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3月の思い出

例年よりも少し早く桜の時期が訪れた3月18日、京都の歴史ある名店「室町和久傳」にてワインメーカーズランチ&ディナーを開催させていただきました。

感染拡大により、2020年の2月、シンガポールのフレンチ "Whitegrass"で開催させていただいたのが最後になりましたので、グレイスワインとしては一年ぶりとなるワイン会でした。​”Whitegrass” https://www.whitegrass.com.sg/

昨年、コロナ禍となってからは、殊にワイン会一つ一つが大変貴重なものとなりました。
このたびの会は、ワイン県やまなしの美食ブランドアドバイザーであり、麻布十番「可不可」の宮下大輔さんがコーディネーターを務めてくださり、室町和久傳の女将・桑村祐子さん、松本進也料理長と事前に打ち合わせを重ね、満を持して行われました。

山梨県ご出身の宮下さんとは、もう20年以上のお付き合い。そして「室町和久傳」は、普段より甲州をお取り扱いいただいているお店ということもあり、心の底から楽しんでいただけるような会にしたいという思いがありました。

ワイン 室町和久傳

国内外のレストランでワイン会をさせていただくようになり、やはりお客様に喜んでいただける決め手は、お料理とワインの相性だと感じています。
フランス人の醸造家は、ワイン会に対してもこだわりが強い方が多いと思うのですが、私自身も、ワインの選定からお料理、グラスや提供温度について、お店とディスカッションをさせていただきます。

イベント当日は、サーヴィスやホスト側に回り、お料理をいただけないことも多く、室町和久傳のご厚意により、この日も事前に相性を確認させていただきました。

🍷「グレイス ロゼ」と合わせて 
🍴山梨県産「富士の介」のミキュイ
山椒オイルをかけると、より相性が良く感じられました。

ミキュイ


🍷「グレイス甲州」に合わせて
🍴 白魚と土筆のてんぷら
写真はカラスミなのですが、当日はカラスミではなく、お出汁をかけて召し上がっていただきました。

天ぷら


🍷「グレイスロゼ」「グレイス甲州」
🍴カベルネフランの搾りかすを使ったお寿司
まだ酸の残る、天日干しにしたカベルネフランの搾りかすを、お酢代わりとして酢飯に使うという、松本料理長のアイデア。
この日限り、ワイン会だからこそのお料理が嬉しいです。

カベルネフラン 絞りカス

お寿司


🍷「キュヴェ三澤ブラン」「グレイス甲州」
🍴蛤のスパークリングワイン蒸し

「セレナ エクストラブリュット」のみを使い、土鍋で蛤を料理するという、松本料理長のアイデア。お出汁も味付けもなく、素材の味でいただく、感動のおいしさでした。
蛤は「キュヴェ三澤ブラン」と、筍は「グレイス甲州」と。

はまぐり

はまぐりたけのこ

残りのスープは、鯛のお出汁と合わせて、ほうとう風に。
山梨の郷土料理ほうとうは、味噌で煮込むため、繊細な辛口の甲州とは合いにくいのですが、室町和久傳作のほうとうは「グレイス甲州」と素晴らしい相性でした。

ほうとう


🍷「キュヴェ三澤」に合わせて
🍴 イノシシ
前日に試食をさせていただいたときは、のどぐろでご提案をいただいていたのですが、ディスカッションをして、当日はイノシシに決めました。当日の写真が無く、申し訳ありません。


🍴しいたけ、リンゴ
ブドウを育てている明野町が、リンゴの産地でもあることから、リンゴをすりおろした一品。

しいたけ


🍴ポテトサラダ
明野の切り干し大根、母が造った枯露柿といった、山梨の名産にホタルイカも加えたオリジナルのポテトサラダ。「キュヴェ三澤ブラン」と合わせていただきました。

ポテトサラダ


🍷「グレイス甲州」「Grace Blanc de Blancs 」
🍴 山菜の雑炊
蛤、ほうとうのお皿で残ったスープで山菜の雑炊をいただきました。
甲州は、山菜と相性が良いことをお伝えしたところ、室町和久傳のアイデアで素敵な〆となりました。
最後に甲州に戻りつつ、スパークリングワインでお食事とさせていただきました。

山菜リゾット



当日の様子は、レストランやワインのライターもしていらっしゃる瀬川あずささんがインスタグラムで紹介してくださっていますので、是非ご覧ください👇


これまで以上に一つ一つの会を大切にして、お客様の心に刻まれるようなワインメーカーズディナーを催していけたらと思っております。
主催してくださった宮下さん、室町和久傳の皆さん、ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。

🍴室町和久傳
https://www.wakuden.jp/ryotei/muromachi/

🍴可不可
http://kafuka-tokyo.co.jp/

家族がワイナリーを営んでいたため、休日と呼べるものが無く、私自身の幼少期の幸せの思い出はレストランとともにあります。私にとってレストランとは、家族との思い出の詰まった場所であることを改めて強く感じています。

良いワインを造ろうと思えば思うほど苦悩は少なくありませんが、レストランでの家族との幸せな記憶は力をくれるものです。

度重なる緊急事態宣言で飲食店の方々は、大変な影響を受けていらっしゃることと拝察いたします。
グレイスワインは、Yahoo、楽天、amazon等、大手ECサイトの販売から削除をお願いしております。ECにおける展開を狭く限定させていただくことで、少しでも飲食店の経営を守ることに繋げたいと考えております。
大手ECモールにて販売の酒販店様には、一軒一軒お電話をしながら、ご説明を続けております。ただ売れればいいのではなく、生産者として、モラルを持ちながら変わりゆく市場に立ち向かっていきたいと思います。

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