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戦友(とも)へ

「好きなタイプは?」

そう聞かれて、あなたはなんと答えるだろう。

 優しい人、面白い人、かっこいい人…

人それぞれ、イメージは様々だろうが
きっとその多くは、その人個人の基準で
判断されているもので誰もが必ずしも
そう思うということは
少ないのではないだろうか。

「優しい」
は、受け手によって感じ方は違うものだし、
「面白い」

「かっこいい」
も同様に人それぞれ基準がある。
だから私はいつも、この質問をされた時、
相手によって回答を変える。

気心の知れた友人なら、何も気にせず自分の好みを伝え
そこから皆の好みの
「優しい」

「面白い」
について意見交換をする。
これはこれで非常に楽しい。

久しぶりに会うと、自分では気づかぬうちに
自分の好みが変わっていることに気付かされる。

では、初対面の人や、まだ知り合って
日の浅い人からならどうか。

私は決まってこう答える。

「自分の機嫌を自分で取れる人ですね。」

1.小柄なバッターとかけて、私の好みととく

私はカホ。
都内のとある企業で働く社会人の2年目である。

生まれて初めて
知り合いに誘われて合コンへ行った。

その日私を誘ってくれたのは、
東京でできた数少ない友人であった。

「凄いかっこよくて、面白い人が来るからおいでよ!」

そう言われて、正直ワクワクした。
でも、実際にその人に会った時に思ったことは
「いや、そうでもなくね?」
であった。

私自身、人様のことをどうこう
言えるようなルックスではないし
その人は一般的にかっこいいと
分類されるだろうと思うが、
少なくとも私の好みの顔ではなかった。

「かっこいい」
って難しい…。

そして何より私の心が響かなかった理由は
「面白さ」
であった。
いや、面白さというよりもイントネーションや
喋り方の雰囲気とも呼べる、なんとも形容し難い
要素であるが、その時は何かが違うという確信があった。

そして早々に冒頭の質問を受け、私は答える。

「自分の機嫌を自分で取れる人ですね。」

きっと多くの人が無意識で望みながらも、
あえて最初には口にしない希望。
それを一番に、直球で投げ返した時、
皆少し驚いたような顔をする。
そして好みではないイケメンにこう返された。

「確かにそうだよね~。最低限それは必要だよね。」

最低限?

本当にそうだろうか?


2.できそうで、できないもの

自分の機嫌を自分で取る。

これは本当に大人として最低限
必要なことなのだろうか。

もしそうだというなら、
世間に大人はどれ程いるのだろうか。

私生活であれば嫌なことを忘れるため、
自分の好きなことで気持ちを切り替える
ことはできるかもしれない。

しかし、仕事ではそう簡単に行くだろうか?
仕事の中で「自分の好きなこと」を
見つけられている人ってどれ程いるだろうか。

少なくとも、私はまだ自分の仕事で
自分のテンションを上げる方法を
見つけられていない。

好きなことは好きだし、
嫌いなことは嫌いだ。

できなかったら落ち込むし、
家にまでその気持ちを持ち帰ってしまう。

苦手だと思うことがあると、
ギリギリまで残す。
自分では頑張ったと思っても、
人から評価されないとやる気を失う。

もちろん、仕事はお客様第一で、
結果が全てと頭では理解している。

でも、頭で理解できて人がその通りに動くなら
この世に戦争や差別など起こらないだろう。
極端な例ではあるが、実際そうだと思う。

では、どうすれば自分の好みに関係なく
誰かのために、ひいては自分のために、
仕事ができるのか。

その解決方法は

「自分の機嫌を自分で取る」

つまり、どんな仕事の中にでも、
自分が好きなことを見出せるか。
これ以外に無いと私は思う。

3.答えは求めるものではない、導き出すものである

「それは分かってるわ。
具体的にどうするかを教えんかい。」

そんなセリフが内面から聞こえてくる。
私はそれに答えを出すことができない。

なぜなら、これには模範解答など無いであろうから。
そして、自分の答えを探すその過程にこそ、
自身の成長に直結するものだろうから。

本屋にはといろいろな問題に対する解決方法が
書かれている書籍を頻繁に目にする。

 これだけ読めば大丈夫!
 この一冊で全ての問題が解決!

そんな謳い文句はざらだ。
しかし、世の中の多くの人間が悩んでいることが
それだけで解決することなどあるのだろうか?
何千人、何万人の悩みがたった一人の経験、
思考によって解決するというのであれば
いま私はすでに幸せだろう。

結局は、自分に合った自分なりの答えを導き出す
その過程こそが大事なのではないだろうか。
ヒントはいくらでも足元に落ちている。

近道になることもあれば、
遠ざかることもあるだろうが
選択肢を広げることにはなる。
しかし、最後の絵を描くのは
自分しかできないのである。

4.ともへ

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