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【観光②ギザ〜ダフシュール】ピラミッドとスフィンクスと私

エジプトといえばピラミッドとスフィンクス。有名なギザの三大ピラミッドは外せないですが、南のサッカラ、メンフィス、ダフシュールまでが「ピラミッド地帯」として世界遺産登録されています。

今回の記事はそんな「ピラミッド地帯」について書いていきたいと思います!(三大ピラミッドは2022年9月、サッカラ〜ダフシュールは2023年4月時点の情報です)

1.ギザ:三大ピラミッドとスフィンクス

(1)概要:エジプトで一番有名な観光地

エジプトの代名詞ともいえるのが三大ピラミッドとスフィンクス。首都カイロの隣町、ギザに位置しています。

三大ピラミッドとはクフ王、カフラー王、メンカウラー王のピラミッドのことで、作られたのはなんと今から4,500年前!日本はまだ縄文時代です。エジプト文明がいかに進んでいたかがわかります。有名なスフィンクス像もこの3つのピラミッドの前に鎮座しています。

スフィンクスとカフラー王ピラミッド

ピラミッドは建築方法はじめまだまだ謎が多いことでも有名で、現在も様々な調査が進められています。2023年3月には、クフ王のピラミッド内部に新たに空洞が発見されたことも話題になりました!

(2)アクセス:カイロ至近!アクセスの良さも魅力

ピラミッドというと、なんとなく砂漠のど真ん中、秘境といったイメージがありますが(私はそうでした)、ギザのピラミッドはカイロ中心部から20kmほどしか離れておらず、車で約40分でアクセスできます。ギザ県自体も人口800万人を抱え、ピラミッド周辺まで市街地が押し寄せていて秘境感は全くありません(笑)

そのためカイロから自力でUberやタクシーなどでも簡単にアクセスできますが、アブシンベル神殿編でも書いた通り、遺跡はガイドのあるなしで面白さが全く違います(あとピラミッド周辺の客引きは他の観光地と段違いにしつこい。ガイドさんがいればうまくあしらってくれます)。

私は日本から来た友人を連れて行くことが多いのもあり、基本的に車とガイドさんを旅行会社で手配してしまいます。旅程の一例はこんな感じ:

8:00 カイロ市内発
9:45 クフ王ピラミッド(内部見学含む)
10:45 ピラミッドビューポイント
11:00 河岸神殿、スフィンクス
12:00 Marriott Mena Houseでランチ
13:30 カイロ考古学博物館 ※別記事予定
15:30 カイロ市内着

ピラミッド付近は日陰がなく、また内部見学する場合、中はサウナ状態なので、特に夏場は朝早くからの見学がおすすめです。

(3)魅力:古代エジプトの技術力に脱帽

ギザのピラミッドはとにかく大きいし、形も綺麗だし、何より教科書やテレビで見ていたあのピラミッドが目の前に…!という感動があります。

でも本当にすごいのは、4,500年前の人類の叡智が結集されていること。ここら辺の話は是非実物を見ながら現地のガイドさんのお話を聞いて欲しいのですが、記憶にある範囲でちょっとだけご紹介しますね。

真下から見たクフ王ピラミッド。
人と比べると一つ一つの石材の大きさがよくわかります

ピラミッドはご存知の通り、巨大な石材を積み上げて作られているのですが、この石材一つ一つ、地面に対して平行ではなく、内側に向かって角度がつけられてるんだそう。上に積んだ石が滑り落ちてこないような工夫だそうですが、見た目は全て地面と垂直。つまりどの石材も寸分違わず同じ角度で傾斜がつけられているということ…!

石材についてもう一つ。これだけの石を砂漠に積み上げるからには、地面が陥没しないように土台作りが重要です。この土台も石材からつくられているのですが、石材の組み方がすごい。

ピラミッドの前に立って、足元を写した写真。
画面中央のL字型に注目です

このL字型!!
機械もない時代に、石材同士がぴったり噛み合うようにこれも寸分違わぬ角度で切り出されているんです。恐るべし古代エジプト人…!

ギザのピラミッドは4,500年もの間カイロを見守ってきたわけですが、実は微妙に姿を変えているそう。カフラー王のピラミッドを見るとそれがわかります。

ちょうどスフィンクスのいる方面、上の方に白い化粧板が残っています。日が当たるとキラキラ輝いて綺麗なのですが、じつは三大ピラミッドすべて、このような化粧板で覆われていたんだそう…!残っていたらどんなに綺麗だったんでしょうか。

クフ王のピラミッドの真下、よく見ると台座の石の色が違っています。白っぽい部分に、当初は化粧板が載っていたんだそう。ただこの化粧板、あまりに綺麗なのでアラブ人が入ってきた時に根こそぎ剥がしてしまったんだそうです。。。残念。。。

もう一つ、ここまで来たら見たいのがスフィンクス。お顔は敷地の外からでもみえるのですが、是非河岸神殿を抜けて近づいてみてください。というのも・・・

修復の足場が残念。。

なんともかわいい後ろ脚と尻尾!なかなかテレビや写真で見ない角度ですよね。お尻が見える位置まで回れるので、是非みてきてください!

後ろ姿もなかなかかわいい

2.まだまだあるピラミッド(サッカラ、メンフィス、ダフシュール)

ギザの三大ピラミッド+スフィンクスはエジプト観光のハイライトといっても過言ではないですが、もしカイロorギザでの滞在日程に余裕があれば、サッカラやダフシュールでピラミッド建築の変遷を辿ったり、エジプト古王国の首都メンフィスで当時に想いを馳せるのもおすすめです。サッカラ、メンフィス、ダフシュールはそれぞれ至近距離なのでまとめてご紹介します!

(1)概要:エジプト古王国の都メンフィス

ピラミッド建築が行われたエジプト古王国時代、都はメンフィスにありました。古代エジプトではナイル川を挟んで東側は生者の街、西側は死者の街とされていたので、メンフィスからナイル川を挟んで西側のサッカラ、ダフシュール、ギザにピラミッドが作られたというわけです。(ちなみにナイル川は何度も流路を変えており、現在ではメンフィスもナイル川の西側にあります)

メンフィスの遺跡はあまり見所としては残っていませんが、流石に掘り返すと色々出てくるようで、そうした発掘品を展示する野外博物館が見所です。

メンフィスの博物館中庭のスフィンクス

(2)アクセス:車ならカイロからサクッと回れる

公共交通機関はほぼ皆無ですが、カイロorギザ起点のツアーを頼むか、車を手配すれば半日くらいで回れます。暑さと日差しさえ耐えられればギザのピラミッドとスフィンクスを見てから午後に回ることも可能だとおもいます。

私はギザからツアー組んで行きましたが、こんな感じでした:

9:00 ギザ市内発
9:30 サッカラ
10:45 メンフィス
11:30 ダフシュール(赤のピラミッド内部見学、屈折ピラミッドは外観のみ)
13:30 ギザ市内着

(3)魅力:ピラミッドの進化と郊外ならではの静けさ

このコースの魅力はピラミッド建築の変遷を辿れること。サッカラのピラミッドは最古のピラミッドと言われており、それまで王墓として作られてきたマクタバ(長方形の建物)を積み重ねた階段状になっています。

サッカラの階段ピラミッド

少し話題逸れますが、サッカラには他にも崩れたようなピラミッドがたくさんあります。その中の一つは内部が解放されており、中の壁にはヒエログリフがぎっしり!壁一面がヒエログリフというのもなかなか珍しく綺麗なので、サッカラに行くなら必見です!

壁一面がヒエログリフ。写真はほんの一部

続いてダフシュール。観光ルートとしては赤のピラミッドが先になりますが、歴史を考えて屈折ピラミッドを先にご紹介します。

その名の通り途中で角度が変わっているピラミッド。真下まで行くと、てっぺんが全く見えなくなって台形に見えるのも面白い。ギザのところで触れた化粧板が綺麗に残っているのも魅力と思います。

ダフシュールの屈折ピラミッド

続いて赤のピラミッド。このピラミッドは真正ピラミッド(屈折してない)ですが、ギザのピラミッドに比べると少し斜面の角度が緩めです。

赤のピラミッド。四面は綺麗な二等辺三角形です

屈折ピラミッドは入らなかったのですが、赤のピラミッドは中にも入ってきました。入り口までの階段が急、かつ入り口からは高低差65メートルの狭い通路を下に降り、着いた先の玄室からまた階段を上がって最深部に進みます。

赤のピラミッド。入り口からこんな道を進みます。
高低差65メートル

体力的には65メートルの上がり下がりが厳しいのですが(クフ王のピラミッドより体感きついです)、個人的に辛かったのは通路が終わって玄室に入ってから。地球の歩き方にもはっきり「内部は臭い」と書いてあるように、尋常ではない匂いがします。私はハンカチを当てて凌ぎましたが、息が吸いづらくて階段上がると酸欠気味になるし、かといってハンカチを少しでも外すと気分が悪くなるほどの匂いだし…けれど体験としては良かったです。玄室から先はほとんど中ちゃんと見てませんが。笑

ちょっとネガティブな情報が入りましたが、ダフシュールのもう一つの、そして私が思う最大の魅力はギザやサッカラより断然観光客が少ないこと。砂漠の中に自分と悠久のピラミッドだけ、というここにしかない体験ができます。ピラミッド自体は正直ギザの方が大きいし、三角錐の形もきれいですが、この体験ができる、というだけでもダフシュールまで足を伸ばす価値があると思います!!


今回はエジプトが誇るピラミッドのご紹介をしてきました。ピラミッドが1番有名ではあるものの、まだまだ魅力的な観光地はたくさんあるので、別の都市や自然についても書いていきたいと思います!

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