてください。こうした情報は、細かく書き出すとキリがなく、読むことが苦痛になりますので、今日はアウトラインだけをさらっとお伝えします。全部読んで5分程度で終えられるようにします。それぞれ関連URLを用意しますので、気になったものは詳細をご覧ください。

事業のトップラインを上げるための支援策(6選)

ここでは、これから行おうとされる事業の売り上げ(トップライン)を上げるのに役に立つ支援策をリストアップします。事業を始めてから成長に合わせて、その時系列に沿って並べています。

❶創業助成事業(レベルA)

この事業は東京都のものをベースに説明します。東京都及び公益財団法人東京都中小企業振興公社が行っている支援事業です。都内で、創業予定者に対して、最長2年間に渡って、「事業費」「人件費」「委託費」といった対象項目に対して、最大400万円の助成金額が出ます。助成率は2/3です(※)
(※)助成率(補助率)とは
   最大400万円の助成金額を申請する際、助成率が2/3と言う場合、
   トータルで600万円の事業になります。うち200万円(1/3)は自費と
   なります。手元にその金額が用意できない場合は融資で賄うをなどの
   方法がありますので、この辺りは事務局に相談すると良いです。
(こんな人にオススメ)
起業して、市場を調査をしたい、売り物を広告したい、パートナーがいて委託費を払いたい、と言うような方にはオススメです。賃借料やソフトウェアのリース・レンタルなどにも充てられます。
(申請方法)
事業計画書の提出が必要となります。
詳細は、こちらです。YouTube動画などもありますので、ご参照ください。東京以外で開業される方は「○○県 創業助成金」で検索してみてください。

❷IT導入補助金(レベルA)

ITツール(ハードウェア、ソフトウェア)を導入する際に利用できる補助金です。ハードウェアには、PCやタブレットなども含まれます。補助率は1/2から2/3で、補助上限は450万円です。こちらは、起業してから1期を経過している必要があります。そのため、起業してすぐの方は利用できません。
(こんな人にオススメ)
起業を機にITソリューションを揃えたい、見直したいと言う方にはオススメです。
ただし、申請は起業して1期過ぎてからの必要があります。
(申請方法)
事務局から認定されているベンダーリストの中から選んで、そのベンダーの支援で申請書を作っていく形になります。事業計画書を提出する必要はありません。詳細はこちらです。

❸小規模事業者持続化補助金(レベルS)

自らが作成する経営計画に基づいて行う販路開拓や業務効率化の取り組みに対して支給される補助金です。補助率は2/3で、補助上限は200万円です。
(こんな人にオススメ)
販路開拓のために、HPを作成したい、展示会に出展したい、広告を打ちたい、チラシ制作をしたい、と言うような広報活動を考えている人にはオススメです。
(申請方法)
経営計画書の提出が必要となります。この後に出てくる、経営革新計画やものづくり補助金などに比べると作る計画書はライトです。詳細はこちらです。

❹ものづくり補助金(レベルB)

革新的なサービス開発、試作品開発、生産プロセスの改善などに取り組むための設備投資を支援する補助金です。この補助金は、新規事業や事業拡大、または輸出促進などを目的としたものです。通常は補助上限額は1000万円です。補助率は2/3です。
(こんな人にオススメ)
サービスや製品開発に設備投資が必要な方にはオススメです。似た補助金で、事業再構築補助金がありますが、こちらは現在は受け付けていないため、今回はリストから外しました。
(申請方法)
事業計画書の提出が必要となります。詳細はこちらです。なお、申請は全て規定のフォームにて電子申請となります。電子申請にあたってはGビズIDプライムアカウントと言うアカウントを取得する必要があります。

❺経営革新計画(レベルB)

新事業活動に取り組み、経営の向上を目指すための中期経営計画書を策定し、承認されると様々な支援措置を受けることができます。具体的には日本政策金融公庫の融資や信用保証協会の保証、また各種補助金申請時の加点要素となります。
(こんな人にオススメ)
事業の新展開を考えていて、様々な融資や補助金にも積極的に触手を伸ばしたいと思っている方。❷IT導入補助金同様、直近1年以上の営業実績があることが条件となっています。
(申請方法)
事業計画書の策定が必要となります。詳細はこちらです。

❻ローカル10000プロジェクト(レベルB)

ここまでの❶〜❺は経産省もしくは中企庁管轄のものでしたが、このローカル10000プロジェクトだけは総務省の支援制度です、このプロジェクトは地域密着型の起業や新規事業を支援することを目的としています。補助率は1/2で、補助上限額は5000万円となっています。地域資源を活用した事業、地域課題に対応した事業、新規性や事業モデルの参考性が必要とされます。
(こんな人にオススメ)
地域に密着した産業の牽引を考えている人。事例としては飲食、観光、食品加工などがありますが、これに限ったものではありません。
(申請方法)
この助成金の原資が自治体と地域金融機関との協調による公費のため、申請についてはまず、お住まいの自治体の窓口相談から始めてください。詳細はこちらです。

節税、保険など事業の持続性に関わる制度(3選)

ここからのお話は、事業の成長に対して直接関係しませんが、長い目で見た時に知っておいた方が良い、もしくはやっておいた方が良いと思われるものです。

❼小規模企業共済(レベルA)

引退時や廃業時の生活資金を積み立てるための共済制度です。この制度に加入することで、将来の資金を準備しながら、節税効果も得られます。具体的には、掛け金を500円単位で月1000円から月7万円まで自由設定できます。この金額は所得控除の対象となります。簡単に言うと所得税からこの分が引かれます。年間最大で84万円掛け金を支払った場合、所得税が30%だとして25万2000円節税できます。また、掛金の90%までを低金利で借り入れることができます。
(こんな人にオススメ)
20年間は現役で働こうと思っている方。理由は20年未満の場合、一部が掛け捨てになってしまうためです。もちろん20年未満の加入でも加入時に上記のようなメリットがあります。
詳細についてはこちらを参照ください。

❽ セーフティネット共済(中小企業倒産防止共済)(レベルA)

取引先が立ち行かなくなり、それに巻き込まれる。そんな時に連鎖を断ち切るために用意されているのがこちらの共済制度です。中小機構が管轄をしています。掛け金を月5,000円〜20万円まで自由設定でき、40ヶ月後を満期として、その期間掛け金は経費計上ができます。即ち損益参入でき節税となります。満期後は100%戻ってきます。ただしこの時、収入として税金がかかるので戻入れの際は、この収入を使った節税対策を検討する必要があります。この制度もう一つメリットがあり、積み立て分の10倍までを低金利で借入することができます。❼と並んで検討しておきたい制度の一つです。詳細についてはこちらを参照ください。

❾ BCP(事業継続計画)(レベルB)

昨今、台風、地震、大雨といった自然災害がニュースになる日が増えています。こうした緊急事態に備えて、事業継続を災害予防の観点で策定する計画のことを指します。以前、このnoteでも発信しましたが、こちらについても経産省及び中企庁から策定に対するガイドラインがあります。念の為再掲しておきます。BCPも一度策定して、それに沿ってPDCAを回していくことで日常的な防災意識が高まると同時に様々な制度を利用できるメリットが生じます。ご自身の住むエリアが最近災害に見舞われたとか、こうした災害が事業にもたらす影響の心配があると言う方には、ぜひご一読いただければと思います。

おわりに

かなり端折りましたが、それでもまあまあの分量になってしまいました。5分で読めますと言いながら、熟読すると10分くらいかかってしまったかもしれません。それでも、何らか発見があったりお役に立ってたりしていたら幸いです。詳細について読み出すと、これがまたわかりにくかったりします。もしわからないことがあればお気軽にご相談ください。

おまけ

サムネにS〜Cとあるのに、実際の8選にはS〜Bまでしかないとお気づきの方、いらっしゃったでしょうか? 実は、もう一つ
➓ 省力化投資補助金(レベルC)があります。

➓ 省力化投資補助金(レベルC)

これは今年(令和6年度)から始まった生産性向上や人手不足解消を目的とした設備投資を支援するための補助金です。IoT、ロボットなどの省力化製品を導入する際に使えます。わかりやすい例で言うと、飲食店の配膳ロボットなどは該当します。補助率は1/2です。補助上限は最大1000万円です。申請方法は省力化製品カタログから適切な製品を選び、その製品取扱業者の支援を受けて書類を揃えていくものとなっています。現在のところCにしているのは、まだカタログが充実していないこと、申請は来年まで可能なことなどがあります。
今のところ、省力化製品カタログが充実しているカテゴリは飲食、印刷などの業界です。ご興味ある方用に、詳細はこちらです。


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