見出し画像

「ままどおる」のやさしさ

なんというか、「こんな日」もあるものだ。

駅でエレベーター待ちをしていて、先着の車椅子さんにどうぞと声をかけたら、なぜか「上じゃねーんだよ!!!」と怒鳴られた。
私が乗りこんだエレベータは、私が行きたかった上階ではなく、下階行きだった。再び上って先ほどの階へ着き、そして先ほどの車椅子さんにどうぞと声をかけた。十分スペースがあるにも関わらず、非常に怒っていて乗ってこなかった。どうやらある界隈では知られた方らしい。

今日の目的は、そもそもそんなつもりではなかったのだが、元気のない(であろう)人に元気を渡してくることだった。
”そもそもそんなつもりではなかった”、というのには2つの意味があって、ひとつは今日は外出ができる曜日ではなかったのに、諦めていた外出が叶ったこと、もうひとつは単純に会いたい人に会いに行き、普通に楽しく会話して楽しく帰ってくるつもりだったのが、どうやらその人に何かがあって元気がなさそうだと思ったので、”楽しい会話”から”元気をおすそ分けする会話”に予定変更したのだった。

結果的に、私は元気のおすそ分けができず、凹んでその場を後にしたのだった。

撃沈です。

ちーん…

その後、帰宅の電車に乗る為に駅員に案内とスロープのお願いをしたところ、とてもやる気がなさそうな人だったのと、実際に案内係をしてくれた方の案内があまり丁寧でなかったのが、ちょっぴり残念だった。

帰りの電車内で、もしかしたら、行かない方が良かったのかもと言いかけたが、急遽時間を空けてくれたヘルパーさんにそんなこと言ったら申し訳ないと思い言えずに、そして元気のない(であろう)人のことがずっと気になって仕方がない。
別にどうしてほしかったとは思わないが、かえって会わない方がその人にとっては良かったのかなと、やっぱり思う。

なんだか今日はやけに「ままどおる」だけが、無条件に私のちょっぴり傷ついた心に優しかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?