見出し画像

顧客満足から社会満足へ

 あなたの組織のお客様とそのニーズをお聞きしました。

 それに続いて、あなたの組織の利害関係者とそのニーズをお聞きしました。

 このように2つに分けてお聞きしましたが、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークでは、これらは組織プロフィールの中の一つの(一組の関連する)質問です。

 それは組織に求められるのが顧客の満足だけでなく、従業員の満足、株主の満足、さらには地域社会の満足など、顧客を含む利害関係者すべての満足へと広がってきたためです。組織がその満足を追求する相手として、これらは一つだからです。

 例えば、「お客様第一」と言っても、その満足が従業員の犠牲のもとにあってはいけない。逆に、従業員の幸せを一番に考えると言って、お客様が軽視されるのでもいけない。両方の満足を追求することが求められるのです。

 幸いにして、エンゲージメントの高い従業員が、お客様のエンゲージメントを高めることが、ギャラップ社の調査結果などで実証されています。この結果は、あくまでエンゲージメントの高い従業員であって、満足度が高い従業員ではないことは、注意が必要ですが、従業員のエンゲージメントを高めることが、顧客満足につながることは言えそうです。
 両方を同時に追求することが可能であることを示しています。

 もう一つの背景は、お客様の求めるものが、モノからコトへ、さらに体験から心へと変わってきているためです。消費者から生活者へ、個性も持つ人へと変わって来たとも言えます。自然と共生や癒しなどが求められ、自身をとりまく社会にも関心を持つようになりました。
 このため、組織も社会満足を意識することが求められるようになりました。

 顧客満足から社会満足へ、そのために、顧客、地域社会を含む、あなたの組織の利害関係者すべての満足のバランスをとることが重要になってきています。

★★

 「顧客満足から社会満足へ」は、経済産業ビジネススクール’時代セミナー’「二水会」第4講座(2020/12/2開催)で、高梨智弘講師から紹介のあったキーワードです。顧客が求めるものの変化を示しながら話をされました。
 ボルドリッジがなぜ顧客とステークホルダーのニーズを一緒に尋ねているかの背景として理解しました。

★★

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの組織プロフィールを下敷きにして、組織の主要な特徴を確認しています。
 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーは日本語で読めます。
 筆者らが翻訳した「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。
 下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?