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人生で3番目くらいにドキドキした話。



同僚からLINEが来た。


「PCR検査を受けたところ、陽性でした。
ヒコちゃん体調は変わりないですか?」





まさか。そんな。
後ろから誰かに蹴られたような衝撃だった。






この同僚とは4日前の3/25(金)の仕事終わりに
2人で映画を観に行っていた。
繁忙期も落ち着いたので息抜きも兼ねて
お出かけしようと前々から計画していて
楽しい週末を過ごしたところだった。

しかし、翌日3/26の朝彼女からLINEがあり
朝起きたら頭痛がひどくて、熱も38℃近くあるとのこと。

私自身の体調に全く変化はなく、
せっかくの週末休みを昼前に起きる
大寝坊をかましてのんびりしようとしていたところ
少しびっくりするような連絡だった。

その日の夕方、また彼女から連絡があって
熱がだいぶ下がったとのこと。

連日繁忙期のせいで帰宅時間が遅かったり、
休日出勤も重なっていたため、少し緊張が解けて
疲れが出てしまったのかもねなんて呑気に
やり取りをしてしまった。








3/28(月)


出社してみると彼女の姿はなかった。
熱が出ているためお休みとのことだった。
熱は下がったと聞いていたから、大事を取って
休んだのかなくらいに思っていた。






3/29(火)


私は在宅勤務だったため、
彼女の出社状況は知らなかった。

しかし、熱が下がらないため
彼女は仕事を休むとの連絡があった。

私自身、偏頭痛持ちではあるが
ほとんど体調を崩すことがないため
「相当疲れがたまっていたんだな」
くらいの軽い気持ちで過ごしていた。

しかし、火曜日の夕方
彼女からのLINEで大変なことが
起きていたことに気づかされる。

LINEが来た時、

まさか自分も?
濃厚接触者になってしまうのか?
仕事はどうしよう…
誰かに移してしまってないだろうか?

色んな考えが頭に渦巻いた。

東京に住んでいるため、
連日の感染者数はなんとなく把握していたし
もういつどこでだれが感染しても
おかしくない状況ではあった。

頭はパニック寸前だったが落ち着かなければと思い、
まずは連絡をくれた彼女にお礼と自分は大丈夫だということを
報告した。

そして一緒に暮らしている両親には感染の可能性があるから
できるだけ今のところは隔離をするようにお願いし
必要なものは部屋の前に置いておいてもらうように依頼した。

また、会社の上司にももしかしたらの可能性があることを
電話で連絡した。
会社ではすでに同僚が連絡をしてくれていたため、
エスカレーションの為の指示がとてもスムーズだった。

とりあえず翌日PCR検査を受けてくること、
そして結果が分かり次第再度連絡することを約束し
念のため3/30はお休みをいただくことになった。











3/30(水)


もしかして、と思うとなんだか深く眠れなかったようで
いつも出勤するときよりも早く目が覚めてしまった。

家から近いPCR検査センターは
9時から開いているとのことだったので
オープン時間に合わせて徒歩で行くことにした。

検査は本当にあっという間で、到着してから
10分程度で終わってしまった。

都の無料化事業のプランではあったが
当日の21時までに結果の連絡をいただけるとのこと
だったのでおとなしく帰宅した。

ただ、あまりにも検査が早く終わってしまったので
家に着いたのは9時30分頃。
これなら仕事休まなくてもよかったかな、とも
思った。

しかし、ふとした時に結果が悪かった時のことを
考えてしまいこれじゃ仕事が手につかなかったかも。
そう思って振り切って趣味の時間に充てることにした。

好きなドラマの続きを見て、アニメを見て
アイドルのCDの特典映像見て、
好きなゲーム実況者の動画を見返して
たまに読みかけてた小説を読み返して…

でも全然時間の進みを感じない。
まるで学生時代の苦手な教科の授業を
受けているときのような時間の進み方。

1日ってこんなに長いんだと思った。
部屋に閉じこもるのってこんなにも
体力使うんだと思った。
部屋の外にいることが常な私にとって
本当に1日も自室から出ないで過ごすのは
とても大変だった。

起きているといろんなことに
考えが及んでしまうので
一旦昼寝をすることにした。

目が覚めるともう夕方。
いつもならお腹がすき始める時間。
でも、検査結果が出るまでの緊張で
なんだか食べる気にならない。

連絡が来るのは21時までとのこと。
早まって連絡が来ないかな。
SNSで予定時刻よりも早く連絡が
あった人がいるか検索したり、
結果が悪かったりしたときの
対応をひたすら考えて考えて。

でも、20時近くなってやっぱり
お腹がすいてしまって
(ほんとマイペースな体!!)
結果が悪くてもっと食べれなくなるかも
と思って、両親が作っておいてくれた
夕ご飯を口にすることにした。

普段私は家族がいるリビングで
ご飯を食べることが多いので
一人で食べるご飯はこんなにも寂しいものかと
なんだか悲しくなってしまった。






20時10分過ぎに普段聞かない
スマホの通知音が鳴った。
SMSが検査センターから届いたようだった。

クイックアクションで内容を確認すると
そこには「陰性」の二文字が。

1日中張りつめてた気が一気に
緩んだ気がした。
とりあえずと思って口に運んだご飯も
急においしくなった気がした。(笑)

本当にこんなにドキドキしたのは
大学受験の合格発表を確認した時くらい。
人生でもトップ3に入るくらいの緊張だったと思う。

嬉しいドキドキじゃなかったから
本当に気疲れしてしまった。
拍子抜けしてしまったような感じもあって
なんだか夜は眠れなかった。








健康に生きること。

結果は陰性ではあったけど、
ここ数日間はなんだか生きた心地が
しなかったようにも思える。

もしかしたら、無症状なだけで陽性かもしれないし
周りの人にたくさん迷惑をかけてしまうかもしれない。
そう思ったら、今回何事もなくて本当に良かったけど
いつ自分が当事者になってもおかしくないことを
改めて身をもって知らされた。

そして、健康であることの大切さ。
わかっているつもりでいたし、当たり前だと思っていたけど
正直うわべだけで、全然当たり前なんかじゃなかった。

まだまだ油断は許されない状況だからこそ
意識して行動しなきゃいけないなと思いました。


備忘録。





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