子どもと楽しい思い出づくり!夢広がるクルマの話。デザイナーの育休。
こんにちは。アートディレクター狩集です。前回の記事では、耐える育児は近道だ、というお話をしました。今回は私が育休中に聞き集めたママたちのクルマに抱く思いから考察した「こんなクルマがあったらいいな」をご紹介します。共感してくださる方がたくさんいたら、反響が大手メーカーの方に届き、開発してもらえるかも?
ちなみにクルマへの思い入れが深く、お金に糸目をつけないタイプの方は、まったく共感できない内容となっております。
小さなクルマは疲れる?
あるママの言葉です。
「小さいクルマって疲れるんだよね」
ほう。これは興味深い意見です。
そのママは2人の未就学児を抱えながらも、通勤、子どもたちの送迎、泊まりがけの遠出まで、全部自分で運転しちゃうアクティブな人です。
小さいクルマのほうが小回りもきいて乗りやすいんじゃないのかな?と思いましたが、なるほど、子どもが小さいとチャイルドシートが場所をとり、オムツや飲み物、ぐずったときのおもちゃやパンなど、ちょっとしたお出かけでも荷物の山で車内はぎゅうぎゅう。にもかかわらず、DVD見たい!お菓子開けて!ジュースこぼした!とリクエストの嵐。
ただでさえ荷物で身動きがとりづらいのに、レスポンスが遅いと子どもは途端にぐずりだすので迅速に対応しなければなりません。運転にも注意を払わねばならないし、心身ともに疲れます。
車内が広ければ荷物を重ねる必要もなく、子どもが欲しがっているものをすぐに見つけ出せますし、何より身動きがとりやすいのはラクです。資金が潤沢なら、思いっきり大きいクルマに乗ってみたいものですよね。
ファミリーカーは乗り潰すもの
最近の住宅は、車庫スペースを囲わないオープン外構が増えてきました。我が家もそのタイプの一軒家で、家の前にクルマがむき出しで停めてあります。そんな状態なので、子どもが外に出るとついついクルマに触ったり、おもちゃがコツンと当たったり。いつもヒヤヒヤしながら子どもの様子を見守っています。
駐車場完備のマンションやお宅にガレージのあるご家族でも、クルマで買い物やレジャーに出かければ、やっぱりヒヤヒヤするものじゃないでしょうか。
人様のクルマにはむやみに触れないよう躾けなければなりませんが、自分のクルマに対してはもう少し大らかでいたいものです。
また、子どもがいると自転車やアウトドアグッズなどの大物を積んだり、チャイルドシートの積み下ろしなど、大変な作業も発生しますし、海や山などのクルマには少し厳しい環境下へ出かけることも増えます。
お金をかけてラグジュアリーなワンボックスに…も理想だけれど、クルマが傷むリスクを気にせず、素敵な子ども時代の思い出を残してあげたいと思うのも親心。相反する思いのせめぎ合いです。笑
安くて大きいクルマとは
まずは「安い」について。これはもう言わずもがなですが、価格、燃費どれをとっても軽自動車の右に出るものはありません。
パワーとスピードを求める方には不向きかもしれませんが、少々のキズや凹みは気にせず乗り潰す気持ちを持つには、やはり安さは大切なポイントです。
次に「大きい」について。私たちグラフィックデザイナーは、写真や文章テキストを丸や四角の囲いの中にはめ込みます。丸型にはめ込むと柔らかくて優しい印象になりますが、一定のサイズの中でより多くの情報が入るのは四角です。(下図参照)
これは乗り物のフォルムにも当てはまります。より大人数を運ぶ陸上の乗り物は電車やバスのように大体四角いフォルムをしています。つまり空気抵抗を最小限にした流線型のクルマはスピードや美しさではピカイチですが、室内の大きさは四角いほうが優っていると言えるのです。
では、軽自動車で四角いフォルムって?
…そう、軽ワゴンです。
よく見かける軽ワゴンといえばこんな感じ。どのメーカーも基本的にこういったデザインです。商業車として使われることが多いからでしょうか。ファミリー向けになると乗り降りを考えて床を低くするなどの工夫のためか、ボンネットが前に出てラゲッジスペースが少し狭くなるようです。
しかしむしろ前者の商業車としてのカタチのほうが、小さなお子様がいる家庭には意外とマッチするのでは、と思うのです。
かさばる荷物も載りますし、スライドドアはお子様をチャイルドシートに乗せる際に超便利。後部座席を倒せば2メートル近いスペースが出現するので、お気に入りのブランケットやおやすみホームシアターなんかを持ち込んで車中泊ごっこをしてみるのも面白そうです。
このコロナ禍で休日の楽しみも制限されている中、遊びのネタがたくさんあって困ることはありません。
とはいえ、デザインはどのメーカーもオーソドックスで個性的なものはあまり作られていません。もし色や顔(フロント)が強烈にかわいい・カッコいいものがあったらママやパパたちも本気で購入を検討しそう。
軽自動車でなければオリジナリティあふれる四角いクルマはいろいろあるのに…市場の盲点なのでしょうか。
またしてもグラフィックデザイナーの観点から言いますが、「四角いものはデザインしやすい」です。なぜなら平面的でシンプルだから。四角くない部屋は家具のレイアウトが難しいのと似ています。
この理屈がクルマにも適用されるなら、下の写真のような四角い乗り物で実現した個性豊かなデザインがクルマにももっともっとたくさん生まれそうです。
こんなクルマが欲しい!と共感してくださる方がいらしたら嬉しいです。
どこかのメーカー様にこの声が届いて、軽ワゴン界に新風が巻き起こるよう、一緒に祈りましょう!
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