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Smoke&Blue2017/11/22 2ndステージ

Now&Here#17

最初の2012年のSmoke & Blueに訪れた頃は、
および腰だった六本木の街にもこうして何度も訪れると
やっとしっくりした気分になれるようになった。

ビルボード東京の一番安い席でビールを
ちびちびやりながらTheHoboKingBandを眺めていました。

Dr.Kyonと佐野さんの指先が鍵盤を駆け巡る。
シンバルの隙間から垣間見える古田マイティたかしの
繊細さから爆烈さまでの幅広いレンジで果てしなく空間を
司るドラムスの響きが、ファンキーな井上さんのベースラインと
あいまって腹の底からググッとくる感じに倒れこみそうだった。

笠原あやのさんの麗しきチェロの音色とメロディラインは、
このSmoke & Blueライブでの妖しさと独特な色気を醸し出す。

この日のビルボード東京、仕事を終えた立派な風情で
少しやつれた大人たちがたくさん集まってきている。
ぼくもその一人、かなりヨレたスーツにネクタイ。
中身の気持ちだけは昔と変わらないと胸を張りたいが、
怪しいものだ。

遠くに揺れる夜景が見える窓にカーテンが降りて、
素敵な夜はこんな風にはじまるのさ。

「DoWhatYouLike」から「トーキョーシック」のサウンドが
とても暖かでリラックスした気分へと導いて行く。

つづくユニークでこの上なくヒップなジャングルビートの
「ハッピーエンド」

麗しきチェロに導かれるサウンドが心地よく会場を満たす
「ぼくにできることは 」ところどころで垣間見える
オリジナルのリフがベースラインで奏でられるのが聴こえる。

新曲の「迂闊なことは言えない」は疾走感のあるビートで
「口は災いのもと 」と畳み掛けて舞い上がる!

過去の佐野元春の楽曲をリアレンジして奏でること。

一見、後ろ向きで懐メロ大会に危うく陥りそうだが、
この東京のど真ん中でTheHoboKingBandが奏でる音のする方に
耳を傾けてみてみると、そこにはオリジナルをあっさりと
超えたま真新しい構成と誰かがどこかに置き忘れかけていた
サウンドが響いてくる。

後半、エンジェルフライからかっ飛ばして、
深いアンサンブルの海へ誘う
「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」
TheHoboKingBandならではの「約束の橋」は
いつかの旅へとぼくを連れて行く。

最高で最強で最新のシングルの2曲をこのライブで目撃した!

Dr.kyonの エレクトリックギターFlying Vが
唸りまくる「Vanity Factry」!!!

佐野元春はセミホローのエピフォンギターを抱え、
寄り添うようにDr.kyonがその横のウーリッツァーに腰掛けた。

アルバルSomedayから「I’m In Blue」

思いがけない選曲に思わず一気に3
5年間のタイムラインを往き来しながら

「Maybe I'm a Loser,  Don't Worry,Baby」って
心の中で口ずさんでた。

今まで通り過ぎた過去と経験が、奇跡的に何とか
ここに立ちすくむぼくの残りの人生を当たり前のように
圧迫してやがて訪れる場所へと確実に向かわせていることを
ここのところ身にしみて感じてる。

ありのままの自分。
ありのままの君。

最上の音楽とは、フッとした雨上がりの街で
思いがけず出会う虹のようです。

妨げる事に抗いながら貫く生き方を見失わぬように
導く光が織りなす屈折と反射のアンサンブル。

正気でいることをやめない。
目を凝らして一歩前に前進。

どうもありがとう。
佐野元春 & TheHoboKingBand.

新しい佐野元春 & TheHoboKingBandのアルバムを
心の底から待っています。

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