君はこんなものを仕事にするのか3
弊社のスタッフは、ほぼ9割以上が女性だ。
珍しいと言われる事が多いが、ずっとそうだったので私としては全く違和感がない。
恐らく今後も女性を中心に採用をすると思う。
それには訳がある。
私の今までの人生の歩みに影響を受けている。
その中身はいずれ書く事になると思うが、関係者も多く、気軽には書けない。
ただ、
児童虐待のニュースを見るたびに胸が張り裂けそうになる。これがヒントだ。
ビジネス経験や、パソコンスキルがない人でも、働いて、社会に貢献でき、収入を得られる。
そんな会社が有れば、誰かに依存しなくても生活できるようになる。
子育て中の女性が、ご主人や、他の男に依存しなくても、突然社会に放り出されても、社会経験がなくても、自立できる。
そんな会社が有れば児童虐待は少しでも減るのでは無いか?
私は、自殺を考えた時、どうせ会社経営をするなら自分の好きな事を本業にしよう。
そう思い、今の業態を始めたが、その時、スタッフとして採用に注力したいのはどんな方か?
どんな人なら、私のこの会社のような、今までになかった業態に向いているのか?ペルソナを決めた。
そんな想いが現れるのか、理由は、わからないが、求人に応募してこられる方も9割が女性だ。
さて、
取材の依頼の電話から、一週間が過ぎ、取材当日となった。
「社長、お客様が来られました。」
記者は1人で来た。妙齢の女性。
カメラマンやライターを引き連れて来るのかと思っていたが、違ったようだ。
そんな大した雑誌ではなさそうだ。
名刺交換をし、着座を促すと、記者の第一声が、
「社長は男だったんですね」
「はい、そうですが、何かありましたか?
電話でお話ししたのも私ですよ。」
「私はてっきり、こういう細やかで、華やかなお仕事を思いつかれた社長さんはきっと女性なんだろうとばっかり思っていました。」
失礼な話だ。
でも言われ慣れている。
よく言われますよと軽くいなして、小一時間、あれこれとインタビューを受け、写真撮影に応じた。
記者は一通り仕事を終えると、帰り際にこう言い放って帰っていった。
「大変ご苦労されてきたんですね。聞けてよかったです。ところで、雑誌の発行は来月です。
その日から、何かが変わると思います。」
発行日
電話がいつもの5倍以上鳴った。
なんでこんなに問い合わせの電話が急に増えたんだろう。何かあったか?
「ひょっとして、社長、発行日ですね。あの取材の。」
そうだ、きっとそれだ。間違いない。
今までほとんど鳴らなかった電話応対に女性スタッフ達は大喜びだ。
私の好きな映画のフレーズが、ふと頭をよぎった。
「人生の大事は一瞬で決まる」
約、1か月ほど、電話は鳴り続けた。
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