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#小説

「アンダー、サンダー、テンダー」

韓国文学にハマって1年と4か月が経ちますが、ちまちま読み進めて20冊になりました。 記念すべき20冊目はチョン・セランさんの「アンダー、サンダー、テンダー」でした。わたしが韓国文学にハマるきっかけとなった1冊目「フィフティ・ピープル」もまたチョン・セラン作品なので、ささやかな節目ですが、このタイミングで読めて嬉しい。そして、この読了をもって、日本語訳されているチョン・セランさんの書籍類は読破してしまった…。嬉しいような、惜しいような。でも、二作品が翻訳中らしいのでこれまた楽

人生で初めて読書をやめた6か月

物心ついたときから、私の生活には本があった。 文字が読めないころは母が毎日読み聞かせをしてくれていたし、文字が読めるようになってからは毎日自分で本を読んだ。母に聞くと、2歳くらいではもう絵本を与えていたらしいので、そこからずっと本のある生活をしていることになる。 中学2年生くらいまでは自分が特別に本が好きとは思っていなかった。学校で「朝読書」の時間があるし、読書はみんながする当たり前のものという認識だったので、自分は特別な趣味もない人間だなと思っていた。 でも中学後半で

日本の本はめちゃくちゃ安いんだよ!!!!という話

とある場所で「本って高くないか」といった内容の意見を聞いてしまった。すぐさま違うよー!と言いたかったけれど、状況的に無理だったのでここに書き出そうと思う。 私は、「日本って本めちゃくちゃ安いよな」と思っている。 作者が長い時間を費やして文章を書き、出版社が編集し校閲し装丁を作り営業をかけ、印刷され、取次、書店などなどを経て私のところにやってくる。 こんなたくさんの人たちが関わった知識と創造の塊が、たったの1000円前後、文庫本だと500円前後で読める!なんて幸せな環境。

「武道館」を読んで考えた"推し"について

アイドルでも2次元でもないけれど、私には応援している人たちがいる。 どのジャンルまでを"推し"という言葉の対象にするかは、最近いろいろな意見をみかけます。私はそれについて明確な答えが見つかっていないし(どちらかというと抵抗なし派かな?)、いろんな人が言っているようにそれにかわる言葉も見つからないので、ここでは便宜上"推し"としておきます。 朝井リョウさんの小説『武道館』。女性アイドルグループが主人公のお話。 「武道館」が私の中でタイムリーなワードなので積ん読から引っ張り