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元シニアマネージャーに聞いた、未経験コンサル転職者が心がけるべきこと【後編】


はじめに

こんにちは!GradsGuideの大竹です。 
今回は大手総合コンサルティングファームの元シニアマネージャーをお招きし、ご自身の転職経験とシニアマネージャー経験を踏まえてお話していただいています。 
前編では、シニアマネージャー視点でメンバーに求めたいことを伺いました。では、どのように成長し、それに応じていけば良いのでしょうか?後半では入社後の成長についてフォーカスしてお届けします! 

プロフィール 

二階堂尚彦さん(仮名) 
新卒でIT系事業会社に入社し、主に営業を担当する。3年の勤務を経て大手総合コンサルティングファームに転職し、シニアマネージャーまで経験。(退社済) 

コンサルティングファームに入ったあとの成長は何で決まるのか? 

ーーでは、コンサルティングファームに入社した後、成長するにはどうすべきでしょうか。 
二階堂さん:成長に必要なことは「誰と働くか」だと思っています。右も左もわからないころは右や左を教えてくれる上司と一緒に仕事をすると良いし、わかってきたら自由にさせてくれる上司の方が良いです。それが逆になると辛いですよね。
ただ、それって本来は上司がメンバーを見てフレキシブルに対応を変えなければならないものなんですが、最近は業界に色々な人が増えているので、ワンパターンなマネジメントしかできない上司もいるという現状ではあります。 

ーーそうなのですか……。では、二階堂さんのご経験を踏まえるといかがですか?
二階堂さん:自分の経験だと、プロジェクトの中で成果を出し結果的に評価を受けることができるようになった理由としては、シニアコンサルタントであってもマネージャーロールを自分から経験しにいこうとしたことが挙げられると思います。 
これは評価にも成長にも繋がった行動だと思っています。入社から1年くらい経つと段々と分かってきて、どう上の仕事をとるのかを考えていました。 
入社後の半年間はひたすらレビューを受けました。30分に1回はシニアマネージャーに相談していました。だんだん「後にして」って言われるようになりましたが(笑)。 
ただ、自分が上位ロールになって思うのは1日に1回だけ確認・相談に来られるよりもずっと良いということですね。1日に1回だとどのベクトルに向かっているのか不安になるけど、30分に1回相談をもらえれば方向をすぐ修正することができるので。細かいレビューがあれば自分が向かっている方向が正しいのかそうでないのか都度わかりますが、沢山進んでしまったあとだと戻し方がわからなくなってしまいます。 
思考力が高い人は自分でやればいいと思うのですが、思考力に自信がないのに聞きに来ない人は伸びていなかった印象です。もちろん「答えを教えてください」ではダメですよ。
慣れていない頃は、だいたい「こういう分析をしてみました!」と持ってくるのだけど、「目的は?何のために?」とレビューされる。それに対して「こういう目的で、こんな分析をしました!」と答えると、次は「分析する前に仮説はないのか」と言われる。次は「仮説がこうで…」と答える、みたいなのを繰り返していくうちに型がわかるようになります。
この流れを段階的に追うことが大事な学習機会なのですがもう何枚も成果物ができている状態だとレビューする方も大変だし、修正する方も大変になってしまいますね。 

自分のあるべき姿を考えるためにすべきこととは?

ーー先ほどまでのお話を踏まえると、現状認識とあるべき姿のギャップを埋めていくことの必要性がわかるのですが、あるべき姿を考えるためにはどうすれば良いのでしょうか?ご自身にはロールモデルの存在はあったりしたんですか? 

二階堂さん:完全なロールモデルはいなかったのですが、この人のここがすごいというところを見つけていました。「この人のここはすごいな」というところは、大体誰か何かを持っているので、そういう所に出会ったら、どうやって追いつけるかを考えていました。大体そういう人は上位者なので、その人のレビューを受けて、段々とずれがなくなってきたら「自分も近づいてきたのかな」と分かります。 
自分が差を見せつけられたのは、淡々としているのに一つひとつのキレがすごい方ですね。厳しい言い方をされるということは全くなく、「うーん、二階堂さん、これで十分なのかなあ」みたいな感じで言われて。そうやって自分には足りない、他の人のすごいところを見習って埋めるようにしました。 

ーーありがとうございます。ロールモデルを部分的に見つける方法のように、自分に合った方法を見つけるためにはどうすればよいのでしょうか。 
二階堂さん: 自分が「何だったらバリューが出せるか」を考えることで、自分が目指すべき方向性や型が見えてきます。 
私の場合は一方的な戦略の押し付けをすることがないよう、「顧客が満足できること」を念頭に置いたプロジェクト運営をすることが自らのバリューの源泉だったと考えています。顧客にとって何が必要で重要なのかということを共に考え、常に合意形成を行いながら進めていくことを大切にしてきました。 
しかし、自分の型を見つけて幸せになれるかは所属するコンサルティングファーム次第であるということが正直なところです。「自分達が絶対的に正しく、顧客は間違っている」という価値観に基づき、顧客を従わせようとするコンサルティングファームも存在するからです。つまり、自分がどのような価値観が共有されている環境に入ることになるのかを知っておくことが大切だと言えます。 
あとは、必要なものは意思ですね。自分がどうありたいかという意思は、ジュニアレベルだとまだわからないこともあります。何人ものお客さんと関わったり、何個もプロジェクトを経験することでようやく分かってくるんだと思います。これはコンサルタントに限ったことではないように思います。 
※パートナー:コンサルティングファームの「共同経営者」にあたる役職 

ーーなるほど。ある程度の経験に基づいて、自分の向かう先を定める必要があるということですね。それでは、最後に一言、転職希望者へメッセージをお願いします。 
二階堂さん:コンサルティング業界の敷居が下がってきている時代に来ており、個人としてコンサルタントになることはもちろん大手企業の皆さんもコンサルを使い慣れてきています。このトレンドにおいて重要なのはもはや社名やブランドではなくなってきている印象です。だからこそ、重視すべきは社名ではなく、自分に合ったファームか否かを見極めることだと思います。自分が身を置いて成長できるような環境に行くべきです。そうすれば、ゆくゆくファームを辞めた後にもよりよい人生を送れると思います。 

ーーありがとうございました! 

さいごに 

前編・後編にわたって二階堂さんのご経験を踏まえ、シニアマネージャーの視点から転職者に求められる資質と、成長を遂げるために心がけておきたいことについて伺いました。 
入社前と入社後で、一貫して自分のあるべき姿と現状のギャップを埋めることの重要性を理解することができます。 
二階堂さんのアドバイスにもあるように、入社前の選択が入社後の成長にも大きく影響します。ぜひ、入社を検討するコンサルティングファームの人事担当者だけでなく、第三者の視点も取り入れながら検討してみてください。

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