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愛を届ける

とある知り合いが辛い思いをしている。
そこまで親しいわけではないので、私ができることはない。
唯一、”これなら出来る”と思うことがあるのだが、それも何だかおこがましい気がしてそのままにしていた。

今日、私は”あるもの”を見た。
とても美しいものだった。
他人のプライバシーに関わることなので、それが何かは言えないが、とにかく私の心はギュっとそのものに捕らえられたのだ。
その瞬間、これを絵にして届けたいと思った。

もしかしたら、受け取る方は迷惑かもしれないと、そんな気持ちがよぎらなくもない。
たとえそれが自己満足だとしても、私自身が後悔したくなかった。

そこからの私は早かった。
いくつかの調べものを済ませ、必要なモノをネットで買い、スケッチ程度のものを1枚描いた。明日もう1枚書く。
私は自分ひとりで投函しに行くことができないので、木曜日にヘルパーさんに頼むか、金曜日の外出時に投函する予定だが、あいにく土日がはいる。来週まで待てない。速達で投函するつもりである。

こんなふうに、その人が喜んでくれるのを想像しながら計画を進める時間が幸せに感じた。
なんだかとても満たされた気持ちだった。

愛を届けることは幸せなことである。

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